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マネージャーとして知っておきたいストレス&モチベーション研究

2023/06/25に公開

対象とする読者

  • これからマネージャーになる人
  • チームのメンバーのモチベーションが上がらないと感じている人
  • 自分のモチベーションが上がらない状況を理解したい人

誰が書いているか

私はエンジニアリングマネージャーとして1年半従事しています。
それ以前は青年海外協力隊で2年間アフリカで学校教師をしておりました。
その前は教育学部でモチベーションなど教育心理学を学んでいました。

私自身モチベーションの上がり下がりやストレスを感じやすい人間で、2年間アフリカにいた際は慣れない異国の地で孤独に自分と向き合うことが多かったため、ストレスとモチベーションについて考えることが多くありました。そういった経験と理論を踏まえて自分が最低限覚えておいた方がいいと思うストレスとモチベーションについての研究をご紹介します。

要点

  • 満足度を高める方法、不満足を解消する方法は別々に実施が必要(ハーズバーグの二要因理論)
  • 要求が高すぎる&裁量やサポートが少なすぎるはダメ (カラセックの仕事の要求度-コントロールモデル)
  • 仕事とはいえ感情面も大事 (マネジャーの最も大切な仕事95%の人が見過ごす「小さな進捗」の力 )
  • 最も大事なのは重要な仕事の小さな進捗 (マネジャーの最も大切な仕事95%の人が見過ごす「小さな進捗」の力 )

満足度を高める方法、不満足を解消する方法は別々に実施が必要

ハーズバーグの二要因理論で知られるモチベを上げる要因と下げる要因は全く別という理論です。
例えばあなたがマネージャーとして、メンバーに大きな成長機会を与え、しっかりサポートし、達成感を与えても、給料の低さに起因する不満を減らすことはできないといったことです。逆に給料を上げて不満を解消したとしても、成長機会が与えられず手応えのない仕事をさせていると満足度は上がらないということです。
ハーズバーグは満足感を得ている人がその理由に仕事そのものや成長、人からの評価をあげるのに対して、不満な人がその理由としてあげるのが職場の空気や給与、人間関係といった別の要因を上げることから、ゼロからプラスへと転じていくのとマイナスをゼロにするのはそれぞれで実施が必要ということです。

要求が高すぎる&裁量やサポートが少なすぎるはダメ

カラセックの仕事の要求度-コントロールモデルとして知られているのは、適切な要求度(難易度)と適切な裁量・リソースがあり、実際に手応えを感じることができている状態が最も望ましいということです。

要求していることが高いのに裁量・リソースが十分でないと、高ストレス状態になって真面目な人は頑張ってみるものの燃え尽きてしまう可能性があります。しかし要求を下げ過ぎてしまうと受動的になってしまう傾向があるようです。では要求をさげて裁量・リソースを十分にすると、低ストレスではあるものの、モチベーションは上がりにくいようです。

要求度 裁量・リソース 結果
高い 十分 能動的になる
高い 不十分 高ストレス
低い 十分 低ストレス
低い 不十分 受動的になる

仕事とはいえ感情面も大事

ビジネスでは軽視されがちですが、感情も大事な要素です。
私の経験ベースではあるのですが、理解が得られるだろう感情を素朴に共有することは味方を作りますし、共有できる場を作ることは未然にプロジェクトのリスクを可視化することに役立ちます。大事にしたいプロジェクト、大事にしたい顧客にこそ、自分の素の感情を共有して信頼を築く方が長く続くと思います。
また、マネジャーの最も大切な仕事95%の人が見過ごす「小さな進捗」の力という書籍で、楽しく仕事ができるかどうかは「認識」「感情」「モチベーション」の3要素が互いに関係しながら決まると書かれていますが、確かに役割や目標の認識がしっかりできていて人からの評価や給料、成長機会などモチベーションが高くなりうる環境が与えられていたとしても、もし足元で折衝している顧客が絶対的に嫌な人間性だったらやめたくなる気がするので、感情はないがしろにはできないと思いますね。

最も大事なのは重要な仕事の小さな進捗

再びマネジャーの最も大切な仕事95%の人が見過ごす「小さな進捗」の力という書籍からの引用ですが、いろいろ理論はあれどシンプルに「自分が重要だと思っている進捗が出続けていること」こそが一番のモチベーションになるというのは、その通りだと思います。私においては、仕事上の進捗もそうですが、人生において「人として成長したい」とか「自分の生きた意味を残したい」とか仕事を超えたところに重要な進捗があって、仕事がそこにつながっているということがモチベーションに繋がるので、仕事上に限定せず広く自分の重要な進捗について話せるチームがあるといいなと思います。

参考文献:
マネジャーの最も大切な仕事95%の人が見過ごす「小さな進捗」の力
www.amazon.co.jp/dp/4862762409

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