HaritoraX完全に理解した
VR 生活には欠かせない、フルトラ環境を実現
トラッキングデバイスの一種である「HaritoraX」を手に入れて完全に理解した[1]ので、簡易レビューを書き残しておきます。
HaritoraX(ハリトラックス) は、Haritora 開発者の izm氏と株式会社 Shiftall が共同開発した、腰や足の動きを検知してくれるモーショントラッキングデバイスです。
Oculus Quest 2 などのスタンドアローン型 HMD と組み合わせることで、PC とワイヤレス接続で全身モーショントラッキング(いわゆるフルトラ)を実現することができます。
動作確認済み VR ヘッドセット |
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Oculus Quest, Quest2, Rift S, VIVE(初代), VIVE Pro, VIVE Cosmos, 富士通 FMVHDS1, Valve index |
一般的なフルトラ環境を整えるには、ベースステーションや、VIVE トラッカーなどの機器を個別で購入する必要があり、地味に面倒かつそれなりのコストも掛かります。
HaritoraX の場合は、ベースステーション不要。腰、膝上 ×2、膝下 ×2 のユニットがセットになっており、価格も 3 万円以下 (2021 年 10 月出荷分は 税込み 27,900 円)でフルトラ環境を構築することができます。
PC との接続は Bluetooth ワイヤレス接続。内蔵バッテリー搭載で、連続 10 時間駆動。USB Type-C で充電できるので、モバイルバッテリー等を接続して駆動時間を伸ばしたり、USB 電源アダプタからの供給を行えば事実上無制限の連続駆動も可能です。
SteamVR 対応のため、VRChat、Cluster、Virtual Motion Capture といった様々な VR アプリで使用できます。
動作確認済み VR アプリケーション |
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VRChat, NeosVR, VirtualCast, Virtual Motion Capture, cluster, ChilloutVR |
すごい。
専用スーツの組み立て
組み立てを含めたセットアップ手順は、公式オンラインマニュアルを参照します。解説動画もあるので、これらを見ながら進めていきます。
HaritoraX の構成部品は以下のとおり。
- メインユニット
- サブユニット膝上用 2 個
- サブユニット膝下用 2 個
- 接続ケーブル 4 本
- 専用スーツ 1 式(組み立て式)
- USB ケーブル
メインユニット、サブユニットそれぞれの固定用パッドを取り付けます。
各ユニットにベルトを取り付け、接続ケーブル保護用ストラップをベルトアジャスターに通していきます。
各ユニットを接続ケーブル(LAN ケーブル)でつなぎます。
ケーブルクリップや固定用テープで接続ケーブルを固定して完成。
装着
身体への装着も動画を見ながらやります。
はい。完全に V の者って感じですね。
Bluetooth ペアリング
続いて PC とのペアリングです。通信方式は Bluetooth 4.2 規格に準拠。動作確認済みアダプターとして、TP-Link UB400、TP-Link UB4A の使用が推奨されています。
メインユニットの電源を入れて、PC とペアリングします。
ペアリングを手順どおりに進めていたものの「PC が HaritoraX を全然認識してくれない…」と悪銭苦闘していたら、ユニットの向きを上下逆に接続していました。
トラブルシューティングにすら載っていないめちゃくちゃ初歩的なミスで、大変お恥ずかしい…
ソフトウェアの設定
Steam、Steam VR に加えて、姿勢推定アプリ「Haritora Configurator」を導入します。こちらもチュートリアル動画を見ながら進めれば大丈夫です。
使用する機種として HaritoraX を選択。
プロダクトコードを入力し、ドライバのインストール等行なっていきます。
Steam VR 上で、HaritoraX がトラッカーとして認識されていれば OK です。
キャリブレーション
最後に Haritora Configurator でキャリブレーションを行います。起動時は画面のマネキンの身体がえらいこっちゃになってます。
画面の指示どおりに姿勢を保ち、キャリブレーションを調整。
マネキンが自分の身体の動きにシンクロするようになれば完了です。
やったぜ。
VRChat で使ってみた
試しに VRChat 内で使ってみた動画を貼っておきます。
座ったり寝転がったりすると、地面と足の接地面や挙動が怪しくなるケースもありましたが「アバター自体がフルトラ適正になっているか」によっても動きが左右される模様です。
また、しばらく使用していると徐々に精度のズレが生じてきます。必要に応じてクイックキャリブレーションで再調整しましょう。
足首の動きも反映されるように
2021 年 11 月 24 日のアップデートにて、足首の動きも検知できるようになりました。
発売後もトラッキング精度の向上や機能拡張が行われるというのは、大変素晴らしいですね。
まとめ
これまでフルトラ環境の導入には「ベースステーションの設置考慮」や「デバイス一式を揃えるコスト」などのハードルの高さを感じていました。HaritoraX であれば比較的安価かつ手軽にフルトラを実現できるので、個人的には買ってよかったと感じています。
VR 空間内のアバターに、自分の足腰の動きが再現される感覚は感動モノです。またひとつ、新しい世界の扉が開きました!
SteamVR Pluginを使えば Unity 上でトラッキングを行うことも出来るようなので、そのうち試してみたいと思います。
VR 関連の機器を購入していくと、様々な動きを試したくなるわけですが…
最終的には「とにかく広い部屋が欲しくなる」という結論に至りますねw
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