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【図解あり】Azure AD B2Cとは?特徴・構成・認証フローをわかりやすく

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はじめに

ユーザー向けアプリケーションを開発する際、ログイン機能の実装は欠かせません。

しかし、認証・認可機能を一から構築するのは、セキュリティや運用面で大きな負担となります。そこで登場するのが「Azure AD B2C」です。

本記事では、Azure AD B2Cとは何か、その特徴、基本構成、認証フローを初心者にもわかりやすく解説していきます。

Azure AD B2Cとは?

Azure Active Directory B2C(Business to Consumer)は、Microsoftが提供する外部ユーザー向けの認証・認可サービスです。

アプリケーションに安全かつスケーラブルなログイン機能を組み込むことができ、独自ID管理だけでなく、Google、Facebookなどの外部IDプロバイダーとも連携可能です。

企業向けのAzure ADとは異なり、個人ユーザーや一般顧客を対象としています。

Azure ADとの違いは?

Azure ADは社内ユーザー向け(エンタープライズID管理)に特化したサービスですが、Azure AD B2Cは「外部一般ユーザー向け」に設計されています。ユーザー規模や用途に応じて選び分けることが重要です。

Azure AD B2Cの特徴・メリット

Azure AD B2Cは単なる認証サービスではありません。高度なカスタマイズ性、スケーラビリティ、セキュリティを備え、さまざまなビジネスシーンに対応できる点が大きな特徴です。

多様なログインオプション

ユーザーは、Microsoftアカウント、Google、Facebook、または独自アカウント(ローカルアカウント)を使ってログイン可能です。

シングルサインオン(SSO)にも対応しており、複数サービス間での認証連携もスムーズに実現できます。

認証フローのカスタマイズ

Azure AD B2Cでは、サインイン、サインアップ、パスワードリセットなどのユーザーフロー(ポリシー)をGUIベースで簡単に設計可能です。

さらに細かい要件がある場合には、「カスタムポリシー」で高度な認証フロー制御もできます。

グローバルスケール・高可用性

Azureのグローバルネットワークを活用し、世界中のユーザーに対して低レイテンシかつ高可用性な認証基盤を提供できます。

アクセス集中時でも自動スケール対応されるため、大規模B2Cアプリにも安心して導入できます。

Azure AD B2Cの基本構成と用語解説

Azure AD B2Cの構成要素や関連用語を押さえておくと、全体像がスムーズに理解できるようになります。ここでは、初心者向けにポイントを整理して紹介します。

テナント(Tenant)

Azure AD B2Cテナントは、ユーザー情報や設定を管理するための専用空間です。通常のAzure ADテナントとは別に作成する必要があります。

ユーザーフロー(User Flow)

サインイン、サインアップ、パスワードリセットなど、一般的な認証パターンをGUIで作成できるテンプレートです。コード不要で運用できるのが特徴です。

IDプロバイダー(Identity Provider)

Azure AD B2Cでは、複数のIDプロバイダー(例:Google、Facebook、Microsoftアカウント)を設定して、ユーザーに複数のログインオプションを提供できます。

Azure AD B2Cの認証フローを図解でわかりやすく解説

Azure AD B2Cの認証フローは、一般的なOAuth 2.0/OpenID Connectベースで動作しますが、実際の流れを図解で理解するとイメージがつかみやすくなります。

基本的な認証フロー(サインイン)

  1. ユーザーがアプリケーションからログイン画面にリダイレクトされる
  2. Azure AD B2Cが指定されたユーザーフローに基づいて認証を実施
  3. ユーザーが資格情報を入力、認証成功
  4. Azure AD B2Cがアクセストークン・IDトークンを発行
  5. アプリケーションがトークンを受け取り、セッション確立

(※記事内では、実際に簡単なシーケンス図も挿入するとさらに親切です!)

外部IDプロバイダー連携時のフロー

GoogleやFacebook連携の場合、B2Cが中継役となり、外部プロバイダー認証後にトークンを発行します。このため、アプリ側では統一的な認証処理が可能になります。

Azure AD B2C導入時の注意点とベストプラクティス

Azure AD B2Cは非常に強力なサービスですが、設計段階で押さえるべき注意点も存在します。ここでは安全でスムーズな導入のためのベストプラクティスを紹介します。

ID管理のルールを明確にする

ローカルアカウント(メール・パスワード)を使うか、外部IDプロバイダーを使うか、または両方使うかを事前に明確にしておきましょう。

運用方針が曖昧だと、セキュリティリスクやユーザー混乱を招きます。

トークン有効期限とセッション設計

アクセストークンやリフレッシュトークンの有効期限設計をしっかり行いましょう。短すぎるとユーザー体験が悪化し、長すぎるとセキュリティリスクが高まります。

カスタムドメイン利用の検討

標準のAzureドメイン(*.b2clogin.com)ではなく、カスタムドメインを設定することで、よりブランド一貫性の高いログイン体験を提供できます。

おわりに

Azure AD B2Cは、B2Cアプリケーションにおける認証機能を高速かつ安全に構築できる強力なサービスです。

初心者でも導入しやすい仕組みが整っている一方で、カスタマイズ性・拡張性も非常に高く、将来のスケールにも柔軟に対応できます。

この記事を参考に、ぜひAzure AD B2Cを使った次世代アプリ開発にチャレンジしてみてください。

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