Kotlin Fest 2025参加&ブース展示レポート
はじめに
こんにちは(こんばんは)、Fairy Devicesでプロダクト開発部の部長をしている吉川(@emergent: X, GitHub)です。
2025年11月1日、Kotlinファンの祭典 Kotlin Fest 2025 が開催されました。Fairy Devices株式会社はゴールドプランとして本イベントに協賛し、現地での展示ブース出展を通じて、Kotlinコミュニティの多くの方々と交流する機会をいただきました。
本レポートでは、当社のブースの様子や実施したキャンペーンについてご紹介するとともに、参加メンバーが注目したセッションについても共有します。
展示ブースでの交流
ゴールドプランの協賛特典で出展した当社のブースには、朝からイベント終了まで、途切れることなく多くのKotlinエンジニアや他ブースの出展者が訪れてくださいました。
当社ブースでは、首かけ型のウェアラブルカメラデバイスTHINKLETを展示し、THINKLETを活用した遠隔支援サービス LINKLET やハンズフリーでのAI対話のデモンストレーション、さらには開発者向けの製品の紹介も行いました。デモを見ていただいた方々はいつも見慣れない形のデバイスに驚かれるのですが、THINKLETがAndroid(AOSP)ベースのデバイスだけに、Kotlinエンジニアの方々は「どのようにアプリ開発を行うのか」という点に非常に興味を持っていただいたようです。

当社ブースでTHINKLET/LINKLETの説明を行うCPOの関
THINKLET CPO品プレゼントキャンペーン
ブースの目玉企画として、このTHINKLETのCPO品を抽選で1名様にプレゼントするキャンペーンを実施しました。多くの方にご応募いただき、当選者の方には後日THINKLETをお届け予定です。
気持ち的には、ブースを訪れてくれたKotlinエンジニア全員に差し上げたかったのですが、社内各所との調整の結果、今回は抽選で1名とさせていただきました[1]。ご応募いただいた皆様、誠にありがとうございました。今後も、エンジニアの方々にこのデバイスに触れていただける機会を増やしていきたいと考えています。
参加メンバーが選ぶ注目セッションの紹介
せっかくイベントに参加するからには、自社の宣伝をするだけでなく、最新のKotlin技術やトレンドを学びたいと考え、参加メンバーで交代に色々なセッションを見に行きました。以下では、それぞれのメンバーが注目したセッションをピックアップして紹介します。
テックリード(Kabocha)
Kabochaです。Kotlin Fest 2025に参加しておりました。興味深いと感じたセッションは、「デッドコード消せてますか? - 構文解析とGradleプラグイン開発で始めるコードベース改善」です。
当社では専用デバイス向けのAndroidアプリ開発ということもあり、リリース頻度はそこまで多くありません。
そのためトランクベース開発ではなくGitFlowが主流ですが、フォールバック先にレガシーコードを残しつつリファクタリングをすることもあり、デッドコードは一定数生まれておりました。削除する時間が取れなかったり、削除した際のデグレリスクを考えるあたりに非常に共感しましたし、興味深く拝聴しておりました。
エンジニア(中嶋)
私が参加した中で特に興味をもったセッションは、「フルKotlinで作る!MCPサーバー、AIエージェント、UIまで一気通貫したAIエージェントシステム」です。
当社(FairyDevices)ではTHINKLETに対応したAIチャットアプリを公開しています。このセッションを聴き、MCPサーバーを実装すれば、他のサービスとの連携タスク実行や他のIoTデバイスをMCPで制御するホームアシスタントシステムの構築など、アプリの機能を拡張できるのではないかと考えました。これらのお試し実装に挑戦してみたいと思います。
筆者
私にとって興味深かったセッションは、「Kotlinで実装するCPU/GPU 「協調的」パフォーマンス管理」でした。私はここ数年Rustをメインに扱っており、最近は小型のハードウェアを使うソフトウェアに触れることが多いため、Kotlinアプリを作るときもネイティブ側からKotlinを見てしまうのですが、本セッションではKotlin側でネイティブのAPIを操作するための工夫が紹介されており、非常に参考になりました。
昨年自身でもJNIを使ってKotlinからネイティブコード(Rust)を呼び出すライブラリを作成したのですが、KotlinとRustのインタフェースを安全に実装するのには非常に苦労しました。本セッションでは、パフォーマンス制御というそれ自体も興味深いテーマであることに加え、型とFlowを組み合わせて安全に利用する方法について触れられており、早速使ってみたいと思いました。
おわりに
Kotlin Fest 2025は、Kotlinコミュニティの活気と技術力を肌で感じることができる素晴らしいイベントでした。Fairy Devicesとしても、今後もKotlinを活用した製品開発を進めていくとともに、コミュニティへの貢献も続けていきたいと考えています。
ご多忙の中、Fairy Devicesブースにお立ち寄りいただいた皆様、誠にありがとうございました。次回のKotlin Festでお会いできることを楽しみにしております!
-
これは会社がケチなのではなく、景品表示法の関係で高額な景品の配布には制限があるためです。 ↩︎
Discussion