【The Insights Driven Product Manager】データにおける死のループ
The Data Wheel of Death
「The Data Wheel of Death」という図があります。
引用: https://brianbalfour.com/essays/growth-data-mistakes
次のようなルーブです。
- データが継続的にメンテナンスされない
- データが無関係になる/欠陥がある状態になる
- データに対する信頼が失われる
- データの利用が減る
死のループを引き起こす問題
引用元記事では、次のような問題が紹介されています。
プロジェクトマインドセット
プロジェクトはいつか終了します。データをプロジェクトとして考えると、データがメンテされなくなり信頼性を失います。データを継続的な終わりのないプロセスとして捉えるべきです。
インセンティブの不一致
組織にデータを活用させるには、個人の行動を変える必要があり、データの計測と分析に必要な作業は、報われる仕事、つまり会社内で「良い仕事」とみなされる必要があります。
書籍: The Insights Driven Product Manager
『The Insights Driven Product Manager』という書籍にもこの「The Data Wheel of Death」が引用されています。
データにおける死のループから抜け出すために
継続してデータを扱い、組織としてデータを活用するためには、プロダクトとビジネスの両面から働きかける必要があります。
- プロダクト指標とビジネス指標を結びつけて考える
- プロダクトとビジネスそれぞれでトラックすべき指標を標準化する
様々ある指標の中で、重要なものに絞り標準化することでメンテ性を高め、組織全体に浸透させるというのが良いポイントだなと思います。
プロダクト指標
プロダクトとして押さえておくべき指標は以下の4つに分類できます。
Acquisition
基本的にはインストールや新規ユーザー登録のこと。
Activation
コンバージョンや「aha moment」と呼ばれることも。
Engagement
DAUやMAU。
Retention
どれくらいの期間ユーザーが継続するか。
ビジネス指標
ビジネス側として押さえておくべき指標は以下の4つに分類できます。
Financial / Revenue Goal
期ごとの利益目標や財務的な目標値。
Acquisition Efficiency
獲得効率。(CPA / CAC など)
Customer Satisfaction
アプリストアやレビューサイトでの評価。またはネットプロモータースコアなど。
Business Critical Metric
その他、ビジネスに固有の重要指標。
各指標の整理
各指標を1ページにまとめると以下のようになります。
こうすることで組織に見るべき重要指標の全体感を共有し、かつ担当領域もはっきりします。
- 上段: ビジネス全体の意思決定者
- 中段: マーケティング担当者やカスタマーサポートなど
- 下段: デザイナーや開発者、カスタマーサクセスなど
まとめ
データにおける死のループから抜け出すためのポイント
- データを継続的な終わりのないプロセスとして捉える
- プロダクトとビジネスそれぞれでトラックすべき指標を標準化する
- 重要なものに絞り標準化することでメンテナンス性を高める
- 組織全体に浸透させ、適切なインセンティブを与える
書籍: The Insights Driven Product Manager には他にも改善の実行についてのアドバイスや、ハマりがちなポイントについても紹介されており参考になる1冊でした。
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