Metabase(OSS版)を会社導入に検証したが見送ったまとめ

2024/05/20に公開1

BIについて調査する必要があり、その中の1つとしてMetabaseを使ってみた。
他BIは情報それなりにあったがMetabaseは日本語の情報が少なかったのでOSS版を触ってみた感想をまとめた。
別記事ではterraformを使ってGCP環境(cloud run + cloud SQL)に立ち上げた時のことをまとめる。

結論

他が便利すぎて、Metabase(OSS版)では会社の実運用にはあまり向いていない。
有料版は試していないが機能や操作動画を見る限りそれなりに使えそうだが、Metabaseでしか満たせないような要件はなさそう。

要件

以下の要件でBIを調査していた。Metabaseは以下をすべて満たせてはいた。

  • アカウントの縛りがない(Googleアカウントが必要など)
  • 無料で小さく始められる
  • 認証や閲覧制限が可能
  • slackやメールによる自動投稿が可能
  • APIによる操作が可能
  • ChatGPTの組み込みができる(優先度:低)

OSS版の良かった点

1. 簡単に立ち上げられる

コンテナが用意されており、簡単に立ち上げられる。
cloud runでサクッと立ち上げられた。
https://www.metabase.com/docs/latest/installation-and-operation/running-metabase-on-docker

2. API操作が簡単

今の時代ダッシュボードを直接見るより、情報をPushされたり、要約された情報で見たいという需要が増えているのでAPI操作しやすいのは強みだと感じた。
ドキュメントも結構充実していたため自由なカスタマイズができそうだった。
実際データを簡単に引き出せるのでお手製のslack自動投稿botやTeams Webhookへの投稿が簡単に実装できた。
https://www.metabase.com/docs/latest/api-documentation#about-the-metabase-api

OSS版の悪かった点

結局採用しなかった理由は以下のとおり

1. 日本語の翻訳が変かつ、情報が少ない

ビジネスサイドに展開することが想定されるが、あまりに日本語が変。
Question(ダッシュボード作成のこと)など独特の用語がありクセがあり、分析官やビジネスサイドの方に対して余計な学習コストを要求してしまう。

2. ChatGPTとの連携もできるが微妙

調査当時、結構目玉に感じていた機能。これが微妙だったので他BIと変わらないという感想。。。

環境変数MB_IS_METABOT_ENABLED=trueにすることでChatGPTとの連携が可能になる。
管理画面にMetabot項目が追加され、ここでOpenAIの鍵を登録して使う。
管理画面スクショ001

モデルを選択後、「メタボ」に聞くという項目からデータに関する質問をすることができる。

モデルの三点リーダ選択スクショ001

試しに質問してみたが日本語だとどうも回答ができない。
ChatGPT-4 Turboをモデルとして選択しているが、ChatGPT-3.5時代のような回答を返したり、そもそもエラーが出たりするので非常に使いにくい。
メタボ使用画面スクショ001

3. 自動投稿できるが日本語非対応

slackと連携し投稿することができるが日本語が文字化けする。。
matplotlibの日本語文字化けと全く同じ現象がおきる。

裏でWeb版とは別の操作でグラフを生成しているようで見た目せっかく調整してもsalck版では色やデザインも変わってしまう。。
結局お手製のslack bot作って調整が必要だったので他BIとあまり変わらなかった。

以上からかゆいところに微妙に手が届かない状態で採用を見送った。
無料でサクッと使いたいダッシュボードがほしい場合は選択肢に入れてもいいかもしれない。

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