ChatGPTに要件定義を手伝ってもらった
はじめに
ChatGPTを使ってエンジニアの仕事を楽にする研究をしています。
「要件定義をやらせてみると意外とできるのでは?」 と思い立ったので、さっそくChatGPTに手伝ってもらいました。
ChatGPTの精度を上げるプロンプト技術はいろいろありますが、今回は気にせずに通常の会話で成立するようなやりとりにしています。
通常の会話でここまでできました。
ChatGPTと要件定義
テーマ設定
インフラ屋なので、業務寄りのことは疎いですが、社会人としては馴染みのある勤怠システムをテーマにしてみました。
今回は、勤怠システム刷新プロジェクトの要件定義をChatGPTに手伝ってもらいます。
要件定義の準備開始
まずは要件定義を進めてもらいましょう。
勤怠システムの刷新をしています。SIerの要件定義をしてもらえますか?
いきなり、上述のとおり「要件定義をしてもらえますか?」と無茶ぶりしてみました。
さすがChatGPTですねー
何の迷いもなく答えてくれました。
勤怠システムを開発したことがないので、内容の良し悪しはわかりませんが、なかなかツボを押さえているのではないでしょうか。
そもそも、「要件定義」という用語が通じてること自体驚きでした。
若手社員が、上司から同じように指示されても、ここまで一瞬でアウトプットは無いと思います。
おそらく1日、2日たったあとに、「相談させてください」と言ってくるのが妥当なところではないでしょうか。
仮に少し放置してたら、1週間くらい質問も相談もしてこないで、進捗を確認したら「何からやればいいですか?」と初めて聞いてくる強者も中にはいることでしょう。
人間の場合、「要件定義って何?」からレクチャーする必要があります。
さて、ChatGPTが回答してくれたのは一般論ですので、実際は顧客の要件を定義しなければいけません。
進め方はプロジェクトやプロマネの裁量次第でいろいろあると思いますが、顧客の要件を聞き出す必要があります。
そこでSIerから聞きたいことをChatGPTにまとめてもらいましょう。
ありがとうございます。
次にユーザ企業の情報システム部門へヒアリングをしなければいけません。
表形式のヒアリングシートにまとめてもらえますか?
ChatGPTがヒアリングしたいことをまとめてくれました。
特に当たり障りなく普通な回答ですね。
ChatGPTの実力がわかってからは、この程度では驚かなくなってきました。
しかし、ここで1つポイントがあります。
「現行システム」について、ヒアリングしようとしてる点です。
課題も聞き出そうともしてますね。
僕からは「現行システム」について何もリクエストは伝えていませんが、一番最初の「刷新」という言葉だけで、ChatGPTはここまで理解して回答してくれるのです。
(実際は、「理解」というより学習したデータから導き出して出してるだけですが、まるで理解しているように思えてしまうのがChatGPTの凄さです)
ところで、要件定義の前に、プロジェクト計画はどうなってるのでしょうか?
計画はプロジェクト開始前にまとめておかないといけないですね。
計画もChatGPTにお願いしてみましょう。
ありがとうございます。
この「勤怠システム刷新プロジェクト」のプロジェクトマネジメントをしなければいけません。
まずはプロジェクト計画のたたき台を作ってもらえますか?
はい。この無茶ぶりに対してもChatGPTは動じることなるスラスラと回答してくれました。
スコープ、予算、スケジュール、リスク管理など、ポイントは押さえているようです。
内容は薄っぺらいですが、これが数秒でアウトプットしてくれることを考えると、過去の資料をあっちこっち探している間にChatGPTがアウトラインくらい示してくれそうですね。
とにかく、何でもスピードは重要です。
遅くてアウトプットが無いのが一番ダメですから。
要件定義書の作成
そろそろ、要件定義書をまとめていくことにしましょう。
通常なら過去の案件の資料見ながら、「今回はどんな感じに書いていこうかなー」と考えるところですが、僕たちにはChatGPTがいます。
ChatGPTにお願いしてみましょう。
ありがとうございます。
いったんここまでで、今回の勤怠システム刷新プロジェクトの要件定義書を作成してくれますか?
~ 途中省略 ~
~ 途中省略 ~
~ 途中省略 ~
~ そこそこ長いのでところどころやりとりは省略しています。 ~
どうでしょうか。
目次レベルではなかなかではないでしょうか?
少なくともまったく要件定義書を作成した人にお願いするよりは、はるかにアウトプット量は多いはずです。
繰り返しになりますが、スピードが重要です。
数秒でこのレベルのアウトプットがあれば、間違った内容だったり、内容が薄くても、
「しょせんはチャットボットだから仕方ないなー」
と納得できるので、特に困ることはありません。
壁打ち相手にもちょうどよいかもしれません。
まとめ
今回は、ChatGPTが要件定義でも手助けしてくれるのかどうかを検証してみました。
実際にSIで活用する場合は十分注意が必要ですが、ライトな社内システムの更新だとか、要件定義書を作るまでもないけど、少し記録として資料は残しておきたい。というレベルの案件にはさっと使えそうです。
とにかく一瞬で回答してくるのでスピードが圧倒的です。
内容が適当でも、スピードが速ければ人間が手直しする時間も十分とれるので、抜け漏れやヒントを教えてくれるだけでもかなり役立ちます。
ChatGPTはGPT-3.5相当のものをチューニングしているといわれています。
今後、GPT-4がリリースされる予定ですが、今後もAIの使い方を研究していこうと思います。
その他
ChatGPTの始め方、応用事例は以下のKindle本にまとめました。
ChatGPTを使ったことが無い人向けです。
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