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HTTPステータスコード 完全に理解した
はじめに
本記事は『完全に理解した人達の「Web技術」Talk #2』にてLT発表させていただいた「HTTPステータスコード 完全に理解した」スライドの内容を書き起こしたものになります。
「HTTPステータスコードとは、そもそもなんぞや?」という話や、代表的なステータスコードについてまとめています。
主にサーバ/クライアント間でAPIを扱う方々に、HTTPステータスコードについてザックリ概要を把握してもえれば幸いです。
※内容に誤りがあったり、実態と異なる場合はコメントいただけると助かります。また、実運用での使用例などもコメントいただけるとなお嬉しいです。よろしくお願いいたします。
HTTPステータスコードとは
- 厳密にはHTTPレスポンスのステータスコード
- サーバからのレスポンスの意味を表す3桁の数字コードのこと
- 特定のHTTPリクエストが正常に完了したかを示す
HTTPレスポンス
レスポンスメッセージは大きく3種類の情報に分けられる。
ステータスライン |
---|
HTTPレスポンスヘッダ |
HTTPレスポンスボディ |
ステータスコードはヘッダ1行目
ステータスコードはヘッダ1行目のステータスライン中に入っている。
HTTP/1.1 200 OK
Date: Sat, 22 Feb 2020 08:09:30 GMT
Content-Type: application/json; charset=utf-8
Connection: keep-alive
Server: nginx
ETag: "e287c729017cc9785487098b6b103af6"
Cache-Control: max-age=0, private, must-revalidate
X-UA-Compatible: IE=Edge,chrome=1
X-Runtime: 0.003487
ステータスラインには、今回取り上げるステータスコードの他、プロトコル、テキストフレーズが含まれる。
HTTP/1.1 200 OK
- プロトコル:
HTTP/1.1
- ステータスコード:
200
- テキストフレーズ:
OK
ヘッダはさらに細分化されるが、今回は割愛。
画像引用:HTTP のメッセージ - HTTP | MDN
ステータスコードは大きく5つのクラスに分類される
- 100番台 🧐情報レスポンス
- 200番台 😊成功レスポンス
- 300番台 😏リダイレクト
- 400番台 😫クライアントエラー
- 500番台 😇サーバエラー
以下、代表的なステータスコードの概要を抜粋。
100番台 🧐情報レスポンス
- 処理が継続していることを示す
- クライアントはそのままリクエストを継続するか、サーバーの指示に従ってプロトコルをアップデートして再送信する
- HTTP/1.0規約に1xx番号の定義がないため、100番台はあまり利用されない
100 Continue
サーバがリクエストの受信をし拒否していない。クライアントはリクエストを継続できる
101 Switching Protocols
サーバはプロトコルの切り替えを要求している
200番台 😊成功レスポンス
200 OK
- 成功時に返すステータスコードとして最も多用される
- リクエストした処理が成功、指定したデータの取得に成功
- GET:ボディにリソースが含まれる
- PUT, POST:ボディに処理結果が含まれる
201 Created
- POST, PUT:リクエストが成功しリソースが作成された
- POSTの場合はレスポンスのLocationヘッダにURIが入る
- ユーザー新規登録、画像アップロード、DBのテーブル追加など
- ボディには新しく作成したリソースを入れることが多いが、特に何も入れなくても良い
202 Accepted
- リクエストは受理されたが、まだ処理が完了していない
- ファイル形式の変換やプッシュ通知のリクエスト、バッチ処理など、サーバ側で非同期に行う処理がある場合に返す
204 No Content
- レスポンスボディが空のときに返す
- DELETEでデータ削除を行った際に返す
- POSTでフォーム内容を送信したが画面更新がない場合
- PUTやPATCHで正しくデータ更新された場合
- DELETE以外ではあまり使うべきではないという意見もある
205 Reset Content
- ユーザーエージェントの画面をリセットする場合に返される
- 204と同じくレスポンスボディはなし
300番台 😏リダイレクト
300 Multiple Choices
- リクエストに対して複数のレスポンスがあることを示す
- 選択肢へリンクするHTMLが提示され、ユーザーエージェントやユーザーはそれらからひとつを選択する
301 Moved Permanently
- リクエストされたリソースのURLが恒久的に変更された
- Webサイトの移転や、HTTPからHTTPSへのリダイレクトなど
- Locationヘッダに移動先のURLが示される
302 Found
- リクエストされたリソースのURLが一時的に変更された
- Locationヘッダに移動先のURLが示される
- 実際は303の用途で使われることが多く、307として再定義されたため現在は推奨されていない
303 See Other
- リクエストされたリソースを別のURIで取得できることを示す
- Locationヘッダに移動先のURLが示される
- ブラウザのフォームからPOSTで処理を行ったレスポンスとして、結果画面にリダイレクトするときに使う
307 Temporary Redirect
- 一時的リダイレクト
- 302の規格外な使用法が横行したため再定義したもの
- Locationヘッダに移動先のURLが示される
- ユーザーエージェントは使用するHTTPメソッドを変更してはならない
308 Permanent Redirect
- 恒久的リダイレクト
- 301の規格外な使用法が横行したため再定義したもの
- Locationヘッダに移動先のURLが示される
- ユーザーエージェントは使用するHTTPメソッドを変更してはならない
400番台 😫クライアントエラー
400 Bad Request
- リクエストが不正
- 定義されていないメソッドを使ったり、パラメータに間違いがあるなど、クライアントのリクエストがおかしい場合
- ほかに適切なクライアントエラーを示すステータスコードがない場合にも用いる
401 Unauthorized
- 認証エラー
- ログインが必要なページでIDやパスワードを間違えた場合
- リクエストに必要なAuthorizationヘッダを含まない場合
- トークンが失効、破損しているなど不正な場合
403 Forbidden
- 認可エラー
- 許可されていないなどの理由でクライアントのアクセス権限がなく、サーバからのレスポンスが拒否された
- 特定のIPアドレスのみからアクセスできる場合などに用いる
- 401とは異なり、クライアントの識別はされている
404 Not Found
- リクエストされたリソースが存在しない
- Webで頻繁に見られる有名なエラーステータスコードのひとつ
- そもそもURI自体が存在しないのか、取得対象のリソースが存在しなかったのかなど、詳細情報を示す必要がある
- 許可されていないクライアントからリソースの存在を隠すため、 403の代わりに404を返すこともある
405 Method Not Allowed
- エンドポイントは存在するが許可されていないHTTPメソッド
- GETでアクセス可能な検索APIをPOSTで使用しようとした場合
- APIがリソースのDELETEを禁止している場合
408 Request Timeout
- 指定時間内にリクエストが完了しなかった
- Chrome、Firefoxなど、閲覧を高速化するためのHTTP事前接続機能を使用するブラウザでよく使用される
- 回線の接続速度が低下している場合などに発生
409 Conflict
- リソースの競合が発生した場合
- すでに存在するメールアドレスや同一IDのユーザー登録を行おうとした時
- 空ではないディレクトリを削除しようとしたり、リソースの名前をすでに他で使われているものに変更しようとした時など
410 Gone
- リクエストされたコンテンツがサーバから永久に削除され、転送先アドレスがない場合
- 404と違い「かつて存在していたが今はもう存在していない」ことを表す
- 期間限定のプロモーションサイトなどで利用することを意図している
- ユーザー情報を扱うAPIで410を返す仕様は、個人情報保護の観点から問題視される可能性もある(削除したという情報を保持している≒完全に削除されていない)
413 Payload Too Large
- リクエストヘッダ、ボディがサーバで定めている上限を超えていることを示す
- 許容サイズ以上のファイルアップロードが行われた時など
- サーバはコネクションを閉じるか、Retry-After ヘッダを返す
414 URI Too Long
- クライアントがリクエストしたURIが、サーバで扱える長さを超えている
- クエリパラメータに長過ぎるデータが指定された時など
415 Unsupported Media Type
- リクエストされたデータのメディア形式(Content-Type)にサーバーが対応しておらず、サーバがリクエストを拒否した
- JSONリクエストしか受け取れないAPIにXMLが送られた、サポートする画像形式以外の画像をアップロードしようとした時など
429 Too Many Requests
- アクセス回数が許容範囲の限界を超えた場合に返す
- 2012年にRFC6585で定義された新しいステータスコード
- 一定の時間内にレートリミットを超える大量のリクエストを送信した(例:1分間に60回などのAPIリクエスト制限)
500番台 😇サーバエラー
500 Internal Server Error
- サーバ側に何らかの異常が発生し正常なレスポンスが返せない
- 「何らかの異常が発生しました」的なエラーメッセージが返ることが多く、クライアント側では解決不能
- ほかに適切なエラーコードがない場合にも用いる
- サーバーのエラーログを見れば原因がわかるかも
502 Bad Gateway
- ゲートウェイまたはプロキシに問題が発生している
- ゲートウェイとして動作するサーバが無効なレスポンスを受け取った
503 Service Unavailable
- サーバがリクエストを処理する準備ができていない状態
- 一時的なアクセス集中やメンテナンスによりサーバがダウンしている
- メンテナンスの場合は、Retry-Afterヘッダに再開予定時期(およそ何秒後か)を含めることもできる
504 Gateway Timeout
- ゲートウェイとして動作するサーバが指定時間内にレスポンスを得られなかった
- サイト移行などによる一時的なDNS異常の場合も
505 HTTP Version Not Supported
- リクエストしたHTTPプロトコルのバージョンにサーバが対応していない
- 現在最新のプロトコルは
HTTP/2
HTTP/2 の概要 | Web Fundamentals | Google Developers
まとめ
- 🤗ステータスコードを意識した設計を行うことで、 サーバとクライアント間の開発がスムーズに進む
- 😂不適切なステータスコードを割り当ててしまうと、 クライアント側が混乱し、システム全体の挙動に支障をきたすことも…
- 😊ステータスコードを理解することで 、問題の切り分けや判断がしやすくなる
参考書籍
参考URL
前述の書籍情報は古くなっていることがあります。また、再定義されたり新たに追加されるステータスコードもあるため、RFC(Request for Comments)のドキュメントを参照するのが一番良いです。
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