DMBOK2 Revisedの英語版を読む(1章)

目的
DMBOK2 Revised(英語版 DMBOK2 Revised)を根気強く読むこと。
構成
内容の要約→簡単な事例への置き換えを章ごとにできたら嬉しい。
いろんな書籍を並べながら読んでいくつもりです。
こんな観点もあるよーという先行者の方々ぜひコメントをいただけると幸いです。

1.Introduction
多くの組織は、自社のデータが重要な資産価値であり、データと情報が顧客・製品・サービスに関する洞察をもたらすことを知っていて、それらがイノベーションを起こして戦略的目的を達成するのに役立つ事実がある。一方で、データを継続的な価値を生み出す資産として積極的に管理している組織はほとんどない。
データから価値を引き出すためには意図・計画・調整・コミットメントが必要であり、そのためのマネジメントとリーダシップも同様に必要である。
データマネジメントとは、データおよび情報資産のライフサイクル全体にわたって、その価値を提供・管理・保護・強化するための計画・方針・プログラム・実務の策定・実行・監督を行うこと。
データマネジメントの専門職は、高度な技術職(技術的なスキル)から戦略的なビジネス職(非技術的なスキル)まで多くの役割を担っており、データのライフサイクル全体にわたる技術的管理から、データが適切に活用されることの保証までを担い、戦略的な目標の達成を目的とする人のことである。データマネジメントの活動はそれほど多岐に渡り、データから戦略的な価値を得るための一貫した意思決定能力から、データベースの技術的導入や運用までが含まれる。データ管理の責任は、ビジネス部門と情報技術部門の間で共有されなければならず、両部門が連携して高品質なデータが戦略的ニーズを満たすようにする必要がある。
データと情報は、将来的な価値を得るために投資するという意味での資産であるだけではなく、日常業務でも活用されるほど不可欠である。データなしでは、ビジネスは行えない。
DMBOK2(本書)ではデータマネジメントのための一連の原則を概説、実施上の課題に対する議論と対処するアプローチを提示。また、DAMAデータマネジメント・フレームワークについても説明がなされており、DMBOK2の領域内で専門職が行う業務の枠組みを提供している。

1-1. Business Drivers
情報と知識は競争優位性を握る鍵であり、顧客・製品・サービス・業務に関する「信頼できる高品質なデータを持つ組織」は、「データを持たない or 信頼性の低いデータしか持たない組織」よりもより良い意思決定を行える。
データを管理できないことは、資本を管理できないことにそっくりで、無駄や機会損失を招く。
データマネジメントでは、主に組織が自らのデータ資産から価値を得られるようにすることを推進要因としている。
財務資産や物的資産を効果的管理すること≈データ資産から価値を得られるようにすること

1-2. Goals
組織内におけるデータマネジメントの目標
- 顧客・従業員・ビジネスパートナーを含む企業およびその利害関係者の情報ニーズを理解して支援すること
- データ資産の取得・保存・保護及び完全性の確保
- データ及び情報の品質を確保すること
- ステークホルダのデータのプライバシー及び機密性を確保すること
- データ及び情報への不正または不完全なアクセス・改ざん・使用を防止すること
- データが企業に価値を付加するために効果的に活用されることを保証すること

第一章 ざっくり感想
- データの重要性を理解しながら、現金や物的資産と同じように管理しようと考えている企業はまだ少ない
- データマネジメントはデータおよび情報資産のライフサイクル全体にわたって役割を果たすものであり、その専門職は技術とビジネスの両面を持つことが求められる
- データの保護という守りとデータの活用という攻めの両方を適切に推進することが求められることが理解できた。
実際に技術者目線ではビジネス的な知見が弱いと感じているので、まずは両者を横断した組織を作りながらデータが資産になるように取り組むことが重要だと感じました。