生成AI時代に何をどう学ぶべきか?
近年、生成AIの進化と普及は目覚ましく、ITエンジニアの学び方や働き方にも大きな変化をもたらしています。AIによってコードが自動生成され、エディターと連携して開発作業が効率化されるなど、開発支援ツールは日々進化しています。
こうした中で「最先端のAIの使い方をマスターしなければならない」「AIを100%使いこなさないと取り残されるのではないか」と感じることも多くなってきました。ですが、本当にそれだけで良いのでしょうか?
この記事では、AIの時代においてITエンジニアが何をどのように学んでいくべきか、自分の状況をベースに考えたことを整理してみたいと思います。
生成AIの進化がもたらす焦りと課題
生成AIは非常に速いスピードで進化しています。できることはどんどん増え、ツールも多様化しています。ネットやSNSでは「こんなふうにAIを開発に使える」といったノウハウやTipsが日々共有されており、見ていると「自分ももっとAIを使いこなさないと」と焦る気持ちになることがあります。
しかし実際のところ、AIツールの情報や使い方をすべてキャッチアップしていくのは非常に難しいです。私自身も、すべての新しいツールを試したり、常に最新の情報を追いかけたりすることはできていません。
忘れてはいけない「エンジニアリングの本質的な学び」
AIの進化とともに注目されるプロンプトエンジニアリングやツールの活用テクニックは、確かに役立つものです。しかし、そればかりに時間を使ってしまうと、本来大切にすべきITやエンジニアリングの基本的な知識、考え方、設計力といった部分の学びが疎かになってしまいます。
- 品質の高いコードの書き方や設計パターン
- ソフトウェアアーキテクチャの考え方
- ネットワーク、インフラ、セキュリティの基礎
- クラウドやコンテナなどの実践知識
- エンジニアリングをビジネス価値にどう繋げていくか
- etc...
これらは今後もエンジニアにとって重要な知識ですし、 まだまだ学びきれていないことが途方もなくたくさんあります。
AIの使い方ばかりを追いかけていると、こうした学びの時間が削られてしまいかねません。
AIを使いこなすには、基礎力が必要
AIは非常に優れたツールですが、それを使いこなすには人間側の知識と判断力が必要です。AIがどんなに正確にコードを生成しても、それが正しいか、安全か、保守性があるかを判断するのは人間の役割です。
また、AIに適切な指示を出すためには、前提としてエンジニアリングの知識が求められます。
知識がなければ、曖昧な指示しかできず、AIが返す成果物の質も低下してしまいます。
さらに、生成されたコードがエラーを含んでいたり、技術的負債になり得る設計だったりする場合もあります。そうした問題に気づくためにも、やはりエンジニアとしての基本的な力が必要だと思います。
AIを「学びのツール」として使うという視点
AIは、エンジニアリングを学ぶための道具としては非常に有用です。
わからないことを質問すればすぐに答えてくれますし、学びの補助ツールとして非常に優れています。
ただし、ここでも「AIをどう使って学ぶか」ばかりに気を取られてしまうと、本来の目的である「学ぶこと」から離れてしまう恐れもあります。
使い方のテクニックにばかりこだわるのではなく、自分なりのスタイルを見つけて、AIをうまく学びの補助に活用することが大切です。
非エンジニアでも成果を出せる時代だからこそ
生成AIの登場により、非エンジニアでない人も簡単に成果物を作れるようになってきています。
しかし、成果物の良し悪しを評価したり、実運用に耐えるコードを設計したりするには、やはりエンジニアリングの知識が欠かせません。
AIが「作業」を代替する時代になるからこそ、人間にはより抽象的で本質的な「判断」や「設計」「目的の明確化」といった役割が求められるようになると考えています。
まとめ
AI時代において重要なのは、「AIを使えること」ではなく、「AIを使って価値あるものを作れること」です。
そのためには、AIに振り回されるのではなく、AIを活用する立場として、以下のようなバランス感覚を持つことが大切だと思います。
- AIの得意・不得意を理解し、上手く活用する
- エンジニアリングの基礎を怠らず学び続ける
- AIを「学ぶためのツール」として活用する
AIの進化によって、私たちの仕事は確実に変化しています。ですが、急激な変化に振り回されすぎず、本質的な学びを積み重ねていくことを今後も続けていこうと思いました。
おまけ:この記事について
今となってはこいうのもありふれた流れになってしまいましたが、この記事は音声入力で生成AIにアイデアを喋り倒してまとめてもらった文章をベースに30分もかからず書いています。
AIによってアウトプットのハードルは格段に下がりましたね。
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