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Zenn本の一文字あたりの価格相場

2024/10/02に公開

Zennで本を書いてみて、まず悩んだのが「価格設定」です。価格はある程度自由に決められるものの、具体的な基準がないと悩ましいところです。特に、文章量が多いほど書くのに労力がかかるため、価格も高くなるのではないかと考えました。そこで、実際にZennに公開されている書籍の文字数と価格を調査してみました。

データ収集方法

Zennに公開されている書籍のうち、文字数と価格がともに0でないものを対象に調査しました。文章量は「約○○○文字」として記載されている数値をそのまま使用しています。調査対象は626冊でした。

価格の分布

まず、価格の分布を確認しました。ヒストグラムで表すと、500円付近と1000円付近に多くの書籍が集中していることがわかります。Zennの最低価格が200円であるため、200〜300円の価格帯に多くの書籍が集まっていることも確認できました。

平均価格は約986円、中央値は500円でした。

一文字あたりの価格

次に、各書籍の一文字あたりの価格を計算しました。以下はそのヒストグラムです。横軸は対数スケールです。

中央値は0.018円/文字でした。つまり、1000文字あたり18円が一つの基準となりそうです。

相場の変化

さらに、この相場が時間的に変化しているのかも調べました。公開日を横軸に、一文字あたりの価格の推移を示すグラフを作成しました。

グラフを見る限り、時期に関係なく、0.018円/文字を中心に同程度のばらつきが見られ、特に大きな変化はないようです。安定した相場として活用できそうです。

価格設定の背景

価格帯が500円や1000円といった区切りの良い値に集中しているということは、一文字あたりの価格を意識して設定している人は少ないと考えられます。

実際に、下図のように文章量と価格の相関を見ると、文章量が多くなるほど一文字あたりの価格が低くなる傾向が見られます。

もしも、著者が一文字あたりの価格を固定して、一文字あたりの価格x文章量で価格を決定しているのであれば、このような相関は見られないはずです。

そのため、実際には

  • 価格を先に決めて、その後に書かれた文章量が結果的に一文字あたりの価格を決定している
  • あるいは、文章量が多いほど、一文字あたりの価格を値引きして価格を決定している

のだと推察されます。

まとめ

Zennで公開されている書籍の価格と文字数を調査した結果、一文字あたりの価格は0.018円が相場で、時期にかかわらず安定していることがわかりました。

価格設定においては500円や1000円といった区切りの良い値が選ばれやすいですが、一文字あたりの価格も意識して設定してみるのも良いかもしれません。

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