技術書の内容をアウトプットすると何が嬉しいのか。
アウトプットすると何が嬉しいのか。
対象読者
技術書を読んで何かをアウトプットしたい、しようと考えているものの、なかなかアウトプットできないあなた。
(そして、技術書や技術に関して学んだことをアウトプットしていなかった過去の自分)
アウトプットをすると何が嬉しいのか。
この節では、なぜ技術書をインプットするのか、そしてインプットした内容をアウトプットすると得られる効果を書きます。
そもそもなぜ技術書の内容をインプットするのか。
技術書を読む目的は、大きく 2 つあります。
(※ここでは、純粋な興味による「知るだけ」を目的から外しています。)
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実装する。
あなたが技術者ならば、実装することが最終的なゴールだと思います。
技術書を読むことで自分で原因や構造を解明していく手間が省け、知識習得が加速し、最終的な成果にたどり着く時間が短縮されます。 -
伝える。
もしかしたらあなたは手を動かして実装する立場ではないかもしれません。
しかしながら、顧客に対して提案をしたい、会社の同僚・部下・上司の助けになりたい、広く知ってもらいたいなら、技術書を読んで自分の言葉で概要を説明できるようになることが求められます。もっと砕けた場面だと、雑談で話せたり、内容についていけたりするようになります。
アウトプットすると何が嬉しいのか。
上記 2 つの目的に加えて、何らかの形にすることで学習効果が高まります。
アウトプットすることで得られる効果をここに挙げます。
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書くときに文章構造を作ることで、読むときに文章構造が見えるようになる。
簡単に言うと、5W1H をどの順番で伝えるのかを考えることで、相手の意図を読む力が身につきます。 -
自分で作成するときに、自分が無意識に重要だと考えていることが分かる。
アウトプットする内容を細かく見ると、あなたの無意識が現れていることがわかるでしょう。 -
自分の理解しているところと、理解していないところが言語化できる。
理解できていないことは、うまく言葉にできません。そして、理解できていることは言葉にできます。言葉にするととてもシンプルなように見えますが、情報空間で明瞭に考えていると思っていたことが実は明瞭ではなかったことに気づけます。
何をアウトプットするのか。
気合を入れて何かしらの形でアウトプットをしようと思ったものの、いざやろうとすると何をアウトプットして良いか悩む人もいるでしょう。僕もそうです。
アウトプットする内容
技術書を読んだときにアウトプットできる内容は、大きく 2 つあります。
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整理した内容
読んだ内容を自分の言葉で表現することです。
内容は同じだとしても、自分にとって分かりやすい形に表現したものは立派なアウトプットです。
自分が理解しやすいと思った順番に並べ替えて伝えることも、アウトプットの 1 つです。同じような過程で理解する人は必ず存在するからです。 -
自分が考えること
技術書を読んで、考えることがあると思います。響いた箇所と、そこが響いた背景を書くことに価値があります。
【一例】- 自分が直面している状況に当てはめたときにどうするか。
- 読んで新しく理解できたこと。
- 技術書に載っていない他の具体的な事例。
あなたがアウトプットすることを妨げているマインドは何か。
ここまで、アウトプットする理由とアウトプットする内容を書きました。
とはいえ、いざやろうとするとアウトプットを妨げるマインドセットに遭遇するのではないかと思います。
アウトプットの足枷になっているマインドを言語化して足枷を取り除き、アウトプットに突き進む姿勢をつくる、この投稿の本題です。
足枷マインドを、阻害と姿勢という形で書きました。
- 新規性
- 阻害:他の人と比べて新規性のあるものが提供できないんじゃないか。
- 姿勢:アウトプットに新規性がないと何が困るのでしょうか。研究者でなければ、新規性にこだわる必要はありません。広める観点で言うと、新規性がなくてもあなたのアウトプットが広がりを加速させる一助になっています。
- 重複
- 阻害:技術書に書かれている内容をただ横流しするだけなんじゃないか。
- 姿勢:上にも少し書いていますが、並べ替えて表現するだけでも立派なアウトプットです。なぜなら理解しやすい順番が人によって違うからです。そして、その技術、技術書を取り上げたきっかけが同じとは限りません。アウトプットすることで、似たような境遇の人の助けになります。
- 完璧主義
- 阻害:最初の投稿で完璧に良いものを作らないといけない。ミスがあってはいけない。内容に齟齬があってはいけない。網羅していないといけない。じゃないと怒られるかもしれない。
- 姿勢:ソフトウェアシステムと同じです。更新すれば良いだけのことです。生み出すことは、指摘するだけよりもずっと難しいです。
- 読書に関する完璧主義
- 阻害:最初から最後まで全て読んでからじゃないとアウトプットできない。
- 姿勢:途中から呼んでも良いですし、一部だけ読んでもアウトプットできます。勇気がいるのは最初のアウトプットだけで、走り出せばなんとでもなります。何を読むかと同時に、何を読まないかも重要です。
- 汎用性
- 阻害:多くの人に役に立つ内容でなければいけないのではないか。
- 姿勢:技術書を手にとったきっかけ、出発点となった論点にさえ答えれば良いです。未来の自分に再び役に立つかもしれませんし、役に立つか立たないかはその時が来るまでわかりません。それでも、読んでいるうちに自分が知りたかった内容が分からなくなり、混乱してしまう人もいるかもしれません。そんな時は目次を見続けましょう。目次を読んでどんな内容なのか、気に目次を見ているとそもそもなぜ自分はこの書籍を手に取ったかを思い出したり、重要だと考えていたことが分かるようになります。
最後に
自分はまだ発展途上です。
自分の未熟さや力のなさに毎日絶望の日々ですが、上達の過程や不完全さをさらけ出すことで誰かの役に立てていたら嬉しいです。
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