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Azure Update Managerの使い方|パッチ管理を自動化する手順をわかりやすく

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はじめに

クラウドインフラを安定運用するうえで、仮想マシン(VM)やサーバーへの定期的なパッチ適用は不可欠です。

Azureでは、手動作業に頼らずに効率的なパッチ管理を実現するため「Azure Update Manager」というサービスが提供されています。

本記事では、Azure Update Managerの概要、基本機能、使い方、導入手順について、初心者にもわかりやすく解説していきます。

Azure Update Managerとは?

Azure Update Managerは、Azure仮想マシン(VM)やオンプレミスサーバー、他クラウド環境のマシンを対象に、パッチ適用や更新管理を一元的に自動化できるサービスです。

以前の「Update Management」が刷新され、より使いやすく、柔軟な管理機能が追加されました。Windows/Linux問わず対応しており、セキュリティパッチの適用漏れ防止に役立ちます。

なぜAzure Update Managerを使うべきか?

手動によるパッチ管理は、漏れや遅延を招きやすく、セキュリティリスクを高めます。

Azure Update Managerを利用することで、スケジュール管理、適用対象の細かな制御、エラー発生時の自動リトライなどを一括で自動化でき、運用負荷とリスクを大幅に軽減できます。

Azure Update Managerの主な機能

Azure Update Managerは単なるパッチ適用ツールではありません。多機能かつ柔軟な設定が可能で、企業規模や運用ポリシーに合わせた最適なパッチ運用を支援します。

対象リソースのスキャンとグループ化

複数のVMやサーバーを自動検出し、タグやリソースグループ単位で柔軟に管理対象をまとめることができます。これにより、大規模環境でも管理が容易になります。

パッチスケジュール管理

「いつ」「どのマシンに」「どのパッチを」適用するかを細かくスケジュール設定可能。メンテナンスウィンドウに合わせた自動適用ができるため、本番環境への影響を最小限に抑えられます。

適用状況のモニタリングとレポート

パッチ適用状況はAzureポータル上でリアルタイムに可視化され、成功・失敗ログも自動収集されます。これにより、コンプライアンス要件への対応も容易になります。

Azure Update Managerの導入手順【初心者向けガイド】

Azure Update Managerの導入は比較的シンプルですが、いくつかの前提条件とベストプラクティスを押さえておくと、よりスムーズに運用を開始できます。

事前準備

  • Azureサブスクリプションと仮想マシンの用意
  • VMに必要な拡張機能(Microsoft Monitoring Agentなど)のインストール確認
  • ネットワークセキュリティグループ(NSG)で必要なポート許可(Windows Update通信など)

基本設定の流れ

  1. Azureポータルで「Update Manager」を検索
  2. 管理対象となるマシングループを作成
  3. スキャン対象(Windows/Linux)を選択
  4. パッチ分類とスケジュールを設定
  5. 適用ポリシーを保存して完了

よくある初期トラブルと対策

  • エージェントインストール失敗 → Azure Extension再デプロイ
  • スキャン結果が出ない → VMの診断設定有効化確認
  • スケジュール適用されない → 正しい対象設定・タイムゾーン確認

Azure Update Managerを活用するメリット

Azure Update Managerは、単なる効率化ツールではなく、運用リスクを下げ、全体のサービス品質を底上げする武器となります。ここでは、導入による主なメリットを整理します。

パッチ適用漏れリスクの大幅削減

定期スキャンと自動適用により、パッチ適用漏れをほぼゼロにできます。これにより、ゼロデイ脆弱性などの深刻なセキュリティリスクを大きく低減可能です。

運用コストと工数の削減

手作業によるパッチ適用が不要になり、インフラ担当者の負担が軽減されます。運用自動化により、より戦略的な作業にリソースを集中できる環境が整います。

監査・コンプライアンス対応が容易に

レポート機能により、いつ・どのマシンに・どのパッチが適用されたかを簡単に証明できるため、外部監査や内部監査にもスムーズに対応できます。

おわりに

Azure Update Managerは、Azure仮想マシンやオンプレミスサーバーのパッチ管理を自動化し、セキュアで効率的なインフラ運用を支える強力なツールです。

本記事で紹介した内容を参考に、ぜひあなたの環境にもUpdate Managerを導入し、パッチ管理の品質と生産性を向上させてみてください。

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