Clubhouseの素晴らしきUX
みなさん、Clubhouse してますか?
Clubhouse は、芸能人だの有名人だのそういった人が話題になりがちですが、我々エンジニアが見るべきポイントはそこではありません。いくつかの特筆すべき特徴があります。
- 世界初(?)の常時接続 SNS であること
- 徹底された UX 思想のもと作られたソフトウェアであること
常時接続 SNS が何をもたらすのかは僕にもよくわからないので、この記事では二番目に上げた UX にフォーカスします。
Clubhouse の UX すげー、というのを先日知り合いと喋ってたんですが、それを今回記事にまとめました。
Clubhouse を使ったユーザーはだいたい「喋りやすい」と言う
これは観測範囲問題かもしれませんが、喋りやすいと感じる人は多いようです。いくつかの記事では音声のレイテンシが低いためだと指摘されています。音声のレイテンシは実のところ馬鹿にできない要素です。
Zoom や Google Meets などをやってると、発話がかぶることが多くないですか?これも感覚的な問題ですが、日々のリモートミーティングで使ってると、割と多いなーと感じます。
ところが、Clubhouse だとあまりそれが生じません。
もっとも、低レイテンシだけではなくて、音声がかぶったときの処理も Zoom より優れてるような気がします。(根拠はない!)
感覚的な話ばかりですみませんが、とりあえず他のあらゆる音声サービスよりも、喋りやすい感覚があります。
Clubhouse を使うまでの壁が圧倒的に低い
現在は招待制を採用しているため、そういう意味での壁はありますが、招待制度は時間が解決する問題に過ぎません。
電話番号が必須ですがそこに障壁を感じる人は少ないでしょう。
アカウントを作成するときに必要な情報は驚くほど少ないです。氏名を入力する必要はありますが、それくらいです。最低限、アイコン、氏名、ユーザー ID、があれば Clubhouse を始められます。興味のある話題を聞いてきますが、答える必要もありません。
世の中の大半のサービスがもっとあれこれ色気を出して情報を入力させようとしてくるのに、Clubhouse では一切そういうことをしません。素敵です。このままいってほしいものです。
アカウントを登録したあとのトップページに関しても、驚くほどシンプルです。
現代ではリモートワークも一般的になりましたが、多くの人は音声雑談が足りていません。人間はよほど特殊な人間ではない限り、引きこもりに耐えられる精神構造をしていません。人と喋らないと脳の機能が部分的に錆びついてしまうのです。
では、音声雑談をしたいとなって、どうやって音声雑談をしますか?あなたの会社が有料で Slack を使っていれば Slack 通話が可能ですが、あなたの会社の人としかしゃべることはできません。
Zoom を使えば誰とでもしゃべることは可能ですが、誰かが部屋を立てて、権限設定をして、URL とパスワードを何かしらの手段で伝える必要があります。部屋に入りたい人は、いちいち URL をクリックして、必要に応じて様々な設定をして、カメラに写って大丈夫か確認して、云々カンヌンしてやっと通話が始まります。
Clubhouse は、ルームを建てるときには「オープン」「ソーシャル」「プライベート」の選択をして、必要に応じて誰かを招待するだけで開始です。
通話に参加したい人は、ルームをクリックするだけで一発で視聴者として参加できます。
Discord や Zoom, Skype など、様々なサービスがありますが、それらすべての既存サービスよりも、圧倒的に楽なんです。
- 簡単にする
- 障壁をなくす
それをここまで徹底するだけで、音声雑談がここまで気軽になるのか!という驚きがあります。
Clubhouse は余分な色気がない
これはもうそういう UX の思想なのでしょう。余分な色気が全くありません。
個人情報で必要以上の情報を求めたりもしません。一応 Twitter 連携や Instagram 連携もできますがしなくても問題ありません。誰かを招待するときには連絡帳を連携する必要がありますが…。
将来的に、思想が変わる可能性はあるかもしれませんが、現時点で判断できるかぎりは、そういった要素が全くありません。
世の中の大半のサービスやソフトは余分な色気を出しすぎなのです。たとえば Oculus Quest で VR したいだけなのに、Facebook への登録が必須とか頭イカれてるとしか思えません。
ゴテゴテするのうんざりじゃん?
自分たちが作っているものについて、とても考えさせられる、優れたプロダクトだと思います。
Tweet
というのがベース
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