運動支援AIエージェント AIthlete
運動支援AIエージェント AIthlete
運動支援AIエージェント AIthleteはZennが主催する第3回 AI Agent Hackathon with Google Cloudにエントリーしています。
はじめに
近年、部活動などのスポーツ活動でも動画を撮って後から見返すことで自分の動きの良い点・悪い点を探ることは増えてきています。特に親御さんがスポーツを頑張るお子さんの動画を撮影し、その動画を見返して反省点を次に活かすことは増えてきているように感じます。
この分析によって客観的に自分の動きを観察することができるため得られる反省は大きい反面、そもそも自分の目指す動きが正しい動作なのかどうか判断できないケースがあると考えました。
この課題に対して私たちは、ユーザーが自身の運動動画をアップロードするだけで、AIがプロの動きと比較し、フォームの改善点を分かりやすくアドバイスしてくれるプロダクトを作成しました。従来は専門家による指導が必要だったフォーム分析を、誰でも手軽に受けられるようにすることで、運動初心者から上級者まで幅広く活用できるサービスを目指しています。
このプロダクトによってスポーツの技術習得が早くなり、情報不足による挫折を小さくし、スポーツの楽しむ人が増えることを期待しています。
結論
本プロジェクトでは、VideoPose3Dを活用し、運動フォームの可視化と比較を実現しました。また、geminiによるアドバイスを合わせてユーザーに提供することで、ユーザーは自身のフォームをプロのフォームと比較し、改善点を明確に把握することが可能となります。
対象ユーザーと現状の課題
対象ユーザー
- 専門家なしで運動をしている・しようと思っている方(経験者・初心者問わず)
- 部活動を頑張る学生
現状の課題
専門家なしの自己流でのトレーニングにおける問題点は以下の通りです。
- 正しいフォームが分からず、誤った動作を繰り返してしまう
- フォームの改善点を客観的に把握できない
- 怪我や故障のリスクが高まる
- 上達のスピードが遅くなる
- モチベーションの維持が難しい
- 自分の成長や課題を記録・分析しづらい
- 継続的なフィードバックを得る機会が少ない
これらの問題点から、運動フォームの客観的な分析と継続的なフィードバックを誰でも簡単に受けられる仕組みが求められています。専門家による指導が受けられない環境でも、AIによるフォーム解析と改善アドバイスを提供することで、ユーザーが安全かつ効率的に運動技術を向上できるようにすることが本プロジェクトの目的です。
ソリューション
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プロとの動作の比較
- ユーザーが自身の運動動画をアップロードすると、AIがプロ選手のフォームデータと自動的に比較します。フォームの違いを3Dボーンデータとして可視化し、どの部分の動作が異なるかを分かりやすく提示します。これによりユーザーは自分の動きと理想的な動作との差分を直感的に把握できるようになります。
- スポーツ種目やプロ選手を選択できるようにすることで、ユーザーは自分が目指すフォームや競技に合わせた比較が可能です。例えば、野球、サッカー、バスケットボールなど、種目ごとに理想的なフォームデータを用意し、ユーザーが自身の目標に合わせて最適な比較対象を選択できます。
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AIによるアドバイス
- Geminiを活用し、比較結果をもとに具体的な改善点やトレーニング方法をアドバイスします。例えば「膝の曲げ方が浅い」「腕の振りが足りない」など、個々の課題に合わせたフィードバックを自動生成。専門知識がなくても、AIの助言に従って効率的にフォームを改善できます。
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継続的なフィードバック
- 定期的に動画をアップロードすることで、過去のフォームとの比較や成長の記録も可能です。AIが進捗を分析し、次のステップに向けたアドバイスを継続的に提供します。
システムアーキテクチャ図
システムの流れ
- ユーザーが運動時の動画を撮影。
- ユーザーとプロの動画をシステムにアップロード。
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VideoPose3Dを使用して3Dボーンデータを生成。 - それぞれを比較し、差分を可視化。
- geminiによる改善点をユーザーに提示。
デモ動画
まとめ
本プロジェクトは、運動フォームの改善を支援するためのAIエージェントを開発するという挑戦でした。VideoPose3Dを活用することで、ユーザーが自身のフォームを簡単に分析・改善できる仕組みを提供しました。今後は、さらなる機能拡張や多様な運動種目への対応を目指していきます。
今後の展望
- 比較結果から、特に差異が大きい部位や動作を3Dで強調表示する機能の追加を検討しています。これにより、ユーザーは自身のフォームの改善すべきポイントを視覚的に把握しやすくなり、より効果的なトレーニングにつなげることができます。
- 他のAIモデルとの連携や、より高度な動作解析アルゴリズムの導入も視野に入れています。これにより、より多様なスポーツや複雑な動作にも対応できるようになります。
- 動作の分析だけでなく、チームスポーツにおける戦略などについても評価ができるように検討をしています。
- ユーザー同士のコミュニティ機能や、専門家によるオンライン指導との連携も検討しています。これにより、ユーザーが互いに学び合い、モチベーションを維持しやすくなります。
- モバイルアプリ化や、リアルタイム解析機能の追加など、より手軽に利用できる環境の整備も進めていきます。
また、ユーザーの声を反映した機能拡充とサービス向上も考えております。
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