「ググる」を卒業してChatGPTに移行した体験談
「ググる」を卒業した話
検索といえば Google ですが、最近変わりつつあります。この記事では、私が「ググる」から卒業してChatGPTのWeb検索へと移行した体験談とステップを紹介します。
1. なぜ「ググる」から卒業したのか?
きっかけ:Chrome 拡張機能との出会い
きっかけは OpenAI が公開している Chrome 拡張機能「ChatGPT for Chrome」をお試しで使い始めたことでした。
当初の懸念点
ただし、利用前にはいくつか気になる点もありました。
- ググるが不便になる?:インストール後、検索ボックスが表示されなくなり、リンクも表示されなくなる点。
- 情報の正確性は大丈夫?:ハルシネーションしているのか判断がつかない点。
- 応答が遅い?:ChatGPTの回答に時間がかかる。
それでも試してみようと思った理由
スマホが出たばかりの頃、ガラケーのほうが便利だと感じていましたが、次第にスマホのほうが便利になり、もうガラケーには戻れません。ChatGPTの検索も同じで、最初の戸惑いを乗り越えれば、より便利になるはずだと思ったからです。
2. Chrome拡張機能を入れると何が変わるのか?
検索体験の変化
ChatGPTのChrome拡張機能を導入すると、検索の流れが大きく変わります。
- アドレスバーに検索ワードを入力すると、自動で ChatGPT のページが開く。
- 検索結果として、ChatGPT の回答が直接表示される。
使いやすさの向上
当初は応答速度が気になりましたが、最近では大幅に改善され、ほぼリアルタイムで結果が表示されるようになっています。
3. 検索のやり方はどう変わるのか?
キーワード検索から自然な質問へ
Google 検索と ChatGPT 検索では、検索の仕方が根本的に異なります。
Google検索の場合:
Chrome 拡張機能 ChatGPT 使用方法
ChatGPT の場合:
ChatGPTの拡張機能を使いたいけど、どうすればいい?
なにが違うのか?
ググるは「探す」ためのツールですが、ChatGPTは「答える」ツールなのでテクノロジーが異なります。そのため、何がほしいのかをちゃんと伝える必要があります。「言葉足らず」な質問ではダメな場合があります。
実は 「ChatGPTの拡張機能を使いたいけど、どうすればいい?」 では、ほしい結果になりません。なぜなら、非公式の拡張機能も混じって出てくるからです。
正解は:
ChatGPTのChrome拡張機能を使いたいけど、どうやったら使えるの? 公式のやつね。
このように、言葉足らずな点を直していく必要があります。とはいえ、最初から完璧にはできないので、繰り返しやるうちに、自然と身についていくので、焦らず試してみてください!
4. Web検索の有無による違い
chat.com の活用
OpenAIは「chat.com」ドメインを取得したことで、アドレスバーに直接「chat.com」と入力するだけでChatGPTにアクセスできるようになりました。
使い分けのポイント
-
Web検索ありの場合:
- アドレスバーに検索内容を直接入力
- ChatGPT が Web 検索を行い、最新情報を含めた回答を提供
- ニュースや最新情報の収集に向いている
-
Web検索なしの場合:
- アドレスバーに「chat.com」と入力し、ChatGPT 画面で直接質問
- 一般知識や概念の理解、アイデア出しに適している
使い分けのポイント(整理表)
項目 | Web検索あり | Web検索なし |
---|---|---|
使い方 | アドレスバーに直接入力 | 「chat.com」へアクセス |
用途 | 最新情報の収集 | 知識の深掘り・アイデア整理 |
5. カスタム指示の活用
情報が複雑なときに「まとめると何?」と毎回聞くのは面倒です。ChatGPTの「カスタム指示」の設定をすることで、検索結果が見やすくなります。
カスタム指示のポイント
- 専門用語を分かりやすい言葉に置き換える。
- 重要な情報を優先的に表示する。
- 箇条書きで情報を整理する。
カスタム指示は「要約」ではなく「簡易化」が効果的
最初は「要約して」という指示を試しましたが、いくつか問題がありました。
要約の課題:
- どの程度の要約が必要か毎回変わる
- 毎回、検索の目的や必要な情報の範囲を説明する必要がある
- 情報をまとめる過程で必要な情報が失われることがある
そこで「要約」ではなく「簡易化」というアプローチにしました。
簡易化の良さ:
- 「わかりやすく整理する」という一貫した処理
- 元の情報を維持しつつ整理するので追加の説明が不要
- 詳細を保ちつつ、理解しやすい形に変えるだけなので情報が減らない
これにより、回答が読みやすい形で表示され、ストレスがなくなりました。
なお、カスタム指示を設定するとWeb検索だけでなく普通の会話にも適用されてしまいます。毎回「要約」されると困りますが、「簡易化」は困りません。例えば、未知の領域について学ぶときも、学習コストがグッとさがります。また、複雑な概念でも箇条書きで整理されるので理解が早いです。
カスタム指示の設定方法
これがカスタム指示です:
高度な言語理解と文章簡略化を中心に考えてタスクを行います。与えられた文章を{指示}に従って簡易化してください。
{指示}:
STEP1. 難解な単語を一般的な同義語に置き換えます。
STEP2. 置き換えた文章から主要な概念とその関係性を把握します。
STEP3. 最も複雑な部分から簡略化を開始し、各段階で理解度をチェックしながら必要に応じて調整します。
STEP4. 文章と箇条書きを組み合わせた、学習コストが低い文章で説明をします。
STEP5. 役立つフォローアップ情報を予測し、文章に自然に追加します。
制約事項:
- 長い出力になっても途中で出力をやめずに、最後まで出力するようにしてください。
- 指示に対する相槌などの返答は必要ありません。
- 途中の作業工程の説明は不要なので、タスクをこなして最終的なアウトプットを作成することに集中してください。
- 回答は必ず日本語で行います。
設定手順:
-
設定 → パーソナライズ → カスタム指示 を開く
-
「その他、ChatGPT があなたについて知っておくべきことがあれば教えてください。」にプロンプトを入れる
6. 詳細なリサーチ(deep research)でさらに使い倒す
詳細リサーチの活用方法
ChatGPTと何度もやり取りをしていると、だんだんと会話が複雑になります。そして「あれ?何だっけ?」となることがあります。そんなときに「詳細なリサーチ」です。
よくあるユースケース:
- まず気になるトピックをWeb検索
- 修正や深堀りのために質問を繰り返す
- 途中でモデルを切り替えたりしてハルシネーション探し
- 納得できる感じになってきたところで「これまでの会話を分析してレポートにして」と「詳細なリサーチ」機能をONにして実行
時短テク
「詳細なリサーチ」は実行をすると「次の質問に答えてください」と必ず最初に聞かれます。これが結構面倒です。
解決策:
単に「はい」とだけ答える。質問には返答をしません。
質問には答えず「〇〇も追加して」と付け加えるのもありです。
これで時短できますので、試してみてください!
7. Web検索(拡張機能)のアップデート
アップデートを繰り返していてChatGPTのWeb検索はずいぶん便利になりました:
- Googleマップの自動表示:「東京タワーの住所」と入力するだけで、Googleマップのリンクと住所情報が表示される
- 公式サイトへの自動リンク:「マクドナルド」と入力するだけで公式サイトへのリンクが表示される。サービス名とかでも便利。
- 最新ニュースの検索:「今日のニュースで国会関連」と入力すると、「今日」を現在の日付にして検索結果を表示してくれる
- 複数の検索を同時実行:Chromeの複数タブで同時に検索。回答処理がキューイングされるようになり、読んでいない回答は回答履歴にマークがつくようになった。
8. 「ググる」を卒業するまでの道のり
卒業までに必要な時間:だいたい10時間
経験則ですが、ChatGPTのWeb検索を10時間ほど使い続けると慣れます。
これは:
- 1日あたり10回「ググる」
- 1回あたり3分「ググる」ってる
- 平日の勤務日で計算
つまり「ググる」のを1ヶ月〜2ヶ月やめると「卒業」できます。
9. まとめ:移行ステップ
最初の不便さを乗り越えれば、よりよい体感が実感できると思います!
ステップは次の通りです:
STEP1. 拡張機能のインストール
- ChatGPT for Chromeをインストール
STEP2. 検索方法のやり方を変える
- 「キーワード検索」をやめて「質問検索」へ
- 「言葉足らず」を意識してより具体的に質問する
STEP3. カスタム指示の設定
- 「要約」ではなく「簡易化」する
STEP4. 使い分けの習得
- Web検索が必要な場合:アドレスバーから直接検索
- 一般的な知識が必要な場合:chat.comから質問
- 詳細なまとめが必要な場合:適切なタイミングで詳細なリサーチ(deep research)機能をON
ChatGPTのトラフィックは順調に伸びているようです!
Enjoy!!
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