初対面の6人が48時間でゲームを完成させた話。
完成した!やった!完!ではなく次回のゲームジャムではもっと良い成果を出せるように振り返ります。
完成したゲームはここであそべます。
今回の個人目標
・プロジェクトマネジメントをしっかりやる
・ゲームを完成させる
・ゲームをリリースする
・プログラミングをあまりしない
感想
今回も今までに引き続き運が良かった。自分以外のメンバーが学生のみだったが、全体的に自分から見ると非常に良いチームであったと思う。
チームについて
メンバー
役割
ざっくりこんな感じ。
あと書いてないけど自分以外全員がゲームデザインまわりの勉強もしている。
メンバー全体が一つの完成を目指すという目標に向かって貢献した。
中には自信があったり納得行ってなかったりきっとあるし、差もあると感じてたと思うしそういう言葉も聞いた気がするけど、全員が取り組んだのでこの完成形だった。
誰か一人がかけていると大きく成果が欠けた結果になっただろうというのは想像に容易い危うさを内包しつつ、最終的には胸を張って自慢して良いプロジェクトでありチームだったと思う。
また、それぞれが足りないところを補うような立ち振舞ができていたのもとても良かった。
特に良かった事
・誰もメンバーを責めない
・メンバーが困っている時にすぐ相談に乗って問題解決を手伝う
・困ったら言って良いという空気感(があったと自分は思っている)
・心理的安全性がとても高い状態であった。
・ただし筆者はメンバーより立場的にも年齢的にも少し通し位置に居たので一方的にそう見えていただけかもしれない。ただ、困ったら聞く、助け合うが非常に多く行われていて困った事を誰も責めないし、なんなら聞いてくれてありがとうくらいの雰囲気が出ていたのは実感としてとても強くある。
今回つくったゲームについて
テーマ「Duality」
企画ぎめの流れ
ざっくり
・ブレスト
・仕様決め
ブレスト
今回は二元性というより対比っぽい内容が多いブレストになった。
良かったこと
・みんなのを順番にたどっていった中でメンバーがリアクションをしてくれた。
・ガリガリ・ムキムキの時に手と足がそばに置いてあったのも非常に良く作用した。
・ガリガリ→ムキムキの設定に風船というアイディアが出たこと(これが後の仕様にとても影響してくる)
ここで企画に対しての流れが出来るかどうかでその後のスケジュールも変わってくる。
今回はたまたまその流れができたので非常にスムーズに行った。
仕様決め
この時点でかなり完成形の仕様に近いものになっている(ここは1日目以外でメンテしてない)
良かったこと
それぞれが理性的・建設的に議論しながら進められた。
アイディアを出す→それについて良いと思ったら良い!懸念があったら懸念を言うみたいな感じでとても良い状態を維持できた。
あとギャグ感というかバカゲー感という方向性に対してメンバーがこの時点で合意できたのもとても良かった。
これに合意できたことでちょっと突飛な仕様についてもしっかり議論・検討できたし、バカゲーだしこういう方向も面白いよね!と全体の仕様に対しての方向性もある程度一致していたと思う
タスクだし・画面要件出し・用語出し
1日目の全体スケジュールはこんな感じ
画面要件だし
全体で俺たちはどんな画面を実装するんだ?を話した。
大きくぶれてないと思う。
また、参考になるゲーム画面とかを持ってきて(というか過去に自分が作ったものを例示した)
各画面で何ができるとかそういうのを話しつつ。こういうのあったらいいかも?とかも話した。
タスク出し
タスクだしで気をつけたこと
タスクに分類を作って付箋の色分けをした。
書き方についてできるだけ曖昧にしないように気をつけた。
また、これによってどの画面に何が必要なのか?とかそういうのが可視化されて、タスクに取り組みやすくなったし、後半もあれ?ここ誰も何もやって無くね?っていうのがわかりやすかった。
改めて振り返るとこのタスク一覧を出した事で誰もが現状把握出来るようになっていたし、そこからあそこって終わってる?といったような会話のきっかけにもなっていたと思う。
チーム全体がプロジェクトの進捗に対して関心を持てるようになっていた気がする。
用語出し
俺たちは同じ言葉を使っているが同じものを想像していないという話をした上で用語があったら書き出してもらった(2日目の前半くらいまではメンテしてた)
個人的にはこれがとても重要だった。
なぜなら同じ言葉だとしてもそのイメージは違うし、もっというとこの時点ではみんな作るゲームのイメージがバラバラだったと思う。
具体的には2Dプラットフォーマーだけどそれぞれのゲーム体験に依存したイメージ担ってたはず。
例えばマリオ・ロックマン・メトロイド・悪魔城ドラキュラ・ホロウナイト・ジャンプナイトとかそれくらいの差が絶対にあったと思う。思うので今多分こんな感じでみんなのイメージが違うと思うから出来る限り一致させていこうとした。
ここが一致していない場合全員の作業はそれぞれの思い描いたものへと自然に行くので後半のブレが大きくなる。
1日目に気をつけたこと
とにかく企画をこの1日目で詰め切りたかった。
企画が2日目に伸びる事は過去の体験から時間の損失がとても多い。その事について一番先に共有した。
具体的にはこんな感じで自分は進行していた(マネジメント欄)
やったことはこんな感じだけど気をつけていたのは、プロジェクトとして進行しているかどうか?みたいなところ
ちなみに状況確認では次の事をしていた。
・現状のorigin/mainの状態を画面共有してみんなで確認
・タスクボードの更新依頼
・残タスクをみんなで確認
・今後のスケジュールの共有
・今後の開発方針の決定と共有
みんなの手を止める事になってしまうが今回は重要なので行った。
また、予め開発スケジュールについても共有していた。
余談:いつものゲームジャムとの違いとマネジメント以外
自分は基本プレイヤーとして参加していて、実装がメインだったんだけどそれだと進行を見れないしゲームジャムで進行を見る人が居ないとプロジェクトが破綻する確率が上がるので今回はそこに注力した(現在のしごとがその辺のしごとなのもある)
ただ何も実装しないというわけじゃなくて先回りして必要なものとかを作っていた。
例えばステージのデータをどうもつのかを決めたり音を鳴らせる仕組みを作っておいたり
グラフィック素材をとりあえず作ったり、息抜きにシェーダー書いたり、作曲したりしてた。
なので今回のゲームのBGMは全部えんぺるのお手製です。iPadでポチポチしました。
2日目・3日目
チームメンバーがめっちゃがんばったので自分はサポートしたり少しプログラミングしたりしてたら完成しました。やったね!
実際には1日目にこれだけやると2日目はやる気あるメンバーが居るなら自走する。
なのでマネジメント面としてはタスク状況の確認とか方針決めとかそういうところでみんなが目的地に向かって自走できるようにガイドを出すことだけだったと思う。
3日目についてはバグ直しとかしつつ広報系のタスクを自分がやってたので余裕はなかったけど自走していたので問題なかった。
また、プレゼンについてはMIRO上に作ってMIROでプレゼンした。
MIROにプレゼン資料が残るし、資料に手間をかけなくても良い為。
(なおこのMIROでプレゼンをするのは同僚が社内勉強会でやっていたので真似した)
イベントが終わりまして改めて
今回達成したかったことは、ゲームを完成させること。プログラマーがメインの役割にならないこと。そして今までのゲームジャムで達成出来なかったけど今回達成出来た事として、何もしないメンバーをつくらないことでした。
何もしないメンバーをつくらないというのはとてもむずかしい。
特に自分自身が主体性をもって開発をしてしまうと後半になるにつれてどうしても放置せざるを得ない。
それが今までのゲームジャムでの悩みであり、超えなくてはならない個人的な課題でした。
今回幸いにも主体性のあるメンバーに恵まれてそれが達成出来たことは何より喜ばしいですし、この10年ほどのゲームジャム人生において一つ集大成と思えるプロジェクトになったと思います。
ゲームを完成させるという事
これはゲームジャムにおいて、どう着地させるのか?と自分は定義しています。
完成というのは難しいですよね。48時間前の自分たちが夢想したものはこんなゲームじゃない!なんてなかなか言えないけど思った人も経験した人も多かったと思います。
中には未完成で終わってしまったという記憶が焼き付いた人も居るのではないかと思います。
ゲームを完成させたいですとGGJで言うようになって何年かはわかりませんが、ゲームジャムで完成を何度もさせた身としてプロジェクトマネジメントが非常に重要です。
このチームは何を目指して、どう着地していくのか?そういったものが無い状態やそもそも完成形のイメージが違う場合はそれを同じもの・同じ向きに変えていく必要があります。
もちろん強力なマンパワーによって完成することもできます。
しかし、自分はそれだとやはりチームとしての成功になりうるか?という後悔が何度もありました。
なので今回はプログラミングをサブとしてプロジェクトマネジメントに挑みました。
結果としてチームメンバーの誰もが貢献をしたうえにゲームも完成することができました。
最も、彼らであれば自分がいなくともなんとかなっていたとは思えますが、ここは調子に乗って起きます。
ゲームジャムにおいて最も難しいと思うこと
それは仲間を信頼することだと思います。
初対面の人を信頼して任せるってすごく難しいですよね。実際にゲームジャムでゲームは完成できるが仲間を信頼できない人というのは多いのではないでしょうか?
自分もそうですし、完成を目標にしているので自分だけが稼働してもなんとかなるようにいつも調整したりしています。
しかし、今回の自分はここに立ち向かう必要がありました。
なぜなら自分はメインでプログラムを書かないと決めていました。GGJを完成で終えたい自分にとってここはトレードオフになります。
メンバーを信頼して任せる。そしてなにかあった時にフォローする為にやったこと。
これは1日目にやったことがそのすべてです。
1日目の限られた時間の中で、メンバーの反応を見つつできそうか?できなさそうか?
ゲームに何が必要なのか?ボリューム感は?
出来る限り想像した完成形の解像度を上げるために、取り組みました。
そして、何かアレば自分が実装すればいいというところはありつつ、なにか困ったら聞いてほしいし質問があったら相談してくれてありがとうと感謝を伝えるという事もしました。
質問する時は申し訳ないと思う人も多いです。個人間であれば確かに相手にコストをかけさせるのは申し訳ないかもしれません。
ですがチームとなれば別です。個人がどう思ってるかとかどうでも良くて、プロジェクトとして速度を出すためにはなにかで困ったならすぐ聞いて、問題を解決する事が求められます。
そしてその質問が実は聞きたかった人の助けになったりしますし、そういったあれ?これおかしくない?とかこれってどうやるの?とかそういった疑問をチーム内で相談しやすい空気感を作ると思います。たぶん。
もちろん今回のメンバーがそういった素養があり、自分はそれに助けられたということではあるんですが、そういった気遣いをできたのはマネジメントに役割を変えたことで出来た事だと思います。
何かあった時にフォローするには、結局なにかあったら報告してもらう。そして報告しやすい空気づくりとフォローする余裕がないと出来ないんだなと改めて今回実感しました。
次回に向けて
とりあえず今回の事をがんばって残していきます。
面倒な部分とかもっと詳細に同人誌に書くかもしれませんがここに書いてあることがだいたいすべてです。
すべてなのですがもし気になる事あったら反応もらえたら追記するかもです。
次回も引き続きこのロールで取り組みたいと思いますが、メンバー運次第ですね。がんばりましょう。
それではGGJ2022お疲れさまでした。GG!
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