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【2025年最新】Azureストレージアカウントの料金をわかりやすく解説|用途別の最適な選び方も紹介

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ストレージアカウントの料金がわかりにくい…そんな悩みを解決します!

「Azureのストレージって、種類が多すぎて料金体系が複雑すぎる……」

そう感じたことはありませんか?

Azureでは、Blob、File、Table、Queue、Diskなど複数のストレージサービスを「ストレージアカウント」という単位で一括管理できます。

しかし、その料金体系は保存データの種類・アクセス頻度・冗長性・リージョンなどにより大きく異なるため、初学者や導入検討中の方にはわかりにくいのが実情です。

本記事では、Microsoft公式情報をもとにAzureストレージアカウントの料金構成を体系的に解説し、用途別のおすすめプランまで具体的に紹介します。

Azureストレージアカウントとは?

「ストレージアカウント」とは、Azureでファイルやデータを保存・共有・管理するためのクラウドストレージのコンテナのようなものです。1つのアカウント内に複数のストレージサービスを持つことができます。

提供される代表的なストレージサービス。

種類 主な用途
Blob Storage 画像・動画・ログなどの非構造化データ
File Storage SMBプロトコルでアクセスする共有ファイル
Table Storage NoSQL形式のデータ
Queue Storage メッセージキュー(非同期処理など)
Disk Storage 仮想マシンのOS/データディスク

料金構成の基本|「保存量 × アクセス階層 × 冗長性 × トランザクション」

Azureストレージアカウントの料金は、以下の4つの要素で決まります。

① 保存容量(GB単位)

  • 最も基本的なコスト要素
  • 保存データが増えるほど費用も増加
  • ストレージ種類ごとに単価が異なる(例:BlobとFile)

② アクセス階層(Hot / Cool / Archive)

特にBlobストレージではアクセス頻度に応じた階層設計が重要です。

階層 特徴 保存単価 読み出し単価
Hot 頻繁にアクセスするデータ 高い 安い
Cool 月1〜2回程度のアクセス 中程度 中程度
Archive ほぼアクセスしないデータ 非常に安い 非常に高い(復元に時間がかかる)

③ 冗長性オプション(LRS / ZRS / GRS など)

データの可用性と災害対策レベルに応じて選択可能。

種類 内容 コスト感
LRS 単一リージョン内で3重コピー 最安
ZRS 複数ゾーンに分散保存
GRS 異なる地域にレプリケート

④ トランザクション・データ転送量

  • 書き込み・読み込み回数が多いほどコスト増
  • リージョン間のデータ転送は別途課金あり

ストレージ種別ごとの料金例|使い方でコストが大きく変わる!

Azureのストレージは種類によって料金体系が異なるため、用途に応じた選択が重要です。ここでは主要な4種類の料金例を見ていきましょう(2025年4月現在、日本東リージョン・LRS・ホット階層の場合の目安)。

1. Blob Storage(非構造化データ)

容量 ホット階層(LRS) クール階層(LRS) アーカイブ階層
100GB 約2円/GB(月) → 200円/月 約1.2円/GB(月) → 120円/月 約0.2円/GB(月) → 20円/月

注意点:アーカイブからのデータ復元には追加料金(0.2〜0.5円/GB)と時間(最大15時間)がかかります。

2. File Storage(共有ファイルシステム)

Azure FileはSMB経由でアクセス可能なクラウドベースのネットワークドライブです。

プラン 標準(LRS) プレミアム
100GB保存 約9円/GB → 900円/月 約25円/GB → 2,500円/月
読書き料金 書込:0.05円/回、読込:0.01円/回 書読込ともに高速+固定料金制

ファイルサーバのクラウド移行や、オンプレ連携に最適です。

3. Disk Storage(仮想マシン用ディスク)

仮想マシンのOSやデータを保存するブロックストレージです。

ディスク種別 サイズ 価格(月) 用途
Standard HDD 128GB 約300円 テスト・開発環境
Standard SSD 128GB 約500円 本番でもOK
Premium SSD 128GB 約1,500円 高IO要求のシステム

VMの起動時間やパフォーマンスに影響するため、コストと性能のバランスが重要です。

4. Data Lake Storage Gen2(ビッグデータ処理)

ビッグデータ分析や機械学習で使われるストレージです。Blobと似た料金体系で、階層型ファイルシステムをサポート。

ストレージ:約2円/GB(月)
書き込み/リスト取得などは追加トランザクション料金あり

無料枠とコスト削減のポイント

無料枠の活用

Azureには初回30日間の無料クレジット(22,500円分) と、常時利用できる無料ストレージ枠(例:5GBのBlob) があります。

  • 学習・検証用なら、無料枠+Azureサンドボックスで十分
  • VS Code+Azure拡張機能でローカルから簡単操作も可能

節約のコツ

方法 効果
アクセス頻度に応じて階層を切り替える クール/アーカイブに移行で最大90%削減
冗長性をLRSに絞る ZRS/GRSよりコストを抑えられる
自動ライフサイクル管理を設定 未使用ファイルを自動でアーカイブ化
データ圧縮・削除 保存容量を削減し、直接コストダウン

見落とし注意!Azureストレージ料金が高額になるケース

Azureストレージは柔軟性が高い反面、設計ミスや設定忘れで料金が高騰することもあるため注意が必要です。

ケース① アーカイブ階層の“意図しない復元”

アーカイブストレージからのデータ復元には時間とコストがかかります。分析や可視化ツールから誤って読み出し要求が発生すると、復元コストが一気に発生します。

対策:アーカイブ階層には重要ファイルのみ、分析用途にはクールorホットを使う

ケース② トランザクション数の過多

保存容量よりも読み書きの頻度(トランザクション)によって課金が跳ね上がるケースもあります。特に大量の小ファイルを扱うIoTやロギング用途では要注意です。

対策:Append Blobの活用や、まとめ書き処理を設計段階で検討

ケース③ 複数リージョン間の転送

リージョンをまたいだ読み出し・同期処理がある場合、ネットワーク転送料金が別途発生します(1GBあたり約12円〜)。日本リージョン同士でも注意が必要です。

対策:できるだけ同一リージョン内で構成、GRSではなくLRS/ZRSを使う

実践シミュレーション|コストの目安は?

以下に、想定される2パターンの構成例を紹介します。

【構成例1】Webアプリで画像を保存(Blob)

  • 1万件の画像(1GBあたり平均500KB) → 合計約5GB
  • アクセス階層:Hot(高頻度アクセス)
  • 冗長性:ZRS

→ 月額:ストレージ約10円+トランザクション約50〜200円程度

【構成例2】IoTログ保存+分析(Data Lake)

  • JSONログ:1日1GB、30日保存 → 合計約30GB
  • アクセス階層:Cool
  • 自動アーカイブ移行設定あり

→ 月額:ストレージ約36円+書込・リスト取得などで最大300円前後

コストは小規模運用なら数百円/月で十分対応可能。大規模でも最適化すれば数千円~。

用途別おすすめストレージ構成まとめ

利用シーン ストレージ種類 階層 冗長性 備考
Webアプリの画像保存 Blob Hot LRS or ZRS CDN併用で高速表示も
ファイルサーバー代替 File Standard LRS Azure Files+バックアップ設定
IoTログ保管 Data Lake / Blob Cool→Archive LRS 自動ライフサイクル管理を併用
VMのOS/データ保存 Disk - LRS Standard SSDがおすすめ

Azureストレージアカウントは「設計次第」でコストが変わる

本記事では、Azureのストレージアカウント料金について次の点を解説しました。

  • 料金は「容量 × 階層 × 冗長性 × トランザクション」で決まる
  • Blob・File・Disk・Data Lakeなど、種類ごとに特徴と料金が異なる
  • 階層・冗長性・転送に注意すれば、月数百円でも運用可能
  • 無料枠・ライフサイクル管理・クール/アーカイブ階層活用でコスト削減

Azureストレージは機能・自由度が高い反面、最適な使い方が求められるサービスです。あなたの目的に合った構成を見極めて、無駄なくスマートにクラウドストレージを活用していきましょう。

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