Blenderのてびき
更新履歴:
2022/12/21-投稿
はじめまして、素敵なはらです。
この記事は
「モデリングに興味がありチュートリアルをやったことがある」
「Blenderは触ったことがあるけど何処から手を付けていいか分からない」
「カボチャ作った!!!」
といった方に向けたものとなります。
とはいえチュートリアルのように完成まで操作方法を逐一解説していくつもりは無いのでご了承ください。私がモデリングをするときに考えている事、便利だと思っている機能の紹介がメインとなります。
また、私自身の備忘録と、Blender初心者様の手助けになればと思います。
カボチャを作ったことが無い方はチャレンジしてみて下さい。理解が早いと思います。
第0回からとっても大事なことを話してます!
Blenderを触ったことがある人については既知の項目が多いと思いますが、有用な情報や間違いの指摘は大歓迎です。是非最後までご覧ください。
〇はじめに
まずは操作方法です。他チュートリアルや記事でも説明があると思いますが、私が頻繁に使うものに絞って説明します。不要な方は飛ばしてください。(案外知らない機能があるかも?)
↓ 全機能の詳細が知りたい人はリファレンスをよんでね ↓
〇設定
プリファレンスウインドウから設定を変更できます。使いやすいようにカスタマイズしましょう。まずはプリファレンスウインドウを開きます。
Edit > Preference を選択
ウィンドウ上部のEdit
・日本語化
私の言語設定は日本語になってるので、説明しやすいように言語設定を変更します。
Interface > Translation > Language から Japanese(日本語)
プリファレンスウィンドウ
・アドオンの導入
下記サイトよりTexToolsのzipファイルをダウンロードする
今回はver 1.5を使用します。
アドオン > インストール
ダウンロードしたzipファイルを選択、アドオンをインストールをクリック
アドオン導入後
・ショートカットキーの変更
キーマップ > Blender(プルダウン)
Blender/Blender2.7x/業界互換 のプリセットから選択
今回は”Blender”を使用します。下に続く項目から細かく変更もできます。
キーマップ選択
・レンダーデバイスの変更
テクスチャベイク、レンダリング等をする時に関係します。GPUを積んだPCであればとりあえず変更しておきましょう。
システム > Cyclesレンダーデバイス > CUDA/OptiX/HIP/oneAPI から使用GPUを選択
GPU選択
・単位系の変更
単位を変えるとスケール感が分かりやすくなります。
プロパティ > シーンプロパティ > 単位
長さを作るもののスケールに合わせる
単位の選択
・統計
頂点数やポリゴン数等を表示します。特に邪魔にはならないと思うので表示しておきましょう。
オーバーレイ(プルダウン) > ガイド > 統計
統計にチェック
〇頂点を編集する
ここからは頂点の編集方法について書いていきます。オブジェクトを選択(右クリック)→Tabキーを押して編集モードに入りましょう。
・視点移動 [テンキー]
[edit] [obj]
主に3Dビューの視点移動はマウスだけではなく、テンキーに割り当てられたショートカットを利用すると便利です。
透視/平行 投影切り替え:5(テンキー)
正面(XZ平面):1(テンキー)
上面(XY平> 面):3(テンキー)
右側面(YZ平面):7(テンキー)
視点の反転:9(テンキー)
カメラ視点:0(テンキー)
・選択モード [1,2,3]
[edit]
頂点/辺/面選択モードがあります。Shift+左クリックで複数モードを同時に選択できます。辺/面の選択は
頂点選択モード:1( ! )
辺選択モード :2( " )
面選択モード :3( # )
複数選択:Shift + 1 or 2 or 3
・頂点メニュー [Ctrl + V]
[edit]
頂点に関するメニューです。
・辺メニュー [Ctrl + E]
[edit]
辺に関するメニューです。
・面メニュー [Ctrl + F]
[edit]
面に関するメニューです。
・全選択 [A]
[edit] [obj]
表示されているすべてのオブジェクトまたはメッシュを選択できます。
全選択:A
・ボックス選択 [右クリック+ドラッグ]
矩形エリア内のオブジェクトやメッシュをまとめて選択することが出来ます。
現在選択している頂点を選択解除して新しく選択しますが、追加することもできます。
ボックス選択:右クリック+ドラッグ
ボックス選択(追加):Shift+右クリック+ドラッグ
・サークル選択 [C]
サークル選択モードに入り、現在選択している頂点に追加する形で選択します。
サークル選択モード:C
範囲調整:マウスホイール
選択:左クリック
選択解除:マウスホイールクリック
サークル選択モード解除:右クリック
・ループカット [Ctrl + R]
[edit]
任意の辺に隣接する面ループに頂点を追加します。マウスホイールで分割数を調整できる他、右クリックで確定すると等分割が出来ます。
ループカット:Ctrl + R
分割数の調整:マウスホイール
等分割で確定:右クリック
スライド位置で確定:左クリック
・ループ選択 [Alt + 右クリック]
[edit]
頂点のループ選択が出来ます。
ループ選択:Alt + 右クリック
複数選択:Shift + Alt + 右クリック
・リンク選択 [L]
[edit]
繋がっている頂点をすべて選択することが出来ます。現在選択されている頂点に追加する形での選択となります。3Dビュー下部のメニューから、区切りをつける要素を増やすことができ、マテリアル、シャープ、シーム、UV辺りはとても便利です。
リンク選択:L
・グラブ [G]
[edit] [obj]
オブジェクトや頂点を掴んで自由に移動することが出来ます。頂点スライド機能で辺に沿って移動、クランプ機能で辺の延長線方向(軸方向)に固定して移動できます。
グラブ:G
移動量を数値で指定:G + 移動量(数値入力,単位系、倍率に依存)
頂点スライド(クランプ):G → G (→ C or Alt)
位置の確定:左クリック
移動のキャンセル:右クリック
・軸のコンストレイント [X,Y,Z]
[edit] [obj]
頂点を移動する方向をX/Y/Z 軸、平面等に拘束することが出来ます。基本的に頂点を編集する機能を実行したタイミングで使用します。
X軸に拘束:X
Y軸に拘束:Y
Z軸に拘束:Z
(マウスホイールクリック + 任意の方向でも可)YZ平面(X軸と垂直な平面)で拘束:Shift + X
XZ平面(Y軸と垂直な平面)で拘束:Shift + Y
XY平面(Z軸と垂直な平面)で拘束:Shift + Z
・押し出し [E]
[edit]
選択した頂点と辺で結ばれた頂点を追加し、グラブ状態になります。面を押し出した場合、法線方向で拘束された状態になります。
押し出し:E
位置の確定:左クリック
移動のキャンセル(押し出した頂点は残る):右クリック
・複製 [Shift+D]
[edit] [obj]
オブジェクトとメッシュを複製することが出来ます。
複製: Shift + D
位置の確定:左クリック
移動のキャンセル:右クリック
・ナイフ [K]
[edit]
辺に切り込みを入れて頂点と辺を追加することが出来ます。軸のコンストレイントの他に透過機能などもあります。
ナイフで頂点追加:K → 左クリック(頂点追加,任意の回数) → Enter(確定)
透過機能の利用:K → C(透過切替) → 左クリック(頂点追加,任意の回数) → Enter(確定)
・ピボットポイント [.(ピリオド)]
[edit] [obj]
回転、拡縮に利用される基準点を変更できます。各基準点は以下になります。
バウンディングボックスの中心: 選択した オブジェクト/頂点 を囲む最小の箱の中心
3Dカーソル: 左クリックで移動できるカーソル
それぞれの原点: オブジェクト毎または選択した頂点群の中心
中点: 選択した オブジェクト/頂点 の原点
アクティブ要素: 最後に選択した オブジェクト/頂点 の原点
ピボットポイント変更:.(ピリオド)→ 任意の項目を左クリック
・拡縮 [S]
[edit] [obj]
選択した頂点をピポッドポイントを中心に拡大/縮小します。軸のコンストレイント機能と組み合わせると軸方向への拡縮として機能します。
拡縮 :S
拡縮の倍率を数値で指定:S + 倍率(数値入力,等倍は1) → Enter(確定)
・回転 [R]
[edit] [obj]
選択した頂点をピポッドポイントを中心に回転します。軸のコンストレイント機能と組み合わせると円周方向への回転として機能します。
回転:R
拡縮の倍率を数値で指定:R + 角度(数値入力) → Enter(確定)
・スナップ [Shift + S]
[edit] [obj]
選択したオブジェクトの原点、頂点又は3Dカーソルを既定の位置へ移動することが出来ます。私が主に使用するのは以下の3種類です。
選択物 → カーソル: 選択している頂点又はオブジェクトの原点を3Dカーソルの位置へ移動する
カーソル → ワールド原点: 3Dカーソルをワールドの原点へ移動する
カーソル → 選択物: 3Dカーソルを選択している頂点又はオブジェクトの原点へ移動する
スナップ:Shift + S → 任意の項目を左クリック
カーソル → ワールド原点:Shift + C (よく使うので似た機能のショートカットを利用してます)
・削除 [X]
[edit] [obj]
選択したオブジェクト又は頂点/辺/面を削除します。削除する範囲が複数あり、私が良く使うものは以下になります。
頂点: 頂点を削除します。選択した頂点で構成された辺と面も同時に削除する
辺: 辺を削除します。選択した辺で構成された面も同時に削除する
面: 面を削除します。隣り合う面の頂点と辺は残る
面だけ: 面の頂点と辺を残して削除する
頂点/辺/面の溶解: 頂点/辺/面を溶解して統合する
削除:X → 任意の項目を左クリック
・マージ [M]
[edit]
選択した頂点を統合します。溶解と似た挙動をしますが、用途に合わせて使い分けます。
中心に: 選択した頂点の中心位置で統合する
カーソル位置に: 3Dカーソルの位置へ移動して統合する
束ねる: 隣り合った頂点を中心位置で統合する
最初に選択した頂点に: 最初に選択した頂点の位置で統合する
最後に選択した頂点に: 最後に選択した頂点の位置で統合する
距離で: 選択した頂点のうち、任意の距離内にある頂点同士をそれぞれの中心で統合する
マージ:M → 任意の項目を左クリック
・ベベル [Ctrl + B]
[edit]
選択した頂点/辺に面を追加します。
ベベル:Ctrl + B → 左クリックで確定
・法線の再計算 [Shift + N]
[edit]
選択した面の法線を再計算し、法線を表向きに揃えます。
法線の再計算:Shift + N
・表示切替え [H / Alt + H]
[edit] [obj]
選択したオブジェクト、頂点の表示/非表示を切り替えます。頂点を非表示にした場合、オブジェクトモードでは表示されます。
非表示:H
表示:alt + H
・分離 [P]
[edit]
選択した頂点を別オブジェクトに分離します。
分離:P → 選択
・結合 [Ctrl+J]
[obj]
選択したオブジェクトをアクティブオブジェクトに統合します。
複数選択:Shift + 右クリック(最後に選択したものがアクティブ)
結合:Ctrl + J
〇お気に入りツール[Q]
[edit] [obj]
頻繁に使用する機能はお気に入りに登録しましょう。
使いたい機能を右クリック → お気に入りツールに追加を左クリック
お気に入りツールにオススメの機能を紹介します。
・辺の長さ
[edit]
辺の長さが分かると便利なことがあります。表示がごちゃごちゃするので、ショートカットから切り替えると便利です。
オーバーレイ(プルダウン) > 計測 > 辺の長さを右クリック → お気に入りツールに追加を左クリック
オーバーレイ(プルダウン)
・チェッカー選択解除
[edit]
選択した頂点/辺/面からのN番目の要素ごとにを選択解除します。
選択 > チェッカー選択解除を右クリック → お気に入りツールに追加を左クリック
全選択(左)からチェッカー選択解除後(右)
・頂点をスムーズに
[edit]
選択した頂点を滑らかにします。
頂点(ctrl+V) > 頂点をスムーズにを右クリック → お気に入りツールに追加を左クリック
・辺ループのブリッジ
[edit]
選択した辺ループの間に面を張ります。
分割数、スムーズを調整すると角度のある辺ループも滑らかにつなぐことが出来ます。
辺(Ctrl+E) > 辺ループのブリッジを右クリック → お気に入りツールに追加を左クリック
同心円状の辺ループのブリッジ(左)と
角度のある辺ループを[分割数:5][スムーズ:0.5]でつないだもの(右)
〇マテリアル/シェーダーを調整する
メッシュの見え方を調整します。
・3Dビューのシェーディング切り替え[Z]
3Dビューの表示を4種類から選ぶことが出来ます。
シェーディング切り替え: Z
プルダウンから調整可能
照明(ライティング)を変更:照明 > サンプル球を左クリック
3Dビューのシェーディング(プルダウン)
・裏面の非表示
面の裏側を描画しないことで反転したメッシュに気付きやすくなります。
ソリッド:プルダウン → オプション > 裏面を非表示
マテリアル:マテリアルプロパティ > 設定 > 裏面を非表示(マテリアル毎に設定)
・フラットシェード/スムーズシェード
エッジの表示方法を変更することができます。
フラットシェード: 面をフラットに表示する
スムーズシェード: 面をなめらかに表示する
自動スムーズ: スムーズシェードの中で閾値を満たした辺とシャープがマークされたエッジは表示する
フラット/スムーズ切り替え:面(ctrl+F) > フラットシェード/スムーズシェード
指定した面ごとに指定可能
自動スムーズ切り替え(スムーズシェード中):オブジェクトデータプロパティ > ノーマル >自動スムーズ(+閾値)
自動スムーズの切り替え
〇モディファイアを利用する
モデリングする上で便利な機能、モディファイアについて説明します。適用はオブジェクトモードで行います。
設定項目はいろいろありますが、私がよく使う項目のみ抜粋します。
・ビューの設定
モディファイアの表示方法を調整できます。ほぼすべてのモディファイアで共通項目となります。
ケージで: 編集モードで表示されている頂点をモディファイア適用後の形状に変形して表示する
編集モード: 編集モード中にモディファイアを表示する
リアルタイムで: 3Dビュー上でモディファイアを表示する、この項目が有効になっていないと上2つは機能しない
レンダー: レンダー上でモディファイアを表示する
リアルタイムで+編集モード(サブディビジョンサーフェスの例)
リアルタイムで+編集モード+ケージで(サブディビジョンサーフェスの例)
・ミラー
軸を基準に反転したメッシュを生成します。左右対称のモデルを作成する際に便利です。
座標軸: ミラーの基準となる座標軸で、X軸を指定した場合はYZ平面を挟んでミラーがかかる
クリッピング: ミラーの中心となる平面上の頂点を平面上に固定する
マージ: ミラーの中心となる平面上から指定した範囲内の頂点を統合する
モディファイアとは別にX/Y/Z軸の方向で頂点のミラー編集が出来るのでモディファイア適用後に使用すると便利です。
・サブディビジョンサーフェス(細分化)
面を分割し滑らかにします。モデリングする際に扱う頂点は少ないほど楽になるのでとても重宝します。
ビューポートのレベル数: 適用後の分割数を指定する
クリース機能を利用すると、辺毎に滑らかさを指定できるため便利です。
・配列
メッシュを複製して並べます。
並べ方
オフセット: バウンディングボックスにオフセットを追加し、隣り合うように並べる
一定のオフセット: 原点から一定の距離で並べる
オフセット(OBJ): 他のオブジェクトの変形を適用する(対象のオブジェクトが回転したら回転方向+角度、平行移動したら移動方向+移動量)
マージ: コピーされたオブジェクトの頂点が指定範囲内の場合、統合する
UV: 複製元と同じ形のUVを重ならないように並べる、デフォルトではすべて重なる。
・ベベル
オブジェクトに一括でベベルをかけることが出来ます。頂点/辺毎にかけるベベルとは違い、メッシュを破壊せずに全体の調整が出来ます。
頂点/辺: ベベルをかけるエッジの種類を指定する
量: ベベルの幅を指定する
セグメント: 分割数を指定する
制限方法: 条件に合致したエッジに制限する(頂点グループで指定すると便利)
・ソリッド化
面に厚みをつけることができます。
幅: 厚みを数値で入力する
オフセット: 中心からのオフセット、0の場合基準面から両方向均等に厚みが付く
ふち(フィル): 対象メッシュと生成したメッシュの間に面を張る
ふち(フィル+ふちのみ): 対象メッシュのふちのみにメッシュを張る(オフセット位置の面を生成しない)
マテリアル: 生成したメッシュのマテリアルを対象面と別のものにできる(オフセット1で一つ下のマテリアルになる)
左から順にふち(フィル)、ふち(フィル+ふちのみ)、ふち(なし)
・ワイヤーフレーム
面のワイヤーフレームに合わせてメッシュを生成します。ポリゴン数が増えるので注意が必要です。
幅: 生成するフレーム型メッシュの幅(太さ)を数値で入力する
・アーマチュア
ボーンを使用してメッシュを変形します。適用するとメッシュはポーズモードの状態に変形します
オブジェクト: 変形に使用するアーマチュア(ボーン)
〇モデリングするときに気を付けたいこと
・Nゴン
五角形以上の面をNゴンと呼ぶことがあります。見た目が四角形でも五角形でもコンピュータから見れば三角面の集合体ですが、Blender上でモデリングする際は基本的に四角形の面を扱うことが望ましいです。
空間で3つの点を通る平面は1つに決まりますが、4点以上の場合は同一平面上に存在するか定かではありません。その為、4点以上の面で同一平面上にない場合は三角面に分割されたときエッジ(辺の出っ張り)が生じます。
分割された五角面
>つまり同一平面上であればNゴンが存在しても問題ありません。
(少なくとも私はそう思います)>四角面を扱うときも同様です。
また、モディファイア(特にサブディビジョンサーフェス)やループカット等の機能を使用した際に、ループの遮断や意図しない歪みが起きる場合があります。
・重複頂点
ごく近い位置に存在する不要な頂点は見落としやすく、編集中に邪魔になることも多いです。発生原因としてよくあるのは、「押し出し → 移動のキャンセル」、「複製 → 移動のキャンセル」、ナイフツール使用時等でしょうか。
>「マージ機能[M] > 距離で」などを使用してこまめに消しましょう。
マージ範囲から外れている場合もあるので結合距離の調整もお忘れなく。
他気付いた事があれば更新していきたいと思います。
お疲れさまでした!
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