手を動かして学ぶ文章作成の技術[第1回:列挙の記述パターン]
はじめに
文章をうまく作成するには、2つのコツがあります。
1つ目は、文章の作成手順に従うことです。
2つ目は、文章の型(記述パターン)を覚えることです。代表的な型は、列挙の記述パターンです。
本記事では、これらについて手を動かして学ぶことができます。
文章の作成手順
- 情報を抽出する
- 元となる情報から、必要と思われる情報をどんどん箇条書きにしていく
- 情報を分類・グループ化する
- 関連する項目どうしで並べ替え、グループ化する
- グループには名前をつけておく
- 読み手と目的にあった情報を選択する
- 説明順序を考える
- まずはグループ間の順序を決める
- 次に、グループ内の項目の順序を決める
- 文章の型に当てはめる
- 各記述パターンを利用する
- 文章を推敲する
- 読み手の頭の中に入りやすいようにラベリングする
説明順序の考え方
説明する内容や目的によって、順序は異なる。一般に、以下のような順序で説明していく。
- 全体から部分へ
- 概要から詳細へ
- 知っていることから知らないことへ
- 重要なことから補足的なことへ
- 読み手が知りたいことから
- 作業や手順の流れに沿って
- 左から右へ、上から下へ(画面説明の場合)
列挙の記述パターン
~~~には、*通りの~~~があります。1つ目は~~~。2つ目は~~~。3つ目は~~~。
1 ストレスフリーで読める「列挙型」
複数の情報を整理して伝えるときに便利。伝えたいことがたくさんあるときも、相手を混乱させずに伝えることができる。
「A全体像 → B列挙ポイント1 → C列挙ポイント2 → D列挙ポイント3 → Eまとめ」
本記事の「はじめに」の文章も、列挙の記述パターンで書かれています。
ラベリング
重複を省き、できるだけ短い言葉で表現すること。
ラベリングされていると、読み手の頭の中に記憶されやすい。
悪い例
給与計算ソフト「XXX」には、作業効率をアップさせる3つの機能があります。
1つ目の機能として、タイムカードリーダーに記録された出社時刻や退社時刻のデータをコンピュータに取り込めることが挙げられます。
2つ目の機能としては、正社員・契約社員・パートなどの職制に合わせて、月給・日給・時間給といった支給形態を自由に設定できることが挙げられます。
3つ目の機能としては、画面の質問に答えるだけで集計表を簡単に作成できる集計表作成ガイドが挙げられます。
- 「機能として~」や「~が挙げられます」のような表現の重複が多い
良い例
給与計算ソフト「XXX」には、作業効率をアップさせる3つの機能があります。
1つ目はタイムカードリーダーとの連携です。タイムカードに記録された出社時刻や退社時刻のデータをコンピュータに取り込めます。
2つ目は支給形態の設定です。正社員・契約社員・パートなどの職制に合わせて、月給・日給・時間給といった支給形態を自由に設定できます。
3つ目は集計表作成ガイドです。集計表作成ガイドを使うと、画面の質問に答えるだけで集計表を簡単に作成できます。
- 列挙の対象が「*つ目は~~~です。」という短い形式で揃っている
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