業務改善におけるユーザー理解を考える
前置き
find では、業務理解のために現場見学をよく行います。これは職種関係なく、営業・CS・エンジニア・デザイナー・テスターみんな行きます。
しかし、現場訪問で獲得してくる理解の深さが人によって違うことに課題感を持っていました。「ベースとなる知識の差?」とか「プロダクト理解の差?」とか、色々考えましたがどれもしっくりこない。
あれこれ考える中で良い記事を発見し、言語化できそうなので記事にします。
Outside In
「ユーザー理解には2種類ある」
1つ目は、観察や定量分析によって事前に立てた仮説を検証していくもの。
このスタイルでは自社の視点からユーザーのことを見ています。(Inside Out)一般的にユーザー分析といえばこっちだと思います。
現場訪問で大切にしたいのはその逆「Outside In」です。これは客観性ゼロでOK!とにかくユーザーの思考回路や感情を自分に取り込み、再現できるようにします。
ユーザ理解は「共感」で2倍深くなる より引用
例えば
- 自社「〇〇の作業は、このボタンをタップするだけで完了します!」
現場「ボタン押すのは面倒」
ユーザーを理解できてないうちは、「ボタンを押すのが面倒?!これ以上楽な操作ないのに?!」となります。
- 自社「〇〇は画面上で確認できます!」
現場「う〜ん、でもやっぱ紙の方がいい」
これもよくある話。
画面には紙より豊富な情報が表示されているのに、紙を好むケースがあります。
どちらもfind導入時に実際に上がってきた意見です。
ユーザーの思考
- 自社「ボタンをタップするだけで完了します!」
現場「〇〇の作業中は画面を触りたくない。
ゴム手袋しながらやるが、一旦脱いではめなおすのも面倒だしなんか嫌」
「画面を触りたくない」ってどういうこと?!ってなりますよね。「なんか嫌」は、そんなこと言われてもなぁ...です。
でも実際に現場で同じ作業を体験させてもらうと、汚れてたり濡れてたりするものをゴム手袋ごしに扱うことがわかりました。たしかにその手で業務端末を触りたくないですよね。
ボタンタップのためだけに一度脱いで、手袋の表を触らないよう気をつけながらはめなおすのは面倒だし何か嫌です。
- 自社「画面上で確認できます!」
現場「紙に印刷してペンでチェックつけてく方が確実な感じがする」
「紙のほうが慣れてて早い」
普段PCで仕事する人とっては、画面で確認する方が圧倒的に楽です。しかし紙作業が多い人たちにとっては、必ずしもそうではありません。また、作業場所が狭く端末を置くのが大変だったり、新人に教える際に紙の方が楽だったりもします。
心の中で「印刷する方が絶対に面倒でしょ」「慣れの問題でしょ」と思ったとき、ユーザー目線で「印刷の手間をかけてでも確実を取りたい」「誰でもすぐ業務につける方が優先」を想像できる状態が「Outside In」です。
どっちも大事
ユーザ理解は「共感」で2倍深くなる でも語られていますが、Inside Out と Outside In はどちらも大切な視点です。
「Outside In」ばかりでは、単に現場に染まっただけの人になってしまいます。現場の人が解決できなかった課題を特定し、解決策を提供するのが私たちの仕事です。
逆に「Inside Out」だけでは、業務や課題の解像度は高まりません。ある程度わかっても、それはあくまで自社目線の仮説でしかないです。
私は、この2つの視点を自由に行き来できることが理想だと考えています。
現場へ行く際は「Outside」の視点を獲得することに全力を注ぎ、帰社したら冷静に訪問中の感情を分析します。脳内で「冷静に分析するコンサル vs 熱い現場職員」をそれぞれ演じるイメージです。これができれば、かなり解像度の高い課題設定ができて、予想される反発も洗い出せます。
Discussion