【2025年版】Azure OpenAI API Versionの違いと選び方を徹底解説
はじめに
Azure OpenAI Serviceでは、APIを通じてGPTシリーズなどの高度なAIモデルを利用できますが、利用できる「APIバージョン」には違いがあります。
バージョン選びを間違えると、機能制限やサポート終了リスクに直面することも。
本記事では、2025年最新版のAzure OpenAI API Versionの違い、選び方、注意点について、初心者でも理解できるようわかりやすく解説していきます。
Azure OpenAI API Versionとは?
Azure OpenAI API Versionとは、Azure上で提供されるOpenAIモデルにアクセスするための「API仕様のバージョン管理」のことを指します。
各バージョンによって、サポートされるモデル、機能、パラメータ仕様、エラーハンドリングの内容が異なり、アプリケーション開発に大きな影響を与えます。
バージョン選びは、プロジェクト成功に直結する重要な判断ポイントです。
なぜAPI Versionが存在するのか?
OpenAIの研究・開発が進む中で、モデルやAPI仕様も日々進化しています。
Azure OpenAI Serviceでは、過去バージョンの互換性を保ちつつ、最新機能を提供するために「バージョン管理」を採用しています。
これにより、開発者は用途に応じた最適な仕様を選択できるのです。
2025年時点で利用可能なAPIバージョン一覧
Azure OpenAI Serviceでは、複数のAPIバージョンが併存しています。それぞれの特徴やサポート状況を把握しておくことで、適切なバージョン選びができるようになります。
ここでは、2025年4月時点で利用可能な代表的なAPIバージョンを紹介します。
バージョン一覧と特徴まとめ
- 2022-12-01:従来版。安定性重視、GPT-3.5系に対応。
- 2023-07-01-preview:新機能多数。GPT-4対応。ただし「プレビュー」扱い。
- 2024-01-01:安定版リリース。多くの本番環境で推奨。
- 2024-12-01(予定):GPT-4 Turbo/Next対応予定。先進機能搭載。
サポート期間と注意点
APIバージョンにはサポート終了(Deprecation)予定が設定される場合もあります。
公式ドキュメントやAzure Portal通知をこまめにチェックし、長期サポートが保証されるバージョンを選ぶことが重要です。
APIバージョンによる主な違い
APIバージョンによって、機能面・パラメータ仕様・モデル対応状況が異なります。ここでは特に注意すべき違いを具体的にまとめます。
サポートされるモデル
古いバージョンではGPT-3.5までしか利用できない場合がありますが、最新バージョンではGPT-4、GPT-4 Turbo、あるいは将来のGPT-5対応も予定されています。
開発要件に応じて適切なバージョンを選ぶ必要があります。
APIリクエストパラメータ
たとえば、温度(temperature)やトークン制限(max_tokens)のデフォルト値がバージョン間で異なる場合があります。
細かなパラメータ仕様もドキュメントで必ず確認しましょう。
料金体系・制限
新しいバージョンに移行すると、使用料金(CPT: cost per token)やリクエストレートリミットが変わるケースもあります。コスト試算にも影響するため、検討段階でチェックが欠かせません。
Azure OpenAI API Versionの選び方【2025年版】
どのバージョンを選ぶべきかは、アプリケーションの特性や運用方針によって異なります。ここでは用途別におすすめのバージョン選択指針を紹介します。
安定性重視なら「2024-01-01」版
本番環境運用で、予期せぬ変更を避けたい場合は「安定版」の利用が推奨されます。特にエンタープライズ用途では、長期サポート(LTS)バージョンが安心です。
最新機能重視なら「プレビューバージョン」
Chat Completions APIの新機能や、GPT-4 Turboの高速生成など、最先端機能を積極活用したい場合は、プレビュー版を試す価値があります。ただし商用運用には注意が必要です。
コスト重視ならバージョン選定に注意
新バージョンではトークン単価が高くなる場合があります。大量リクエストが発生するアプリケーションでは、旧バージョンも検討対象に含め、コスト試算を慎重に行いましょう。
今後のバージョンアップに備えるには?
APIバージョンは今後も定期的にアップデートされます。開発者としては、常に最新情報を追い、柔軟に対応できる体制を作っておくことが重要です。
公式情報をキャッチアップする方法
- Azure公式ドキュメント
- Azure Updates
- OpenAI Blog
- Azure Portalの通知設定
これらをウォッチして、バージョン更新情報を即座に把握できる体制を整えましょう。
バージョン変更に強い開発設計とは
バージョン依存部分を極力抽象化・モジュール化し、アップデート時に最小限の変更で済むアーキテクチャ設計を意識しましょう。APIリクエストの共通化、設定値の外部ファイル化などが有効です。
おわりに
Azure OpenAI API Versionの選び方は、アプリケーションの品質・安定性・コストに直結する非常に重要なポイントです。
2025年以降も進化が続くAzure OpenAI Serviceに適応できるよう、この記事を参考にバージョン選びと開発設計を見直してみてください。
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