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フェズにおけるカスタマーサクセスG立ち上げの話

2024/04/22に公開

本記事は、2022年12月21日に公開済みの記事を移行して再掲載したものです。

はじめに

フェズアドベントカレンダー 21日目の記事となります。

皆さまはじめまして。

株式会社フェズ カスタマーサクセスGの山田真由(やまちん)です。

12月21日のブログは、開発とけっこう密接に関わりのあるカスタマーサクセスについてになります。

先日カスタマーサクセスの立ち上げについて、今回の内容とほぼ同様のブログを社内向けにリリースしたところ、「ぜひ開発ブログにて社外にもリリースしませんか!」と強い推薦(?)をいただき、僭越ながらフェズ開発ブログに投稿させていただく運びとなりました。

この記事では主にカスタマーサクセスに注目し、フェズに新たにカスタマーサクセスGを爆誕させるべくこれまで何をしてきたかをご紹介すると共に、今後のカスタマーサクセスチームの展望をまとめようと思います。

カスタマーサクセスに直接はかかわりのない方にも、新規事業・部門・プロジェクトを立ち上げる際の気づきやヒントをお贈りできればと思い一生懸命書きましたので、読んでいただけると嬉しいです😊

(前提)カスタマーサクセスとは

カスタマーサクセスとは、直訳すると「顧客の成功」という意味で、能動的に顧客に働きかけ成功体験へつなげていくことを指します。具体的には解約率の抑制、アップセル・クロスセルなどに働きかけ、顧客満足度の向上を目指します。


出典:https://boxil.jp/mag/a4314/

近年ではサブスクの普及により、営業も「売り切り型」から「契約がスタート型」へと変わりつつあります。

そのため、売って終わり、ではなく顧客に継続して使ってもらうことが最も重要であり、その役割を担うのがカスタマーサクセスになります。

つまりカスタマーサクセスは、顧客と伴走し顧客が成功体験を得られ続けるよう支援する役割です。

そんなカスタマーサクセスチームの立ち上げについて、時系列に沿ってご紹介したいと思います。

現状理解期:「全体像を整理する」

22年6月に「カスタマーサクセスの立ち上げを本格的にスピードアップさせる」というミッションを拝命しました。

がしかし、この段階ではカスタマーサクセスの定義やミッションについて何も知らなかったので、とにかくカスタマーサクセスの基本と現状理解に努めました。

この時点では、カスタマーサクセスGは存在しておらず、店頭に関連するプロダクトを推進している店頭開発部長と1on1で歩みをはじめました。

カスタマーサクセスやその業務にまつわる本を店頭開発部長から10冊程ご紹介いただき(読まされ)、以下のようなことを学びました。

  • カスタマーサクセスの定義
  • カスタマーサクセスとカスタマーサポートの違い
  • カスタマーサクセスを取り巻く他の部署との関係

カスタマーサクセスの概要を学んだら、フェズの現状に当てはめて

  • カスタマーサクセスの運用ができる状態なのか
  • 運用できる状態にするにはどこを整理すればいいか

を店頭開発部長と一緒に考え始めました。

フェズではクライアントが小売/メーカーの双方であることが、他企業と異なるところであり、カスタマーサクセスの設計を難しくするところでした。

矢印が四方八方に伸びるスライドを作り上げ、店頭開発部長を困らせることに成功しました(?)

一旦困らせた後、どのように組織イメージの土台を作り上げたかというと、

  1. フェズの実態をインプット
  2. カスタマーサクセスの体制イメージをアウトプット
  3. 上長や他企業のCSからフィードバックをもらい課題を可視化する
  4. 本や他企業のヒアリングを通して客観視してみる
  5. 1or2に戻る(改善する)

こんな流れを数週間繰り返し、現在のカスタマーサクセスの土台が出来上がりました。

仮説実行期:「実行して改善する」

カスタマーサクセスの全体像を理解した後に、現在進行している店頭事業のクライアントに価値提供できる方法はないかと考え、「定期メールの配信」を開始しました。

店頭事業を契約いただいているクライアントとカテゴリ担当バイヤーに、毎週ダッシュボードから得られる示唆や店頭画像を配信し以下の2つの体験をしてもらうことを目的としています。

  • 多忙な中でもメールを読むことでクライアントが気づきを得られる
  • メールの閲覧をトリガーにクライアントのダッシュボード活用を促進する

22年7月に配信を開始し、これまでに配信したメールは100通を超えます。

配信した100通以上のメールすべてで振り返りと高速改善を繰り返しました。

振り返りとしては、毎週配信した後に開封有無/ダッシュボードへの遷移有無をモニタリングしました。

リアクションの大小を追いかけることで、受け取り手にとってクリティカルな情報を提供できているかの判断基準としていました。

改善としては、初期のメールは

  • ボリュームが多すぎる
  • メールを読んで完結してしまう(=ダッシュボードの活用につながらない

等の課題があると感じたので、

  • ボリュームを減らして配信回数を増やす作戦
  • 「詳しくはダッシュボードで!」とダッシュボードへの遷移を促す作戦

などを実行しました。

また、よりクライアントに価値貢献するために、サービス開発と連携してCSからリクエストしてダッシュボードをアップデートさせる、といったことも実践しました。

店頭開発アナリストに「クライアントに定期メールで毎週ラウンド商品の販売数量ランキングを出してあげたいな~SKU別と店舗別でわかりやすい感じでできたら喜んでもらえるかな~」というご相談をしたところ、快くつくってくださいました。神。

この時につくっていただいたランキング表は、現在ではダッシュボードの標準装備レポートとしてクライアントに提供しています。

サービス開発と連携してサービスをつくることも、CSとして実践することができました。

一方で内部からの課題発見と改善を繰り返すだけでなく、クライアントにも定期的にヒアリングをしています。

ヒアリングでは、非常にポジティブな評価を頂けており、高速改善の成果が出てきていると感じられています。

今後も更なるクライアントの成功体験を実現すべく仮説→実行→改善のサイクルを続けます。

社内連携期:「部署を横断して連携する」

22年9月あたりからは、プロダクト・部署を横断したカスタマーサクセス組織づくりが本格化してきました。

店頭事業で小売/メーカー営業を担当していた現在のカスタマーサクセスGMにも参加してもらい、部署を超えた連携イメージを作っていきました。

店頭事業以外の他プロダクトのチームと連携を始め、業務フローのすり合わせから、誰が(どの部署が)担当するかを明確にしていきました。

その後は部署を跨いだ連携のために他部署(小売向け営業やメーカー向け営業)とのMTGを設定し、これまでに整理してきたカスタマーサクセスの組織イメージと役割を伝えました。

各プロダクト、各役割の観点から意見をもらいつつ、時にホワイトボードとにらめっこしながらカスタマーサクセスが担う役割と他部署との連携イメージを構想しました。

部署やプロダクトを横断しての運用は、登場人物が増えるために連携が弱くなるリスクがあります。

定例やSlackで解決すること、CRMなどのツールで解消すること、などを整理して、部署間連携に備えました。

ここのフェーズでも、アウトプット⇆フィードバックをとにかく繰り返して土台をつくりました。

22年10月からカスタマーサクセスとして新メンバーも加わり、外部含めた様々な角度からのアドバイスと意見を取り入れて、フェズカスタマーサクセスチームとそれを取り巻く部署の組織構築が出来上がってきました。

22年12月からは「カスタマーサクセスG」が新設され、チームでフェズでのカスタマーサクセスをよりゴリゴリ進めていきます。

これまでの定期メール配信やクライアントコミュニケーションは維持しつつ、カスタマーサクセス運用をフェズに定着させるための土台作りとなるミッションを担う予定です!

立ち上げにおけるキーポイントと気づき

ここまで読んでいただきありがとうございます。

ここで今期の取り組みを通して気づいたことをさくっとまとめます。

人を巻き込むってほんと強い」

今期の取り組みでは、初期整理:店頭開発部長、クライアント連携:カスタマーサクセスGM、他部署連携:事業開発本部長 のように要所要所でその道のプロを巻き込んで前へと進めることができました。

この他にも社内他部署とMTGしたり、他社のCSにヒアリングを依頼したり、まさに使えるものは全部使っていこう精神でいろんな方のお力を拝借しました。

人を巻き込むと1人の力の何倍何十倍の力になると実感しました。巻き込むの大事。

「協力の上で成り立つスピード感

サービス開発でもありましたが、リクエスト→協議→実現の流れの中でスピード感をもって進めることができたと思っています。

これはチームや組織間連携も含めて、協力の上で成り立たせられたものだと思っています。

定期メールのチェック機能やダッシュボードの改修、知見の共有とトレーニングなど、協力しあった結果、常に動かしていられたのだと考えています。

今後も部署間連携を密に行い、サービスに対してもフィードバックを贈りあいながら事業/組織をより良くしたいと思っています。

(フィードバックを贈りあう:フェズのCo-Value(価値観)の一つ。フェズではたくさんのフィードバックというギフトを贈りあうことで、個人・会社にとって成長の機会を数多くつくる文化が根付いています)

PDCAの繰り返しで土台作りを進める」

初期の整理でも部署間連携でも、とにかくインプット(仮説)→アウトプット→フィードバック→改善のサイクルを回し続けることで、土台を固めてきました。

最初から100%を目指してじっくり作る方が効率的だと思ってしまう節がありましたが、70%を目指して何度も案を叩き直す方が早く強いアウトプットが出せると感じました。

まとめ

カスタマーサクセス部門の立ち上げは、今後フェズがプロダクトカンパニーになるにあたり最も重要なプロジェクトの1つと認識しています。

フェズのカスタマーサクセスとして、クライアントに成功体験を提供し続けられる組織体制を作るべく頑張ります!

それでは、良いお年&クリスマスを!🎄🎅🏻

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