データエンジニアとして入社して3ヶ月が経ちました(株式会社ナウキャスト入社エントリー)
この記事は、Finatextグループ Advent Calendar 2024 の19日目の記事です。
はじめに
はじめまして、株式会社ナウキャストでデータエンジニアをしております加藤です。
企業のアドベントカレンダーに参加するのは初めてなので、何を書こうかと悩みましたが、10月に入社してちょうど3ヶ月が経過しようとしているので、入社エントリーを書きたいと思います。
稚拙な内容ではございますが、お付き合いくださいませ。
これまでの経歴
私は大学で歴史を勉強していたため、文系人間ではありましたが、28歳になったタイミングで一念発起し、職業訓練校でJavaを4ヶ月間習い、その後なんとかエンジニアとしてのキャリアをスタートさせました。
エンジニアとして最初に入社した会社では、外資系コスメブランドのフィーチャーフォンサイトの開発・運用を経験しました。
その後、iPhoneの発売をきっかけに急速にスマートフォン全盛の時代になったため、フィーチャーフォン以外の様々なデバイスに対応したWebアプリケーション構築の経験を積みたくて転職し、PC/SP領域でのECサイト構築やリアルタイム対戦のトランプゲームのバックエンド開発なども経験してきました。
直近の前職は、少し方向転換しましてWebマーケティング会社に就職しました。
前半期間はテクニカルディレクターという役職でクライアントのマーケティング支援をしていましたが、後半は社内のエンジニアチームの立ち上げに従事してきました。
エンジニアチームと言っても、主にやっていたことは社内メンバー向けに業務効率化ツールの作成やデジタル広告の集客成果のダッシュボード化、データ集約基盤構築などでした。
転職のきっかけ
転職のきっかけとしては、前職のWebマーケティング支援会社でデジタル広告のデータ集約基盤とダッシュボード構築を担当していく中で、バックエンドエンジニア時代よりも「データ」という存在の価値を意識し始めたことが根本的なきっかけだったと考えます。
「データ」を適切に取り込み、蓄積し、そして可視化するという「データ」の利活用が、クライアントのビジネスの意思決定にとって重要であることをマーケティング支援会社で学びました。
そして、自分自身の今後のキャリアを考えたときに、意思決定のための「データ」を安定的に提供できる基盤を構築し、分析者や意思決定者が扱いやすいデータを用意する「データエンジニア」というキャリアを意識するようになりました。
転職の軸
実際に「データエンジニア」への転職を考えるにあたり、自分自身の中で大事にしていた転職の軸は以下の通りです。
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データの種類が多いこと
- 前職ではデジタル広告のデータしか取り扱えなかったため、もっとビジネスの意思決定に多種多様なデータが利活用される環境に行きたいと思っていました。
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データ量が多いこと
- デジタル広告のデータは、出稿金額が多くなってもレコード量が増えるわけではないので、レコード量的に小規模と言わざるを得ず、大規模なデータを取り扱いたいと思っていました。
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モダンデータスタックな環境を経験できること
- dbtやAirflowなどのモダンな技術を知ってはいましたが、記載の通りデータ量が小規模だったり、導入コストのコストメリットが見いだせずに断念していました。
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SQLでデータ加工のみではなくデータ基盤構築も経験できること
- 誰かが構築してくれたデータ基盤からデータ加工して分析者へ連携するのは違うのではないかと思っており、データを取り込む・蓄積する・加工する・出力する一連の流れが安定的に供給できるしっかりとした基盤を作れるようになりたいと思っていました。
このような観点が自分自身の今後のキャリアとして大事ではないかと思い、いろいろな企業としっかりカジュアル面談をした上で選考を受けました。もちろんナウキャストもその中の1社であり、はじめのカジュアル面談から直感的に「やりたいことがやれる!」と思えたことを覚えています。
入社の決め手
入社の決め手はいくつかの要素が複合的に合わさって決まったので、ご紹介したいと思います。
ビジネスモデルへの共感
まず何よりも最初に惹かれた点は、Two-Sided Platformというビジネスモデルでした。惹かれた理由としては、
- クレジットカード事業者などのデータホルダー側に対して、ナウキャストが活用の進んでいないAlternative Dataのデータ加工やデータ提供基盤構築などのマネタイズをサポート
- 機関投資家や事業会社などのデータ利用側に対して、品質の高い加工データや分析レポートを提供し、Alternative Dataを活用した意思決定や行動をサポート
という、事業の中心にデータが存在し、データの種類や量とともにビジネスが成長できる会社であると認識したことです。それこそが自分が追い求めているデータを主軸としたビジネスモデルなのだと直感的に思いました。
データ基盤×AIという新規事業
もう一方で、新規事業として、クライアント企業内が保有している非構造化データを生成AIを使って構造化データに変換し、そのデータを利活用するためのデータ基盤構築の事業も始めるとのことをカジュアル面談で聞かせてもらいました。
これまで生成AIに関しては転職の軸に入れていなかったですが、率直に「面白そう」「自分もそこに関わっていきたい」という高揚感を得たことを思い出します。
モダンデータスタックな環境
カジュアル面談を実施する前に、以下のけびんさんのテックブログを紹介いただきました。
この記事を読み、dbtやAirflow、Snowflakeを業務で活用していることを知りました。
前職で断念したようなモダンデータスタックを活用しながらデータエンジニアリングをしている環境であることを知り、食い入るように記事を読みました。
率直に使いたかった技術が使えると思いました。
データ基盤構築にも関われる業務領域
最終的な決め手になったのがこれです。いくつかの企業の選考を受けていて、
- 他のチームが作った基盤上のデータをSQLで加工するのがメイン業務である
- データエンジニアとして基盤構築にも関わるが、実際はコンサルティング領域のみで、実装自体はパートナー企業が対応する
という企業が意外と多かったです。
一方でナウキャストでは、面接の時に実際に自分で手を動かしながらデータ基盤を構築していると教えてもらいました。
自分自身のキャリアパスを考えたときに、基盤構築の部分にも手を動かせるナウキャストで働きたいと強く思えたため、入社を決意いたしました。
入社後のギャップ
入社して、今何をやっているのか
現在、参画しているプロジェクトではインフラの設計から構築をメインで担当しています。これまでバックエンドエンジニアとして、浅く広い領域の経験を積んできましたが、最も経験値としては薄かったインフラ関連の業務を担当することになったので、日々必死にキャッチアップとアウトプットを行っている状況です。そのような状況の中、インフラ関連の業務をこなしつつ3ヶ月近く経過して、入社前に思い描いていた部分から良い意味でいくつものギャップがありました。その点をご紹介していきたいと思います。
とにかくホールディングスのプラットフォームチームの存在が大きい
この入社エントリーで最も強調して言いたいことがこれです。
実を言うと、入社するまであまりホールディングスのことを意識していなかったのですが、入社してみるとセキュリティに強いCTO/CISOの田島さんが率いてくれているプラットフォームチーム(ホールディングスの部署横断チーム)の存在が非常に大きいと感じました。
ホールディングス全体を通して金融業界を相手にしていることもあり、セキュリティ面がしっかりしています。
クラウドは基本的にAWSを利用しており、ガードレール戦略に基づいて、「権限は付与するが、本当にリスクの高い操作はできない、もしくはすぐにそれに気づくことができ、ログを確実に追うことができる」という環境が用意されています。
また、その権限管理はプラットフォームチームが作ったGitHub + Terraform + Atlantisの仕組みで自動化しており、それらの環境を活用しながら、自分たちの事業の開発に集中できています。
IaC環境が整備されているため、スムーズに業務に入っていける
Atlantisの活用
@mt_musyuさんの記事の「ナウキャストではAtlantisを利用した安全でスケーラブルなTerraformのCI/CDを採用しています。」にもありますように、私のようなTerraformの知見が多くないメンバーにもスムーズに業務に入っていける環境が整っています。
AtlantisはGitOpsなTerraformのCI/CDのツールで、以下のようにPRを作ると自動でplanの結果をコメントにしてくれます。
Planの結果を確認し、PRのレビューをしてもらったら、コメント欄に“atlantis apply”とコメントすると、サーバー上のAtlantisがterraform applyを実行し、その結果をコメントとして投稿してくれます。
もし、他の誰かからApproveされていない状態で“atlantis apply”とコメントするとエラーが出るようになっているので安心です。
また、lock機能もあるので、同時に複数人が作業していてもそれらが衝突することもありませんので、安心・安全に実装作業を進めることができました。
Terraformのboilerplateが用意されている
また、前述のプラットフォームチームがTerraformのboilerplateを用意してくれています。
ですので、Terraformのコードを1から新規で作成せずともboilerplateのコードをベースにして、そこに案件ごとで必要な部分を追加しながら実装すれば良いという仕組みができています。
これにより、入社間もない私がスムーズに実装業務に入っていけた要因の一つだと思っています。
先人たちの知見がドキュメント化されている
最後に、業務をしていて困りごとや不明点などが発生した時に、過去に同じ経験をした人が解決策などをドキュメントに残してくれていることが多いです。
下手にWeb検索するよりも、社内のドキュメントやナレッジ共有ツール上で検索をした方が、自分が欲しい情報にたどり着けることが多いです。
これはナウキャストだけでなくホールディングス全体でドキュメントを残したり、各人が業務で実施したこと・調査したことをアウトプットする文化を醸成できているのは素晴らしいと思いました。
そうした背景もあり、以下のテックブログの更新も盛んなのだと思います。
入社してみて何が面白かったか
しっかりとしたガードレールが引かれながらもエンジニアが成長できる環境であること
CTO/CISOの田島さんのインタビュー記事にもある通り、「堅牢なセキュリティを実現しつつ、一人ひとりのエンジニアがなるべく高い権限を持って開発に取り組める環境」ということで、堅牢なセキュリティ環境を土台にしつつ、プロジェクトの実担当者である自分たちで考えて、いかにプロジェクトに最適な環境を構築するかということに専念できています。
なので、敷かれたレールの上だけで何かを作るということではなく、ガードレールで高いセキュリティ基盤に守られつつも、自由度や権限も高く自分たちの開発に専念できる環境が用意されていることは、中々ないのではないかと思っています。
「Finatextで働けば、エンジニアが圧倒的に成長できる」を入社3ヶ月ながら体感させてもらっていると感じています。
おわりに
いかがでしたでしょうか。
個人的にはホールディングスのプラットフォームチームが用意してくれている堅牢なセキュリティな環境を学ぶこともエンジニアとしての1つの成長につながると思いますし、ナウキャスト自体もSnowflake、dbt、Terraformなどのモダンデータスタックを活用しているので、データエンジニアとしてチャレンジできる環境が整っていると思っています。
そんな環境の中で、今後もエンジニアとして成長志向で頑張っていけたらと思っています。
今回、ホールディングスのことやナウキャストのことについて色々ご紹介させていただきましたが、もしナウキャストに少しでもご興味を持っていただけましたら、カジュアル面談も常時受け付けていますので、ぜひ以下のリンクよりご応募ください。
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