2025-08-25 AIソムリエレポート: Claude Code Action を試してみた所感
こんにちは FLINTERS の河内です。
週次で実施しているAIサービスの味見会、今日は早瀬さんの担当で Claude Code GitHub Actions についてでした。
FLINTERS では Claude code の導入を進めており、GitHub Actions 上でもローカルと同じように Claude Code を動かせる Claude Code GitHub Actions への注目度も徐々に上がっています。
以下は、人間が実施した勉強会の内容をAIで要約したものです。所感や議論は、参加者の考察に基づいています。
はじめに
今回の勉強会では、AnthropicのClaude Code GitHub Actionsを実際に使ってみた所感について共有します。Claude Code GitHub Actionsは、GitHub上でClaudeを動かすことができる機能で、プルリクエストやIssueに対してコードの分析、レビュー、プルリクエスト作成、機能実装など様々なタスクを実行できます。既存のClaude Codeの CLAUDE.mdや設定ファイルも使用可能です。
機能概要
- コードレビューの例: Claudeにレビューを依頼すると、TODOリスト形式でレビュー項目を作成し、コードの総合評価や改善点を提示してくれます。変更を加えた後に再度レビューを依頼すると、変更点が考慮されたフィードバックが得られます。
- ジョブの可視化: GitHub Actions上でClaudeが動作するため、ジョブの内容やレポートを確認できます。内部でどのようなツールが使用され、何が起こっているのかを把握することが可能です。
できないこと
- プルリクエストの承認: レビューコメントは生成されますが、プルリクエストの承認自体は行いません。
- コマンド実行の制限: デフォルトではBashコマンドを実行できないため、適切に制御する必要があります。アクセスできるのはトリガーされたリポジトリとプルリクエストのコンテキストに限定されます。
- Git操作の制限: ブランチのマージ、リベース、コミット、プッシュ以外のGit操作は実行できません。
料金体系
- API料金: トークン数に応じた従量課金で、ローカルで利用するClaude Codeと基本的には同じです。
- GitHub Actions実行時間の料金: GitHub上で動作させるため、GitHub Actionsの実行時間に応じた料金がプラスで発生します。無料プランや契約形態によって無料利用枠が異なります。
コスト削減のポイント
- タイムアウト時間の設定: GitHub Actionsのリソースを効率的に使うため、適切なタイムアウト時間を設定することが重要です。これにより、長時間のリソース消費を防ぎます。
- ターン最大値の設定: Claudeの実行ターン数を設定することで、不要な処理を削減できます。レビューなどのタスクは少ないターン数で完了することが多いですが、実装タスクなどはより多くのターンが必要になる場合があります。レポートを見ながらチューニングすることが推奨されます。
検証内容
今回の検証では、以下の2点を行いました。
- API設計書のレビュー: ターン数を変えてレビューの挙動を検証しました。ターン数が多い場合は問題なく成功しましたが、少ない場合は途中で処理が停止することが確認されました。レポートから停止箇所を特定できます。
- Issueを元にしたAPI実装:
POST /todoエンドポイントの実装とテスト作成を依頼しました。初期は権限不足で失敗しましたが、権限を付与することで問題なく実行されました。プルリクエストの作成リンクも生成されますが、複数エンドポイントの実装など、指示していない内容も含まれるケースがありました。
使ってみた所感
- コスト: ローカルでのClaude Code利用と同程度の料金感で、非常に高価というわけではありません。
- レビューの品質: 高品質なレビューフィードバックが得られ、いつでも実行できる点がメリットです。
- ジョブレポート: 内部の処理や時間配分が可視化され、プロンプトの改善に役立ちます。
- 既存資産の活用: CLAUDE.mdや設定JSONなどのローカル資産をGitHub Actionsでそのまま利用できるのが便利です。
- 自由度の高い組み込み: GitHub Actionsのトリガー(プルリクエストのプッシュやオープンなど)と連携できるため、柔軟な自動化が可能です。
- 期待通りではない点: プロンプトの問題は引き続き存在し、失敗時の挙動(途中で止まってしまう)が改善されるとより使いやすくなると感じました。
今後の展望
- プロダクトコードでのコスト検証: より大規模なプロダクトコードでのコスト感や、ローカルでの利用との比較検証が必要です。
- 設定内容の調査: Claude Codeの設定ファイルに関する詳細な調査や、利用可能なMCPの種類について深掘りが必要です。
- レビューの比較: Copilotなど他のAIによるコードレビューと比較することで、それぞれの強みや弱みを明確にしたいと考えています。
議論
- AIによる開発プロセスの自動化: Claude Code GitHub Actionsのようなツールは、その他のAI駆動型開発ツール(Devin, Jules, Gemini CLI GitHub Actions など)と同様に、開発プロセス全体をAIが駆動する方向性を示している。
- ローカルとサーバーでのAI活用: コードレビューやプルリクエスト作成など、ローカルでも可能なタスクをなぜGitHubなどのサーバー上で実行するのかという議論が交わされた。計算リソースの外部化や、チームでの情報共有・蓄積の観点も挙げられたが、特に複数人が関わるプロセスにおけるAIの活用方法については更なる検討の余地がある。
- AIのプロアクティブな動き: 現在は人間が指示を出すことでAIが動くが、AIが自律的に次にやるべきことを見つけ出し、人間のフィードバックが必要なポイントでのみ介入を求めるようなシステムが理想であるという意見が出た。
- AI駆動型ライフサイクル(AI-DLC): AWSが提唱するAI駆動型ライフサイクルは、開発プロセス全体をAIで回すという考え方であり、今後の開発体制や職種のあり方にも影響を与える可能性がある。特に、デザイナーやPMの役割がAIによって変化・統合される可能性も議論された。
- 品質チェックの自動化: コードレビューだけでなく、デザインレビューやPMによるチェックなど、リリースまでの全ての品質チェックをAIで自動化する可能性についても言及された。AIがユーザーの意図を理解し、最適な改善案を提示する未来が期待される。
- 人間の確認ポイント: AIが多くのタスクをこなせるようになっても、人間の最終確認は必要であり、その確認ポイントをどこに設けるかが重要であるという認識が共有された。
まとめ
Claude Code GitHub Actionsは、GitHub上での開発プロセスにAIを組み込む強力なツールであり、コードレビューや簡単な実装タスクの自動化に役立ちます。コスト面も比較的リーズナブルで、詳細なジョブレポートはプロンプトの改善に貢献します。しかし、プロンプトの質や失敗時の挙動には改善の余地があり、より大規模なプロダクト開発での適用にはさらなる検証が必要です。将来的には、AIが開発プロセス全体を自律的に駆動し、人間は重要な判断ポイントでのみ介入するような、新たな開発ライフサイクルが構築される可能性が示唆されました。
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