これができると現場見学が楽しくなる - マインド編
対象
- 自社サービスの導入企業を見学する
- 自社サービスの導入を検討中の企業で、既存の運用を見学する
toB(主に業務アプリ)を想定した話で、一般消費者のモニタリング手法の話はしません
現場見学は好きですか?
findではとにかく現場によく行きます。
新メンバーにも行ってもらうのですが、「質問が思いつかない」「何をメモすればいいの?」などの感想をもらうことがありました。不安や焦りを抱えながらの見学はきっと、緊張するだけで全然楽しくないですよね。
私にとって現場見学というイベントは、もっと楽しくてアツくなれるものです。
みなさんが明日から現場に行きたくなるようなtipsを何章かに分けてお伝えしていきます!
今回は第一弾「マインド編」です
1. その現場で働くつもりで
その日から新人としてその現場で働くつもりで見学します。
業務に関する説明を受けたら、実際にやれるか脳内で再現してみましょう。そうすると「その情報はどこを見ればわかるんだ?」とか「画面操作が終わったあとはどうすればいいんだ?」とか、色々と疑問が浮かんできます。
複数人で行く場合は特にこれを意識する必要があります。
「ほかの人がメモしてるから」とか「ほかの人は理解してそうだから」といった甘えは捨てましょう。仮に自分が新人で「はい、じゃあ今からやってみて!」と言われたら、「ほかの人が聞いてたのでちゃんと聞いてませんでした」とは言えませんよね...!
このマインドは実際めちゃくちゃ役に立ちます。
複数人で行った際、全員が新人マインドで高い解像度を獲得できれば、帰社後の共有の手間が圧倒的に減ります。また、一度高まった解像度はなかなか落ちません。次の現場へいくとき、またはプロダクトの改善案を考えるとき、よりユーザー目線の思考ができるようになります。
逆にこのマインドに差があると、一緒に見学したはずの人に説明する手間が発生します。たった1日の見学だったとしても、そこで見聞きしたものを言葉や写真だけで説明するのは本当にしんどいものです。
2. インプットに集中する
見学中はあれこれ考えず、とにかく情報収集に集中します。
改善点の検討とかは家に帰ってゆっくりやりましょう。
その場であれこれ考え始めてしまうと、せっかくの話は頭に入ってこず、視界に映るものにも気が回りません。100%聞いていなかったという引け目から質問もしづらくなります。仮に良いアイデアを思いついても、思いつく頃には大体その話題は終わっていて話すタイミングを失います。
現場の人々の会話は100%で聞きましょう。聞いた上で分からない事はすぐに確認します。
それ以外の時間は、他部署の様子を見てみたり、自社サービスと関係ない掲示物に目をやってみたりしましょう。自社サービスが現場の人にとってどんな立ち位置なのか、どんな雰囲気の中で使われるのか、を肌で感じることが大事です。
3. 記憶より記録
Gitlabの本に 「かすれたインクは鮮明な記憶に勝る」 という言葉が紹介されていました。
誰のかは分かりませんが本当に名言です。
記憶力は一切信用しない。メモする。写真に撮る。動画に撮る。
一回の訪問で、複数の業務を見たり、場所を移動したり、いろんな人から話を聞いたり、、なんてしてると最初の方に見聞きしたことはどんどん記憶から薄れていきます。似たような話をたくさん聞いたら混ざって記憶してしまった、すごく良い話だったのに帰ったら思い出せなかった、などがあるあるです。初めての場所で初めての人たちと話すだけで頭はパンパンなので、いつも通りの記憶力は期待しないのが吉です。
一つポイントとして、説明してもらったことを全部細かくメモする必要はありません。
あとで思い出すためのインデックスを作るイメージです。
または社内に共有するメモの下書きとして書くのが良いかもしれません。
写真や動画も非常に有用です。
大概のことは言葉で説明するより写真を見せた方が早いです。
写真はとりあえず全部撮っとく精神でいきましょう。
「あとで見るか」「重要か」なんてその場では分かりません。それが必要になったとき、フォルダを漁ってぱっと情報を入手できるのと、再度メールを投げて確認を依頼するのとでは手間もスピードも全然違います。
4. いまの運用に共感する
いまの運用を作り改善してきたのは目の前の人たちです。
どんなにイケてないと思っても、作った本人の前で貶すのは失礼ですよね。
私だって自社プロダクトを面と向かってバカにされたら傷つきます。
例えば、システム移行に際してアナログな運用が定着している場合、現場の人は「否定されるよな」「バカにされるかな」と心のどこかで思うはずです。ときには「お恥ずかしいんですが...」とか「本当遅れてて...」とか言う担当者さんもいます。担当者が現場の人でない場合、「現場の人 vs 導入担当者」の構図が生まれてしまうかもしれません。
私たちはその構図を生まないために、とにかく共感して既存の運用の良いところを探します。
別にデジタルが最強ではありません。作業者が安心して確実に早く業務をこなせる方法が一番良いです。良いと思ったことは口に出して伝えていきましょう。
また、現場の人が課題に思っていることを同じ温度感で嫌悪するのも大事です。
大変・不安・やる意味が分からない等を言語化しながら共感していきます。現場の人でも思いつきそうな解決策をあえて口にしてみるのも良いです。反対意見や過去やってダメだった話が出てきたらラッキー。それにもまずは共感しましょう。
最後に
今回紹介した4つのマインドがあれば、絶対に現場の人に好かれるはずです。
好印象を持ってもらえたら向こうも気持ちよく話をしてくれます。
気軽に話を聞ける・聞いてもらえる の関係を作ることで、その後の調整もやりやすくなります。
次回は「記録のコツ」について書きます!
Discussion
追記
たまに自分もこのマインド薄れることがあるので、自戒の意味も込めて書きました