【Flutter】FCMでプッシュ通知を送る際のOS毎の注意点
こんにちは、遠藤(@esh2n)と申します。
今回は、FCM(Firebase Cloud Messaging)
のプッシュ通知を行う際に詰まった点を紹介します。
FlutterでFCMを制御する方法はこちらのnoteの記事がわかりやすいかと思います。
🙅♀️ 問題点
当初このような形でCloud Functionsからプッシュ通知を実装していましたが、
一見うまくいっているように見えますが以下の問題が発生しておりました。
const options = {
priority: "high",
};
const payload: admin.messaging.MessagingPayload = {
notification: {
title: message.title,
body: message.body,
click_action: "FLUTTER_NOTIFICATION_CLICK",
badge: message.badgeNum,
sound: "default",
},
};
await admin.messaging().sendToDevice(message.fcmToken, payload, options);
🤖 Android
- 通知トレイからアプリを起動すると
notification ペイロード
が空っぽになる。 - 画面上部に通知を表示させたい。(
Heads-up通知
)
画像は弊アプリ開発中のものですが、メッセージがきたのをトリガーとし、アプリ内でダイアログを表示するよう実装しております。
通知トレイからアプリを立ち上げると、空っぽのダイアログが表示されてしまいます。
また、チャット機能があるので、他アプリを起動している際にも画面上部に通知を表示させたいです。
こんな感じに。(以下Heads-up通知
と表記します)
🍎 iOS
- 通知トレイからアプリを起動すると2度メッセージが表示される
アプリを完全に落とした状態で通知トレイから起動すると、同じメッセージのダイアログが2度表示されてしまいます。
🙆♀️ 解決策と注意点
🤖 Android
onResume
, onLaunch
をトリガーとする場合Payloadにはdata
属性も送らないといけない。
1. バックグラウンドにある場合、アプリは、通知トレイで[notification]ペイロードを受け取り、ユーザーが通知をタップしたときにのみ[data]ペイロードを処理します。
つまり[data]ペイロードがないと通知トレイからタップした際に空っぽのデータが読みこまれるので、
空っぽのダイアログが表示されていた。
先のFunctionsのペイロードをこう変更したところ問題点①はクリアです。
const options = {
priority: "high",
};
const payload: admin.messaging.MessagingPayload = {
notification: {
title: message.title,
body: message.body,
click_action: "FLUTTER_NOTIFICATION_CLICK",
badge: message.badgeNum,
sound: "default",
},
// 以下追加
data: {
title: message.title,
body: message.body,
},
};
await admin.messaging().sendToDevice(message.fcmToken, payload, options);
2. Heads-up通知を行うには通知チャンネルの設定をしっかりする。
Android 8.0(API レベル 26)以降、通知はすべてチャネルに割り当てる必要があります。チャネルごとに、そのチャネルのすべての通知に適用される表示と音声の動作を設定することができます。
とのことで、FCMがデフォルトで作る通知チャンネルだとHeads-up通知の許可がオンになってないようでした。
画像にあるその他
の通知チャンネルがデフォルトのものですが、ユーザーが自発的にポップアップのトグルをオンにしないと
Heads-up通知はきません。
また再インストール時などにはまた設定をしないといけないようです。
方法としては以下があります。
- デフォルト通知チャンネルの設定を
AndroidManifest.xml
に追記する。 - flutter_local_notificationsを利用する。
- Kotlinネイティブコードからチャンネルを作成する。
1は単純に理解が足りなかったのか、Flutterでは動かなかったので断念。
2は新規プロジェクトでは問題ない選択ですが、今回だと機能過多と判断し、不採用です。
今回はKotlinのネイティブコードを呼び出して通知チャンネルを作成しました。
package com.example // 自身のプロジェクトコード(ユニークキー)を入れてください
import androidx.annotation.NonNull
import io.flutter.embedding.android.FlutterActivity
import io.flutter.embedding.engine.FlutterEngine
import io.flutter.plugin.common.MethodChannel
import android.content.Context
import android.content.ContextWrapper
import android.content.Intent
import android.content.IntentFilter
import android.os.Build.VERSION
import android.os.Build.VERSION_CODES
import android.app.NotificationManager;
import android.app.NotificationChannel;
import android.net.Uri;
import android.media.AudioAttributes;
import android.content.ContentResolver;
class MainActivity: FlutterActivity() {
private val CHANNEL = "com.example/channel" // チャンネルの名前
override fun configureFlutterEngine(@NonNull flutterEngine: FlutterEngine) {
super.configureFlutterEngine(flutterEngine)
MethodChannel(flutterEngine.dartExecutor.binaryMessenger, CHANNEL).setMethodCallHandler {
// FCMService()からのinvoke()
call, result ->
if (call.method == "createNotificationChannel"){
val argData = call.arguments as java.util.HashMap<String, String>
val isCompleted = createNotificationChannel(argData)
if (isCompleted == true){
result.success(isCompleted)
}
else{
result.error("Error Code", "Error Message", null)
}
} else {
result.notImplemented()
}
}
}
// NotificationChannelの作成
private fun createNotificationChannel(mapData: HashMap<String,String>): Boolean {
val isCompleted: Boolean
if (VERSION.SDK_INT >= VERSION_CODES.O) {
// Flutter側からの値
val id = mapData["id"]
val name = mapData["name"]
val descriptionText = mapData["description"]
val importance = NotificationManager.IMPORTANCE_HIGH
val myChannel = NotificationChannel(id, name, importance)
myChannel.description = descriptionText
val notificationManager = getSystemService(NOTIFICATION_SERVICE) as NotificationManager
notificationManager.createNotificationChannel(myChannel)
isCompleted = true
}
else{
isCompleted = false
}
return isCompleted
}
}
(追記)
Heads-up通知を実装するためには、通知の重要度の設定が緊急になっているチャンネルの設定が必要
とのことで、
val importance = NotificationManager.IMPORTANCE_HIGH
こちらの部分でその設定をしております。
画像はこちらからお借りしました。
(uhooi様 コメント誠にありがとうございました!)
Flutter側ではネイティブコードをMethodChannel
からinvokeします。
Future<void> createNotificationChannel() async {
const _channel = sevices.MethodChannel('com.example/channel');
const channelMap = {
'id': 'SAMPLE_CHANNEL', // FCMからこの名前で呼び出す
'name': 'サンプルアプリ', // エンドユーザーが設定でみる名前
'description': 'サンプルアプリの通知です',
};
try {
// kotlin側'MainActivity.kt'を呼び出し
await _channel.invokeMethod('createNotificationChannel', channelMap);
} catch (e) {
print('error in FCM.createNotificationCannel(): ' + e.toString());
}
}
出来たチャンネルはこんな感じです。
ちゃんとポップアップがオンになってそうです。
最後にFunctions側で、Channel ID
を指定します。
const options = {
priority: "high",
};
const payload: admin.messaging.MessagingPayload = {
notification: {
title: message.title,
body: message.body,
click_action: "FLUTTER_NOTIFICATION_CLICK",
badge: `message.badgeNum,
sound: "default",
android_channel_id: 'SAMPLE_CHANNEL'
},
data: {
title: message.title,
body: message.body,
},
};
await admin.messaging().sendToDevice(message.fcmToken, payload, options);
🍎 iOS
OnResume
, OnLaunch
両方トリガーされる。
1. アプリがkillされている場合通知から立ち上げるときはこちらのissueでのコメントが参考になりました。
つまり弊アプリを例に出すと、アプリが完全に閉じている際に通知トレイなどから立ち上げると、
~さんがいいねしました。
というダイアログが2回表示されてしまいます。
同じ内容の通知がonResume
, onLaunch
からこないように監視する必要が出てきます。
ダイアログ表示のメソッドにて、以前の通知と被る場合はスルーするようにしました。
// iOSでアプリkill時にOnResumeとOnLaunchが同時にトリガーされる問題を監視
if (Theme.of(context).platform == TargetPlatform.iOS &&
(trigger == 'onLaunch' || trigger == 'onResume') &&
notification == lastNotification) return null;
📌 終わりに
改めて一次ソースの大切さと困ったらGitHubのissue見れば同じ問題抱えている人がいるんだなあとしみじみ思いました。
今回紹介した内容がもし間違っていたら、Twitter等でメッセージください。
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