運営開始から3ヶ月、当ブログのGA4データをベンチマーク用に公開
2週続けてインフラのテストとは全く関係のない話題となるが、けしてブログの路線変更をしたわけではない。
今日でブログ開始からちょうど3ヶ月目になるが、3ヶ月というのはSEO的に見ても最初の重要な区切りとなっていて、ここから先は検索シェアの約9割を占めるGoogleからの評価が徐々に開始される予定となっている。
もしかするとそれは新規ドメインでブログを始めた場合の話であって、zenn.devのドメインパワーが影響して評価は既に十分進んでいる可能性もありえるが、これからテックブログを始めようとしている人や既にテックブログを運用してる人にとっても参考になるデータではあると思うため、今回の記事ではこのブログのアクセスデータの詳細を公開したいと思う。
記事数 / 文字数
記事数や文字数はアクセス数に大きな影響を与えるためまずこちらを振り返ると、これまでの記事投稿数はこの記事を除いて22で総文字数は約230,000文字だった。
全力で駆け抜けた場合のアクセス数が見たかったので、直近の3ヶ月は空いている時間のほとんどをインフラプロジェクトの開発と記事の投稿に費やしてきた上での数字となる。
なお序盤のうちにあまりに気前良く記事を投稿し過ぎたせいで、今では記事ストックが常にゼロというライブ感全開の自転車操業ブログとなっている。
ちなみに文庫本の1ページあたりの文字数が600文字前後であるとのことから、3ヶ月で約380ページ分の文章を書いたと考えるとなかなか達成感がある。
インフラプロジェクトの構築が完了する頃にはおそらく500ページ以上にはなるだろうが、これを現場導入時の必読資料として提出するのが今から楽しみである。
(さらにインフラプロジェクトのソースコードと、利用している全ソフトウェアの公式ドキュメント(全編英語)も併せて読む必要があることも忘れてはいけない)
アクセスデータ
それでは当ブログの全期間(3ヶ月)および直近1ヶ月のアクセスデータを発表する。
一応言及しておくと、自分のアクセスはカウントしないようにする"Google アナリティクス オプトアウト アドオン"をブラウザにインストールした状態で計測している。
全期間
GA4を導入したのがブログ開始から2週間後であるため、その期間はデータ無しとなっている。
一応データとして残した方がいいと思ったので全期間も掲載したが、時間軸が週次となっていて情報が読みづらい。
(GA4で長い期間のレポートを日次に変更する設定があれば教えていただきたい)
基本的には直近1ヶ月のレポートをメインに使用しているので、詳しくはこちらのアクセスデータの方に触れていくとする。
なお理由は後述するが、上記数値についてPV数は実力値より600PVほど水増しされている可能性が高い。
(ただしこのズレの原因は↓の直近1ヶ月のデータにはほぼ影響ない)
直近1ヶ月
表示回数
まずPVだが、個人ブログのPVは一日100PVを安定して越えると上位10%付近であるとのことなので、直近週の平日の値を見ると十分良い指標のようにも見える。
さらに月間10,000PVを越えるためには速くても1年、通常は1年半前後はかかるとのことなので、これからどんな推移を辿るのか楽しみにしている。
あとZennのコンソールでもPV数のみレポートが提供されているが、こちらの方が10%以上PV数が少ない結果となっていて、より厳密な集計をしている印象を受ける。
リピーター数、新規ユーザー数
SNS界隈では十万単位のフォロワーが当然であるかのように語られているが、広告費の投入無しに大規模な集客を短期間で達成するのは非常に難しいことであると、この3ヶ月間で改めて感じた。
ちなみにこのブログを始めた頃、3ヶ月後には100人くらい見てくれれば御の字くらいのつもりでいた。
自分の伝えたいことをほんの僅かであっても届けることが出来たと捉えれば100人でも十分過ぎる数だと思うが、実際には直近1ヶ月でも1,352人、さらに再来訪してくれた人が258人もいるとはかなり嬉しい話である。
なおこれまで週一の頻度で投稿してきたため、KPIとして週間リピーター数を採用しているが、先週金曜時点では83人となっており、この数字は投稿の大きな励みになっている。
エンゲージメント率、直帰率
エンゲージメント率は常に安定して55%前後となっている。
なおGA4の公式ドキュメントでは、エンゲージメントを以下のように定義している。
エンゲージメント セッションとは、10 秒を超えて継続したセッション、コンバージョン イベントが発生したセッション、または 2 回以上のページビューもしくはスクリーン ビューが発生したセッションです。
このブログではコンバージョンイベント(現在のキーイベント)を設定していないので、要は1回のユーザ訪問が発生した際に10秒以上の滞在もしくは複数ページ読んでもらえる確率ということになる。
そもそもテックブログのエンゲージメント率の目安がどのくらいなのか調べてもまったく出てこなかったため、高いのか低いのかはよく分からない。
一方、直帰率は100% - エンゲージメント率
と公式ドキュメントで定義しており、この式に従うと44.3%となる。
これに対してブログの直帰率の目安はこのサイトによると、一般的に70~90%と書いてあるので、もしかしたらかなり良い値なのかもしれないし、そもそも集計の定義が全く違うために単純比較出来ない可能性もあったりと、いまいち評価に困っている。
流入元、参照元URL
Organic Searchが全体の約88%を占めていて、残りがほぼDirectとなっている。
まずOrganic Searchの内約だが、90%近くがGoogle検索からの流入となっていて、残りのほとんどがBingからのアクセスとのこと。
一方のDirectだが、半分以上はZennの内部回遊となっていて、残りの半分は実にさまざまな場所からのアクセスで構成されている。
なお、Xやはてなブックマークでこのブログの記事を扱ってくれている奇特な方もいるようで、その件に関してはこの場でお礼申し上げたい。
その他
テックブログは基本的に業務時間中に読まれる物であるため、92%がデスクトップからのアクセスである。
そして土日祝日になるとアクセスが5~10分の1まで低下するという顕著な傾向がある。
あと新記事投稿日から数日間はアクセスが上昇して、その後緩やかに元の波形に戻るといったサイクルを繰り返している。
総評
このブログは現時点ではインフラとテストの話題をメインに扱っているが、どちらも重要な職種であるにもかかわらず、アプリ等に比べて人気が無いジャンルであるためそもそも取れるパイが相対的に少ない。
おまけにほとんどの記事が読むのに時間のかかる万人受けしないものばかりであることを考えると、この結果は期待値を遥かに上回るものであり十分満足できる結果である。
記事アクセス数順
次にこのブログの中でどの記事のアクセス数が多いのかについてもデータをまとめておきたい。
なお全期間(3ヶ月)のPV数順だと初期に投稿した記事の方が有利に思えるが、一概にはそうとも言いきれない結果となっているため、ここでは単純な全期間のPV数の比較によるTOP5を紹介する。
📝 1. Terraform Cloudのほぼ全機能(2024/02時点)を雑に調査
投稿日 | 表示回数 | ユーザー | ユーザーあたりのビュー | 平均エンゲージメント時間 |
---|---|---|---|---|
65日前 | 1,015 | 197 | 5.15 | 42秒 |
一応GA4上で確認できるPV数順なのでこの記事が1位とはなるが、限りなく黒に近いドーピング疑惑がかけられている。
もちろん自分でPVを水増ししたわけではないが、通常記事の1ユーザあたりのPV数はどれだけ多くても2.5程度であるのに対して、この記事は5以上と明らかにおかしい。
一応流入元URLを調べてみたが値は(no set)となっており、リアルタイムでこのアクセスを追跡してもモバイルからのアクセスが発生したのち一瞬で離脱しているという情報しか得られなかった。
おそらくはモバイルのブラウザのタブにこの記事が残っていて、ブラウザを起動した瞬間にこの記事へのアクセスが毎回発生していたのではないかと適当に予想している。
なお、他の同様の記事の1ユーザあたりのPV数を使って再計算すると、本来の数値は400PV弱くらいであると予想している。
📝 2. cloc: プロジェクト内のコードの行数を種類別にカウントするだけのツール
投稿日 | 表示回数 | ユーザー | ユーザーあたりのビュー | 平均エンゲージメント時間 |
---|---|---|---|---|
45日前 | 670 | 491 | 1.36 | 29秒 |
実質1位がよりによってこの記事である。
こだわりのラーメンが雑に提供したおまけの一品に敗北したという話になるが、やはりこの結果からも単純にアクセス数だけを稼ぎたいのなら、気軽に読めて万人受けするなんか良いこと聞いた感を演出できる記事を書いた方が良いのではと思っている。
(もちろん狙う客層や目的次第では間違った戦略にはなるが)
ちなみにこの記事の流入元の80%以上がOrganic Searchとなっているが、"コードカウント"や"cloc"にそこまで需要があるとは思えず、この記事がどういった検索キーワードでアクセスを獲得しているのかまるで予想がつかない。
もちろんSearch Consoleを導入出来れば流入キーワードが分かるが、ZennはGA4のタグのみ設定可能でSearch Consoleには対応していないため、謎は深まるばかりである。
📝 3. goenv: ローカルのGoバージョンを柔軟に切り替えるツールの導入
投稿日 | 表示回数 | ユーザー | ユーザーあたりのビュー | 平均エンゲージメント時間 |
---|---|---|---|---|
71日前 | 645 | 449 | 1.44 | 27秒 |
Staticcheckの記事のアクセス数も他に比べて良好であり、一方でtfenvの記事が低調であることからも、少なくともTerraformよりGoの方が検索需要があるのではないかと思われる。
そもそもプログラム関連はインフラに比べてアクセス数が増えるというだけの話かもしれないので、いずれは別のプログラム言語の記事を試しに投稿して比較してみたいとは考えている。
📝 4. Jun Fujita (erueru-tech)さんの記事一覧 | Zenn
投稿日 | 表示回数 | ユーザー | ユーザーあたりのビュー | 平均エンゲージメント時間 |
---|---|---|---|---|
90日前 | 184 | 45 | 4.09 | 1分57秒 |
弊社ホームページである。
XやGithubからこのURLへのリンクを張っていて、通常記事に比べて優遇されているようにも見えるが、実際にはこれらからの流入は片手で数えられる程度である。
なおこのページへのアクセスは、記事を読み終わった後に他にどんな記事を書いているのか興味がある場合に発生するのがほとんどであることから、このページのアクセス指標は週間リピーター数の次に重要な指標であると考えている。
📝 5. 実用的なTerraformのテストコードのサンプルを実装(ValidationとかTestとかMockの話) ~ 前編 ~
投稿日 | 表示回数 | ユーザー | ユーザーあたりのビュー | 平均エンゲージメント時間 |
---|---|---|---|---|
38日前 | 150 | 74 | 2.03 | 1分16秒 |
中編、後編含めて記事投稿のために1ヶ月かかった約60,000文字の力作となる。
前編のアクセス数が一番多くて、中編、後編と徐々に脱落が発生するのが普通なのだが、このシリーズに関してはなぜか中編のアクセスが一番少ない。
たしかに中編については、書いた本人が苦痛を感じながら書いたものである上にその出来にも納得していないのが、もしかすると読んでる人に伝わっているのかもしれない。
以上が当ブログのGA4のアクセスデータの紹介となる。
もし他の指標を見たいというリクエストや、この値を公開した方がもっと役に立つといったアドバイスがあれば、この記事投稿から二週間以内であれば追記を行うので、遠慮なくコメント等に要件を書いてもらいたい。
収益
アクセス数公開記事のお決まりのようなので一応言及するが、収益はもちろんゼロである。
なおZennには有料バッジというスポンサー機能があるものの、色々と面倒な気がしているのでオフにしている。
他にもZennでの収益化方法としてWeb本の販売がある。
こちらに関しては多少興味があったが、質の良い技術本を書くとなると最低でも半年は拘束される上に、販路が全く存在しない現状ではおそらく年に数十冊程度しか売れないと予想されるため、それだと全く割に合わない。
それならばタダでも役に立つコンテンツを提供することで、一定の太さを持つチャネルを作る方がこれから何を始めるにしても得策であるというのが現時点での考えである。
あとAdsence等を貼れるかは知らないが、そもそもこのブログのメインターゲットであるエンジニアはこの世で最も広告をクリックしない人種であるため、貼ったところで雀の涙ほどの利益のためにユーザビリティを悪くするだけである。
それでもテックブログで収益化を実現したいというのなら、ブログ上で希少なスキルを証明して企業に売り込むのが一番現実的かつ一撃の金額も大きいと考えている。
目的
最後にこのブログの目的だが、自分のような誠意(!=言葉)=金額
の精神を信奉する銭ゲバ傭兵には珍しく、そこまで金銭目的ではない。
もちろん先に書いたチャネル構築の話はビジネス寄りだが、元々は自分の理想のインフラプロジェクトを参画中企業に提供するために学習教材を作る必要があったのを、せっかくなのでこれまで多大な恩恵を受けてきたコミュニティにも恩返しを兼ねて公開するべきと考えたのが、このブログを始めたきっかけとなる。
そしてインフラプロジェクトの設計を全て包み隠さず公開すれば、せめて数十人くらいは理解してくれて、さらにその先々でねずみ講式に良い効果を生み出してもらえるならば、もしかすれば人手不足のエンジニア、特にインフラ界隈に対して蟻の思い程には貢献できるのではないかと淡い期待を抱いた次第である。
それとは別にブログを運営するメリットとして、自分のスキルセットや問題に対する解決アプローチを説明する必要が出てきた際に、今後はこのブログのURLを1行書くだけで済むようになるのはかなり便利である。
さらにブログはWebのアクセス解析に関する実験場にもなれば、エンジニアやコンテンツの需要調査に使えたり、さらに超頑張れば自分自身をあらわすテキストデータとしてinjestすることが出来る可能性もあったりと、実にさまざまなメリットがある。
あとこのブログを始めてから自分が知らないタイプのエンジニアと出会えたのも素晴らしい効果である。
ちなみに何かしらのリアクションをしてくれた人に対しては基本全員フォローを行なっているが、これはリアクションしてくれたことに対する感謝と、フォローリストに追加することで様々なタイプのエンジニアの動向をZennの機能的に追いやすいからという理由だけなので邪推しないで欲しい。
(ブラウザの検証ツールでHTMLを解析してみたが、被リンク送っているわけではなさそうだったので、フォローしても全く損はないという現実的な判断をしたことは内緒である)
おわり
以上で当ブログに関する様々なデータが得られたかと思われる。
上記理由よりインフラプロジェクトの完成は何があってもやり遂げるが、その先のことは正直自分もまだ分からない状態である。
フロントのe2eテストのプロジェクトサンプルとか、トレードシステムベースのサーバサイドのe2eテストの実装方法とか、MLのe2eとかやりたいことは山ほどあるが、ブログを書くことによって休日どころか深夜に酒を飲みながら文章とコードを書く以外休み時間がほぼない生活をメリットも無く続けるのはやはり難しい。
とりあえずSEO的には6ヶ月目も本格化が始まる重要なタイミングとなっているので、その時まではしっかりこのブログの運営を全力で行なっていくつもりだが、他にやりたいこともあるのでそれ以降の投稿頻度は読者熱量連動型にする予定であると伏線を張っておきたい。
そして次回はようやくインフラに戻って、ついに完成したTerraform Testに対応したCI/CDの実装について説明しようと思っている。
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