G.I.G.プログラムの感想と修了するまでにやったこと
バックエンドエンジニアのholyと申します。
この度GoogleCloud主催のGoogle Cloud Innovators Gym Japan #6に参加し、無事修了いたしましたので参加した感想を交えつつ、修了するまでに取り組んだことを記事にしたいと思います。
何かの参考になれば幸いです。
(修了してから少し時間が経っていますがご容赦ください…)
G.I.G.に参加するまでの経緯
私はバックエンドでの開発をメインの業務としていたため、インフラに関する知識や経験はほぼ皆無でした。
とある社内のプロジェクトでGCPによるインフラ構築の業務を任せてもらえるチャンスがあり、名乗りをあげ担当させていただきました。
業務でインフラ構築をしていく過程で、上司から今の業務に役立てられるのではないかと参加のお誘いを受けたのがこのG.I.G.プログラムでした。
G.I.G.とは
Google Cloudが主催するGCPのスキル向上および活用を推進する特別プログラムです。
期間は約3ヵ月、全3回の必須セッションに加えて補講セッションやもくもく会、Courseraというサービスを利用したオンライン学習プログラムなど、GCPのスキル向上に向けた手厚いサポートを受けることができます。
またG.I.G.受講生とサポーター同士で疑問点の共有や相談などができる専用のGoogleChatスペースを常時利用できますので、何か困ったことがあればすぐに発信できます。
修了条件
私が参加したG.I.G.#6の修了条件は以下の3つでした。
- 全3回の必須セッション出席
- Cousera5コース受講完了
- Google Cloud 認定資格合格報告(PCD、PCA、PDEが対象)
折角参加したのですから修了したいですよね。
2と3に関してはかなり骨の折れる課題となっていますので心して臨みましょう!
カリキュラムの内容
G.I.G.#6では以下のようなカリキュラムが組まれていました。
必須セッション×3回+補修セッション(もくもく会)×3回+懇親会×2回+修了式
必須セッション
必須セッション×3回は修了条件に含まれているので必ず出席しましょう。
必須セッションではGCPのサーバーレスソリューションやデータベース、CICDなど一押しのソリューションについて学習しました。
ハンズオンもセッション内で行うので、実際にソリューションに触れることができます。
私はほとんど業務で触ったことがあったので良い復習になりました。
初めてGCPのソリューションに触れる人でもわかりやすく順を追って説明してくださるので理解しやすいと思います。
セッション中は常にGoogleのサポーターの方がGoogleChatで待機してくださっているのでわからないことはすぐに聞くことができます。
補修セッション(もくもく会)
前半1時間程度自習の時間が設けられ、各自で自由に学習します。
必須セッション同様Googleのサポーターの方が待機しておりますので自由に質問できます。
疑問点などが溜まっている人はここで消化すると良いでしょう。
後半の1時間程度でGoogle Cloud認定資格試験の公式模擬問題集の解説を行います。
補修セッションに関しては任意参加ではありますが、この模擬問題集の解説は是非聞くことをお勧めします。
問題数が多く解説もかなりスピーディーですので事前に解答しておいたほうが良いです。
懇親会
懇親会は初回補修セッションと修了式の終了後の計2回ありました。
事前にアンケートで回答した話したいテーマによってグループ分けされ、受講者とGoogleの社員さんを交えて会話します。
私は話したいテーマに「アプリケーション」を選んだので、他社ではどのようなアプリを開発しているのか、今抱えている課題、言語や開発手法などGCPに限定せずざっくばらんに会話することができ、良い刺激となりました。
ちなみに受講者には事前に乾杯セットというおつまみセットが送付されますので、それらを食べたり飲んだりしながらオンラインで懇親会を楽しみました。
Couseraについて
G.I.G.ではCouseraというオンライン学習サービスを利用します。
私はPCDを受験予定でしたのでPCDに特化したプログラムを選択し、以下の講座を受講しました。
(他にも部分的に何講座か受講しました。)
- Google Cloud Fundamentals: Core Infrastructure 日本語版
- Securing and Integrating Components of your Application 日本語版
- Getting Started with Application Development 日本語版
- Application Deployment, Debug, Performance 日本語版
- Getting Started with Google Kubernetes Engine 日本語版
修了条件の5コースはかなりのボリューム感です。
後でまとめてやるのはかなり大変なので、計画を立てる意味でも受講予定のコースのカリキュラムの全体像を先に確認することをお勧めします。
視聴動画、テスト、ラボ(実際にGCP環境で手を動かして行う課題)の数をざっくりとでよいので把握しておいたほうがよいです。
また、講座名に日本語版と記載がありますが英語の解説に日本語の字幕がついているだけなので注意が必要です。
一つ一つの講座を丁寧に学習すると膨大な時間がかかりますので、基本的には動画は倍速視聴し重要なところだけ立ち止まって確認する、実際に手を動かしたほうが頭に入りやすいのでむしろラボに時間をかけたほうが効率的に学習できるかもしれません。
あと字幕のテキストを.txtファイルでダウンロードできるので、字幕をchatGPTに校正と要約をさせてメモとして残しておくと試験前の確認がしやすくて楽です。
厳密に完了までの時間は覚えていませんが、ラボが複数用意されているコースですと1コース3時間くらいはかかったと思います。
Google Cloud認定資格試験について
G.I.G.#6ではPCD、PCA、PDEのいずれかの合格とその報告が修了条件でした。
各種試験概要は公式ページで確認しましょう。
私が受験したPCDは時間2時間、50~60問の多肢選択(複数選択)式でした。
問題数はかなり多いですがきちんと準備していけばそこまで時間で困ることはないかと思います。
合格ラインは明確には公表されていませんが8割取れれば安心かと思います。
合格するためのコツ
試験概要をきちんと確認する
当たり前ですが公式が載せている出題範囲は確認しておきましょう。
漠然と「GCPから出題される」程度の考え方だとあたりをつけることができないので大変です。
以下PCDの試験概要です。
公式模擬試験を解いて傾向と特徴を分析する
認定資格試験は公式の模擬問題集をWEB上で見れるので解きましょう。
G.I.G.では補修セッションで模擬問題集の解説をしてくれるのでそれまでに解けるとベストです。
模擬問題集を解いて感じたこととしては、日本語があまりイケていないということです。
英文をそのまま直訳した、みたい表現がたまにでてくるので知識以前に問題文を理解するのに時間がかかったりします。
こういったイケてない日本語に慣れておくのも大切です。
また、出題されているソリューションの割合なども分析しておくとよいでしょう。
PCDに関して言うとGKEの問題数がかなり多いですね。
あと一問あたりにどれくらいの時間を要するか確認しておくのもよいと思います。
公式ドキュメントのベストプラクティスを確認する
複数選択式の問題では1つは明らかに間違っている選択式なのですが、他の4つは言っていることはあっているケースが多いです。(推奨はされないが間違ってはいない、みたいな選択式が含まれている)
そのため可能な限り、出題範囲のソリューションのベストプラクティスを公式ドキュメントで一読しておくと選択肢を絞り込みやすいです。
その他
G.I.G.では決められた期限内に合格報告することが修了条件なので、デジタル認定証が発行されるまでの時間を計算して余裕を持って受験しましょう。
私の場合7月中旬が合格報告期限でしたので7月1週目に試験をテストセンターで予約しました。
Courseraでの学習が6月初旬くらいには終わっていたので、2週間くらいCourseraとセッションで学習したことの復習をして6月中旬ごろに模擬問題集を解きました。
正答率が7割くらいだったのでちょっと不安でしたね。
GKEの出題数が多いのにもかかわらず業務で使用していないせいか正答率が低かったので、GKE関連を重点的に復習しなおしました。(チュートリアルや公式ドキュメントを読みなおしました。)
勉強時間でいうと模擬問題集を終えてから試験日までに土日で各2,3時間くらいは学習していたかと思います。
ソリューション別に知識をまとめておくと頭の中が整理されておすすめです。
↓こんな感じでセッションやCourseraで学習した内容をNotionにまとめていました
試験当日はテストセンターで受験しましたが、平日なのもあって席はガラガラで集中して挑むことができました。
制限時間は2時間でしたが1時間もかからず1週し終わって、見直す時間を含めてもだいぶゆとりがありました。
見直したい問題はチェックをつけておくと問題の一覧画面から直接確認できるような仕組みになっているので安心です。
ただし例のごとく日本語が不自由だったり、問題文のフォントがばらついていたりと少々読みづらいところはありました。
解答が終わり提出を行うと暫定の合否結果が表示されます。(万一見逃してもWebAssesseorで再度確認できます。)
提出結果を元に運営側で不正が行われていないかなどのもろもろの検査が終わり通過すると晴れてデジタル認定証が送られてきます!
↓WebAssesseorから確認できます
おまけ: 珍事件
試験も終わり、一応暫定結果では合格だったのですが2週間以上たってもデジタル認定証が送られてこない…!
運営に連絡するとGoogle側のシステムの不具合で認定証の発行が遅延しているとのこと。
G.I.G.の運営スタッフの方に連絡すると事情が事情なので認定証が届いた段階で報告すればOKと許可をいただきました…感謝です。
記念品
G.I.G.のウェルカムキットとPCD合格の記念品です、大切にします!
最後に
GCPに関する知見を深めたい人にとってはこれ以上はないプログラムだと思います!
私の場合、G.I.G.で学習→業務で活用のサイクルを築くことができたので、例えば権限周りの設定やCICDのプロセスがベストプラクティスに則っていないなど、現在のインフラ構成の課題を見つける目が養われたと感じました。
また新たにシステムを構築するときに、ざっくりとインフラの構成がイメージできるようになったのは大きな成長だと思います。
今までは正直アプリケーションのことしか視野に入っていませんでした。
これからはコストや運用保守のしやすさを考慮した提案ができるレベルになれると良いと思います。
G.I.G.を運営していただいたスタッフの皆さん、G.I.G.への参加を進めてくださった弊社社員の皆様、ありがとうございました!
これからもGCPに関する学習を継続してさらに成長できるよう頑張ります。
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