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エンジニアがブログを書き続ける方法

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ブログの書き方、教えてください!

ソフトウェアエンジニアはブログを書いたほうが良いとは言われるものの、それを続けるのはなかなか難しいことだ。まず書くネタが見つからない。文章に自信はないし、言葉がすらすらとは出てこない。そして、ブログを書くのはとても時間がかかるのだ。書き終えて公開したところで、期待したほど読まれず、落胆するおそれもある。

私自身、満足がいくほどブログを書けておらず、よければコメントなどで読者の指導を仰ぎたいところである。とはいえ私もいくつか記事を書くなかで、自分のスタイルが定まりつつもある。そこで一つの参考までに、私が個人的に意識している、エンジニアブログを書くための方法を書き連ねてみたい。

自分が読みたい記事を書く

まず、どんなテーマでブログを書くのか。これについては「何を書きたいか」と考えるよりは、「自分はどんな記事を読みたいか」と考えるほうが良いのではないだろうか。

たとえば何か調べものをしているときに、期待する記事が見つからないことがあるだろう。ネット上では情報が少ししか見当たらなかったり、散逸していたりする。そこで技術書を何冊か開き、断片的な情報をかき集めながら、自分の考えをまとめていく。読みたい情報が、はじめからどこかにまとまっていたら良いのに...。いや、それこそあなたが書くべき記事かもしれない。

そのようなことだから、「書きたい」というより「読みたい」という観点から出発するのは、ひとつの実践的な方法だ。最初の読者が自分自身であれば、モチベーションにもなるし、クオリティコントロールにもつながる。あなたが読みたい記事であれば、他に読みたい人だっているだろう。

ネタ帳に書き留める

書きたいテーマが見つかったとして、それを即座にひとつの記事にすることもできるが、短すぎるとなんだか見劣りするし、もっと充実した記事を書きたいと思うかもしれない。そのようなときは、ネタ帳に書き込んでおき、アイデアを熟成してみてはどうだろうか。

私はGoogleドキュメントでネタ帳をつくり、ふとしたアイデアや、本を読んで関心したこと、印象深いフレーズなどを書き留めるようにしている。そしてネタ帳の内容が溜まってくると、いくつかのネタを結びつけて、ひとつの記事にまとめるのだ。私はこの習慣をはじめてから、ブログのネタ切れで困ることはほとんどなくなっている。書きたいテーマがネタ帳のなかにたくさんあるからだ。

さらにネタ帳には、知識のアンテナの感度を高める効果もある。たとえば、プロダクトの保守運用方法について記事を書きたいと思い、その着想をネタ帳に書き留めておいたとしよう。そうしておくと、なにか技術書を読み、偶然プロダクト保守運用に関するくだりが見つかったならば、「これはブログのネタに使えるな」と即座に思えるだろう。そしてその着想をまた書き留めるようにしておけば、ネタ帳はどんどん充実してくるし、記事もどんどん書けるようになる。

発表予定を立てる

記事のネタが充実したとしても、ブログの執筆には時間と労力がかかるものだから、実際に書きはじめるのは億劫かもしれない。そこでおすすめしたいのは、締め切りをつくることだ。

これはブログに限ったことではない。私は技術系のイベントで毎月のようにライトニングトークをしていた時期があった。もちろん毎回まったくあたらしい内容を発表するのだが、これを実現できたのは、先にライトニングトークを申し込み、発表予定を入れていたからに他ならない。実際、申し込んだときには発表内容が固まっていないこともしばしばであった。こうすることで自分を追い込み、「やるしかない」を思わせることができるのだ。

余談ではあるが、過去の評判の良かったライトニングトークのスライドを載せておく。

深夜に書く

私がブログを書くのはいつも深夜のことだ。ブログなんて気恥ずかしくて書けない。そういう人も少なくないのではないだろうか。私もそうである。そのようなことだから、思考が鈍った深夜に書きはじめるのは有用な一案だ。

夜ふかしすれば時間は捻出できるし、正気であれば出てこない斬新なフレーズを思いつくこともある。そして重要なことだが、疲れが正常な思考を妨げて、次第にたのしくなってくるのだ。気が大きくなり、日本一おもしろいブログを書けるように思えてくる。もちろん、朝起きて文章を読みかえすと赤面することもある。そういうときも冷静に推敲しつつ、公開を躊躇してはいけないのである。

シリーズ化する

あなたにとって打ち込める大きなテーマが見つかれば、それを深掘りして、シリーズ化するという方法もある。たとえばあなたがプログラム意味論に関心があり、それに習熟したいと願うなら、さまざまな文献を渉猟して理解を深めていけば、数十回にわたるシリーズ記事を書けるかもしれない。

もちろんシリーズを書くにあたって、はじめから専門家として振る舞う必要はない。実際、何かを学ぶとき、それを人に教える機会を持つのは効率的なやり方だ。人に教えるためには深く理解しないといけないし、説明することで自分自身の思考を整理できる。だからブログを書くことで、自分自身が学ぶのだ。それを繰り返していけばあなた自身の強みとなるし、もしかすると注目を浴びて、その分野のオピニオンリーダーとなれるかもしれない。

なお私は「古今東西の著名エンジニアを紹介する」というテーマでYouTubeチャンネルを運営しており、同シリーズの投稿動画は100本を超えている。このように自分の関心からシリーズ化を行えば、理解が深まるし、ネタ切れの心配もなくなってくる。

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フクロウラボ エンジニアブログ

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