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未経験エンジニアが独学でWeb系自社開発企業に転職できた話

2024/08/02に公開

1. はじめに

自己紹介と転職の背景

2023年に新卒でSIerに入社し、データエンジニアとして働いていましたが、新卒2年目の23歳でWeb系自社開発企業へ転職しました。データエンジニアとしてプログラミングを行う機会がなかったため、未経験エンジニアとしての転職活動となりました。未経験エンジニアにも関わらず、独学7ヶ月でWeb系自社開発企業に転職することができた経験を元に、本記事を通して未経験からWeb系自社開発企業に転職する方法をお伝えできればと思います。

※「元々IT業界にいたから転職できたんだろ!」と思われる方もいるかもしれませんが、プログラミングは実務未経験であり、正直採用においてプラスに働いたと感じることは一度もありませんでした。どの業界にいようが新卒2年目ができることなんてたかが知れてますよね(笑)

学習期間と転職活動期間

  • 学習期間: 7ヶ月(2023年12月〜2024年6月)
  • 転職活動期間: 1ヶ月(2024年6月末〜7月末)

もちろん転職活動中も学習を継続していましたが、上記で示している期間はポートフォリオが完成するまでに要した時間です。転職活動中はバグの修正やリファクタリングを行っていました。

転職活動の結果

最終的な結果は以下の通りです。

  • 内定: 2社
  • 応募: 29社 ※辞退19社含む

想定よりも少ない応募で内定を獲得することができました。カジュアル面談後や他社での内定獲得後に辞退した企業が19社あり、選考に進み不採用となったのは8社ほどです。ここまで応募数を絞りながらも内定を得られた理由は、後述しますが、ポートフォリオの質と面接での受け答えが良かったからだと思います。

なぜWeb系自社開発企業を目指したのか

理由としては以下3つです。

  1. 入社後使用する技術の不確実性を無くしたかったから
    Web系自社開発企業の場合、通常は入社前に使用する技術が決まっているため、特定の技術に対して集中的に実務経験を積むことができます。
    一方、SIerやSESでは、案件によって使用する技術が異なるため、希望する技術に触れられない可能性があります。また、半年や1年といった短期の案件に配属され、それぞれが異なる言語を使用している場合、実務経験が分散してしまう傾向があります。例えば、1つ目の案件で1年間Javaを使用し、2つ目の案件で1年間PHPを使用した場合、各言語での実務経験は1年ずつにとどまります。
  2. サービスのマネタイズ方法について学びたかったから
    自社開発企業では、自社サービスの企画から収益化まで一貫して携わることができます。これにより、ビジネスモデルの構築やユーザー獲得戦略、収益化の方法など、技術面だけでなくビジネス面での知識も習得できます。
    対照的に、SIerやSESでは、主にクライアントの要望に応じたシステム開発が中心となるため、サービスのマネタイズについて深く関わる機会が限られています。
  3. 上流工程から下流工程まで幅広く経験を積みたかったから
    自社開発企業、特に規模の小さい企業では、要件定義や設計といった上流工程から、実装、テスト、運用・保守といった下流工程まで、幅広い業務に携わる機会が多くあります。これにより、ソフトウェア開発のライフサイクル全体を理解し、より総合的なスキルを身につけることができます。
    一方、SIerやSESの場合、特定の工程や役割に特化した業務に従事することが多く、開発プロセス全体を経験することが難しい場合があります。

2. 転職活動の準備

必要なスキルと知識の確認

以下3つを主に参考にして、共通部分を元に自身で計画を立て、独学で学習を進めました。私の実践した具体的なロードマップについては、後日、新しく記事を投稿しようと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=O9D18lhLa2Y&list=PLs3eD4QT7ow5AwbVMLp_A0HzMVJvf8ElV
https://youtu.be/kXC9VVI3I80?si=LbEeHfc0pwp1c-wO
https://youtu.be/Q1c09rrhTjo?si=i6G5Wp7c1lD3n_wZ
ちなみに、上記で紹介しているYouTuberたちはエンジニアのキャリアや転職対策、技術等について多く発信されている方々です。学習に疲れた際は、気休めとして動画を見るのも良いと思います。

ポートフォリオの作成

ある程度基礎の学習を終えた後はポートフォリオを作りましょう。Web系自社開発企業への転職を目指すなら、ポートフォリオがなければ難しいと考えておいた方が良いです。また、プログラミングスクールやUdemyなどのデモとして作成したアプリでは、ポートフォリオとしてのアピール力が不足します。転職活動で成功するためには、オリジナルのアプリを開発することが重要です。ここで言うオリジナルとは、必ずしも世の中にない新しいアプリを作ることではなく、アイデアから開発までを自分の力で行ったという経験が評価されるということです。

学習中のモチベーションの保ち方

私の学習期間は約7ヶ月と比較的短期間でしたが、モチベーションを維持するために工夫した2つのポイントを紹介します。

  1. 計画的な休憩日を設ける
    継続的な学習は技術の定着に重要ですが、週に1回は完全な休憩日を設けることも大切です。この計画的な休息でリフレッシュすることで、その後の学習の集中力が増します。ただし、休憩日を頻繁に設けすぎないよう、最低でも週1回程度に抑えましょう。
  2. 転職活動を行う理由の明確化と見える化
    転職活動を行う理由や転職後の目標を明確にすることは、モチベーション維持に重要です。これは面接でも聞かれる点なので、早めに整理しておくと良いでしょう。具体的には、以下の手順をおすすめします。
    • 理由や目標を紙やメモ帳に書き出す
    • 転職活動中に辛い時、これを見返す
    • 転職後の理想の姿を想像し、モチベーションを維持する

3. 求人探しと応募

求人の見つけ方

メインで使用したサービスはWantedlyです。Web系自社開発企業を見つけるにはイチオシのサービスです。気軽にカジュアル面談をしてくれる企業が多く、業務内容や社風を知った上で本選考に臨めることで就職後のミスマッチを減らせることが最大のメリットだと思います。Wantedlyには、まだ採用活動に多くの投資ができないベンチャー企業やスタートアップ企業がたくさん掲載されています。メガベンチャー企業へ未経験からの転職は不可能に等しいため、まずはWeb系企業に潜り込むことを直近の目標とし、ベンチャー企業やスタートアップ企業に目を向け転職活動をすることが最善かと思います。

4. 面接対策

想定問答

面接でよく聞かれる質問には、以下のようなものがあります。あらかじめ書き出しておき、繰り返し練習することでスムーズに回答できるようにしておきましょう。

  • 「なぜエンジニアになりたいのか?」
  • 「エンジニアになって何がしたいか?」
  • 「なぜ転職を希望しているのか?」
    これ以外にも、ネットで調べればたくさんの質問例が見つかるので、参考にすると良いでしょう。

逆質問

逆質問は、「全企業に共通する質問」と「特定の企業に対する質問」の2つに分けて準備するのがおすすめです。全企業に共通する逆質問ばかりだと、企業に興味がないと思われてしまうこともあるので注意しましょう。

全企業に共通する逆質問事項の例

  • 社内の雰囲気
  • 開発エンジニアの人数
  • 開発チームの構成
  • 使用している技術

企業ごとの逆質問事項の例

  • HPや採用情報を拝見させていただき、自身は〇〇が御社の弱みや今後の課題だと感じましたが、△△様が実際に働いていて感じる御社の弱みや今後の課題を教えてください。

企業ごとに弱みや課題を聞くのはおすすめです。その弱みや課題に対して、自分がどのようにアプローチし、どんな価値を会社に提供できるかを考え、それを面接で話すことで、非常に好印象を与えることができます。

面接の振り返り

面接後は、すぐに振り返りを行うことが重要です。対応できなかった質問の洗い出しや、回答の改善を行うことで、次の面接ではより良い回答ができ、内定を得やすくなります。また、逆質問に対する企業からの回答をメモしておくことで、次の選考で質問が重複しないようにしたり、新たな逆質問を考えたりする助けになります。

5. まとめとアドバイス

未経験者がWeb系自社開発企業への転職を目指す際のアドバイス

転職を成功させるためには、以下の2点が特に重要だと考えています。

  • レベルの高いポートフォリオ作成
    モダンな技術を扱ったWeb系自社開発企業に転職したいのであれば、ポートフォリオもモダンな技術を使ったものにしましょう。また、ポートフォリオを作成した背景や理由についても説明できると良いです。私の場合、実際にユーザーに使ってもらい、フィードバックを元に新機能を開発していたことがどの企業でも好評でした。
  • 面接対策
    「なぜエンジニアになりたいのか?」や「エンジニアになって何がしたいのか?」といった質問に対して、具体的なエピソードと共に根拠を持って答えられるように準備しましょう。これらの質問はどの企業でも必ず聞かれる重要なポイントです。

転職を振り返っての感想と考察

転職活動の前半でのポートフォリオ作成は、一つの山場です。エラーの解決に苦しむこともありますが、エンジニアになりたい理由や目標を思い出しながら乗り越えることが、継続と成功の鍵だと思います。
私も、Web系自社開発企業から内定がなかなかもらえない時期に、SIerやSESでも良いのではないかと考えたことがありました。しかし、Web系自社開発企業への転職ができない理由は、努力不足(ポートフォリオのレベルが低い、面接での回答に一貫性がないなど)だと感じました。もし内定が得られなくても、方向転換せずに一度転職活動を中断し、ポートフォリオの改善や面接対策に取り組むことが重要だと思います。SIerやSESに行って望まない業務に従事し、すぐに転職活動を再開するのでは元も子もないですからね。
最後に、転職活動は自分の人生を豊かにするための手段であり、Webエンジニアという職種もその一部です。どうすれば自分の人生が豊かになるかを考え、今後の仕事やプライベートに真剣に向き合っていきたいと思います。

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