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アーキテクチャConference 2025 出展レポート

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2025年11月20日(木)・21日(金)にベルサール羽田空港で開催された「アーキテクチャConference 2025」に、Finatextホールディングスとしてゴールドスポンサーで協賛しました!このレポートでは、当社の登壇やブースの様子などをご紹介します。

0. アーキテクチャConference とは?

「アーキテクチャConference」は、ファインディ株式会社が主催する、アーキテクチャ設計をテーマにした日本最大級のテックカンファレンスです。技術の進化と組織の多様化が進む中で、より良いアーキテクチャをいかに描き、どう実現していくかを考える場として開催されています。

2回目の開催となる今回は、「技術の変化が加速し組織やツールが多様化する今、最適なアーキテクチャをどう描くか。」をテーマに、各社が直面してきた実例やその意思決定プロセスを軸に構成されていました。参加申込者数は5,000名を突破し、セッションの会場参加枠は満席続出という大盛況ぶりでした。

https://architecture-con.findy-tools.io/2025

当社は昨年に引き続き2度目の協賛となり、今回もゴールドスポンサーとして参加しました。

1. 登壇

今回のカンファレンスでは、当社からはSaaS型デジタル保険システム「Inspire」の開発に関わるリードエンジニアの今中さんと山崎さんが登壇しました。昨年のアーキテクチャConference 2024では「認証認可基盤の共通化」について発表しましたが、今回はその続編としてInspireのリアーキテクチャについてお話ししました。

本セッションは、申し込み開始から早々に満席となり、多くの方に関心を持っていただけたことを嬉しく思います。

「SaaS拡大期の成長痛 〜モジュラーモノリスへのリアーキと生成AIの活用〜」

SaaS型金融基幹システムを提供するFinatextグループは、30社を超えるパートナー企業と様々な金融サービスを開発しています。本セッションでは、事業成長により顕在化した「Inspire」の課題とその解決策としてのアーキテクチャ刷新を紹介しました。

現行アーキテクチャの課題

数年の運用を経て、以下のような課題が見えてきました。

  • BFF + CSR構成のサービスの乱立: プロジェクト数の増大によりCore APIの設計・開発に割く時間が十分に取れない状況に
  • シンプルなモノリシックリポジトリの限界: コードベースの肥大化により影響範囲の特定に知識が必要に
  • マルチテナントとセキュリティ要求のトレードオフ: 金融業界特有の厳格なリソース分離要求への対応
  • グローバル対応: 時刻や通貨の取り扱いの複雑化

リアーキテクチャの方針

これらの課題に対し、以下のアプローチでリアーキテクチャを進めています。

  • モジュラーモノリス: BFFのロジックを共通・汎用的に設計し直し、ロジックをCoreに集約。モジュール境界を明確にして疎結合に保つ
  • イベント駆動: ドメインイベントを活用した非同期処理で、個社ロジックをLambdaでフック
  • 全社共通の認証認可基盤: IAM的な可視性ポリシーの導入
  • AWSの新機能をフル活用: Amplify Gen 2やRDS Data APIを活用し、開発効率を向上

生成AIの活用

リアーキテクチャでは生成AI(Claude Code)も積極的に活用しています。

  • テスト駆動開発(TDD)の導入: 明確な指示を与えることでアウトプットの質を向上
  • ナレッジの共有: CLAUDE.mdにアーキテクチャやコーディング規約を明文化
  • タスクの分解: 大きなタスクを段階的に分解してプロンプトを作成

これらの取り組みにより、リアーキテクチャや技術的負債の返済へのハードルがぐっと下がりました。
登壇資料は以下にて公開していますのでぜひご覧ください。

https://www.docswell.com/s/1324791197/537W91-2025-11-26-004044

2. ブースの様子

Finatextブースでは、金融インフラストラクチャ事業で提供している証券・保険プロダクトのアーキテクチャや、当社の技術的な取り組みについてご紹介しました。

カンファレンス当日は、各プロダクトのエンジニアも応援に駆けつけ、来場者の方々と直接お話しする機会もありました。

また、当社のエンジニア向けXアカウント @FinatextDev をフォローすると、HHKBなどが当たるガラガラを回せるキャンペーンも実施しました。多くの方に楽しんでいただけていたらうれしいです!

その他、会場では各社のアーキテクチャ図が展示されているコーナーもあり、参加者同士がアンカンファレンスのように意見交換をしている場面も見られました。

3. アフターイベントのお知らせ

12月17日(水)に、アーキテクチャConference 2025の協賛企業6社による合同イベント「スケールするサービスにおけるアーキテクチャの工夫・苦労を語る会」を開催します!

大規模サービスの開発・運用におけるアーキテクチャの工夫と課題について、各社の登壇者が語ります。当社からはDennis Metzger(デニス)さんが登壇予定です。

  • 日時: 2025年12月17日(水)19:30〜21:30
  • 会場: primeNumber Inc.(東京都品川区上大崎3丁目1−1 JR東急目黒ビル 5F)
  • 共催: タイミー、ログラス、スリーシェイク、ビットキー、primeNumber、Finatextホールディングス

ご興味のある方はぜひご参加ください!

https://timeedev.connpass.com/event/376592/

4. 参加の感想

昨年に引き続き2度目の協賛となりましたが、今年も多くの方にブースへお越しいただき、アーキテクチャに関する様々なお話ができました。特に、登壇セッションで紹介したモジュラーモノリスへのリアーキテクチャや生成AIの活用については、同様の課題を抱えている方も多く、活発な意見交換ができたことが印象的でした。

当社ブースに足を運んでいただいた皆様、セッションを聴講いただいた皆様、ありがとうございました。また、運営に携わったスタッフの皆様にも感謝申し上げます。

Finatextグループでは、「金融をサービスとして再発明する」というミッションのもと、金融インフラストラクチャの開発を進めています。今回ご紹介したようなアーキテクチャの課題に一緒に取り組んでくれる仲間を募集していますので、ご興味のある方はぜひお声がけください!

また来年お会いしましょう!

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