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【図解あり】Azure Container Registry完全ガイド|使い方・料金

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はじめに

コンテナ開発において「イメージの管理・配布」は重要な工程です。

Azure Container Registry(ACR)は、Azure上でセキュアかつスケーラブルにコンテナイメージを管理できる専用サービスです。

本記事では、Azure Container Registryとは何か、どのような場面で役立つのか、使い方や料金まで、初心者にもわかりやすく図解を交えて解説していきます。

Azure Container Registryとは?

Azure Container Registry(ACR)は、プライベートなコンテナレジストリサービスであり、DockerイメージやOCIアーティファクトを安全に保存・管理できるAzureのサービスです。

オープンソースのDocker Registryに基づきつつ、Azure独自のセキュリティ機能や自動スケーリング機能を備えています。

パブリックなDocker Hubとは異なり、企業利用やセキュリティ要件の厳しい環境でも安心して利用できます。

なぜAzure Container Registryが必要なのか?

パブリックレジストリでは、セキュリティリスクやパフォーマンス低下の懸念があります。

Azure Container Registryを利用することで、ネットワーク内で安全に高速にコンテナイメージを配布でき、DevOpsパイプラインやKubernetes環境への統合もスムーズに行えます。

特にエンタープライズ開発において必須のインフラとなっています。

Azure Container Registryの主な機能

Azure Container Registryは単なる保存場所ではなく、コンテナ開発ライフサイクル全体を支援する機能が充実しています。

ここでは、ACRが持つ代表的な機能を具体的に紹介します。

プライベートレジストリ機能

ACRは完全にプライベートなレジストリ環境を提供します。VNet統合やFirewallルールによるアクセス制御が可能であり、組織内のセキュアな運用を実現できます。

イメージの自動ビルド&更新

ACR Tasks機能により、ソースコード更新時に自動でDockerビルド&レジストリアップロードが可能です。CI/CDパイプラインとの連携が容易になり、開発効率が大幅に向上します。

Geo-replication(地域レプリケーション)

複数リージョンにレジストリを複製し、地理的に分散したシステムにも高速アクセスを実現します。グローバル展開するアプリケーションにとって大きな強みとなります。

Azure Container Registryの料金体系

Azure Container Registryの料金は、レジストリのSKU(Standard、Premiumなど)によって異なります。

基本的には「ストレージ容量」と「データ転送量」に応じた従量課金制です。小規模開発から大規模エンタープライズ向けまで、柔軟なプランが用意されています。

各プラン(SKU)の違い

  • Basicプラン:小規模プロジェクト向け、最低限の機能
  • Standardプラン:中規模〜一般的な商用向け、機能バランス型
  • Premiumプラン:大規模向け、Geo-replication、仮想ネットワーク統合など最上級機能

コストを最適化するポイント

必要以上に大きなプランを選ばず、開発フェーズに応じてプランを段階的にアップグレードしていくのがベストです。

利用状況をAzure Monitorで可視化し、適切なストレージ&転送量管理を行いましょう。

Azure Container Registryの使い方【基本操作編】

Azure Container Registryの導入と基本操作はとてもシンプルです。ここでは、初めてACRを使う人向けに、作成からコンテナイメージのプッシュ・プルまでを順番に解説します。

ACRの作成手順

  1. AzureポータルまたはAzure CLIでレジストリ作成
  2. SKU(プラン)を選択
  3. リソースグループとリージョンを指定

イメージのプッシュ&プル方法

  • イメージプッシュdocker push [ACRのURL]/[イメージ名]
  • イメージプルdocker pull [ACRのURL]/[イメージ名]

ACRにログインするためには、Azure CLIまたはDocker CLIの認証が必要です。

よくあるエラーと対策

  • 認証エラー:az acr loginコマンドで再認証
  • プッシュ失敗:リポジトリ名・タグ指定を再確認
  • クォータ超過エラー:プランアップグレードを検討

Azure Kubernetes Service(AKS)との連携方法

Azure Container Registryは、AKSとの連携により本領を発揮します。

ここでは、AKSクラスターからACRに保存されたコンテナイメージを安全かつシームレスに利用する方法を紹介します。

AKSとの認証設定

AKS作成時に、Managed Identity(MSI)を使ってACRへのアクセス権を自動付与する設定が推奨されます。

これにより、手動でDocker Secretを作成する必要がなくなり、セキュアな運用が可能になります。

Helmチャートでのデプロイ連携

Helmチャートにおいて、ACRホスト名を指定するだけで簡単にイメージ取得・デプロイが可能です。大規模環境でもスムーズなCI/CDが実現します。

Azure Container Registry活用事例とメリット

Azure Container Registryは、個人開発から大規模エンタープライズ開発まで、幅広く活用されています。ここでは、具体的な導入事例を通じてACRのメリットを紹介します。

スタートアップ企業のDevOps事例

スタートアップ企業がACRを活用して、開発から本番リリースまでのワークフローを劇的に高速化した事例。レジストリのセキュリティ強化と自動ビルド機能の恩恵を最大限に受けました。

エンタープライズ開発のセキュリティ強化

ACR+VNet統合を利用して、外部インターネット経由のアクセスを遮断。高セキュリティを確保しながらも、グローバル展開をスムーズに実現した企業の成功事例を紹介します。

おわりに

Azure Container Registryは、単なるイメージ保存場所ではなく、クラウドネイティブ開発を加速させる重要なインフラです。

開発・運用・セキュリティすべてをカバーできるACRの力を、ぜひあなたのプロジェクトにも取り入れてみてください。

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