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マテリアルの概念

2024/04/17に公開

マテリアルとは

マテリアルは、Unityにおいて3Dオブジェクトに外観や振る舞いを与えるための重要な概念です。
要するに、マテリアルはオブジェクトの見た目を決定します。
たとえば、オブジェクトがどんな色で描かれ、どんな質感を持つか、光がどのように反射されるかなどをマテリアルが決定します。

マテリアルは、通常、次のような要素を含んでいます。

  1. テクスチャ: 画像や写真のようなもので、オブジェクトに貼り付けられます。これにより、木材、金属、コンクリートなどの質感が与えられます。

  2. シェーダー: マテリアルの外観や振る舞いを決定するコードです。シェーダーは、オブジェクトが光をどのように反射し、影響されるかを制御します。

  3. : テクスチャやシェーダーによって生成される外観に加えて、単色での色指定も可能です。

  4. その他のプロパティ: 透明度、反射率、光沢など、他の外観プロパティも調整できます。

セットパス(SetPass)の概念

「Set Pass」は、グラフィックスレンダリングパイプラインの中で、特定のシェーダープログラムが実行される段階を指します。Unityにおけるレンダリングパイプラインは、3Dオブジェクトを画面上に描画するための一連の工程を指します。
これには、ジオメトリ処理、頂点シェーディング、フラグメントシェーディング、ピクセルレンダリングなどが含まれます。

Set Passは、特定のマテリアルが持つシェーダープログラムが、レンダリングパイプラインの中でどのステージで実行されるかを指定します。
通常、1つのマテリアルには複数のパス(Pass)があり、それぞれが異なるシェーダーを使用してオブジェクトをレンダリングする方法を指定します。
例えば、1つのマテリアルが反射をシミュレートするために1つのパスを持ち、別のパスが影を処理するために別のシェーダーを使用することがあります。

これにより、1つのオブジェクトに複数の外観や振る舞いを与えることができます。
Unityのマテリアルを使って作成されたシェーダーは、通常、デフォルトでいくつかのパスを持っていますが、ユーザーはこれをカスタマイズして追加のパスを定義することもできます。

Set Passが持つ値は、レンダリングパイプラインの効率やオブジェクトの外観に直接影響します。
特定のパスが選択されると、シェーダープログラムが実行され、オブジェクトがその外観に従ってレンダリングされます。これにより、オブジェクトの光沢、反射、影の処理など、さまざまな視覚効果を実現できます。

開発中に気をつけるべきポイント

Set Passを開発中に注意すべき点はいくつかあります。

  1. 性能の最適化: レンダリングパイプラインの各段階でシェーダーが実行されるため、不要なパスを削除することが重要です。不要なパスが存在すると、レンダリングの性能が低下し、フレームレートが低下する可能性があります。必要なパスのみを保持し、シェーダーを効率的に使うことが重要です。

  2. グラフィックス品質のバランス: 追加のパスやエフェクトを導入する際には、グラフィックス品質とパフォーマンスのバランスを考慮する必要があります。高品質のエフェクトは見栄えが良いですが、それによってパフォーマンスが低下しすぎると、ユーザー体験が悪化する可能性があります。

  3. クロスプラットフォームの考慮: 異なるプラットフォーム(PC、モバイル、コンソールなど)では、ハードウェアの性能や機能が異なるため、マテリアルとシェーダーを使ったレンダリングの振る舞いも異なります。開発中に異なるプラットフォームでの動作をテストし、クロスプラットフォームの互換性を確保することが重要です。

  4. シェーダーの理解: マテリアルとシェーダーの関係を理解し、シェーダープログラムをカスタマイズする際には慎重に行う必要があります。不適切な変更や最適化がパフォーマンスの低下やレンダリングの不具合を引き起こす可能性があります。

これらの要点を考慮しながら、マテリアルとシェーダーの使用を適切に管理し、開発中に性能と品質のバランスを保つことが重要です。

複数のマテリアルを設定する

スクリプトを使って複数のマテリアルを設定する場合、マテリアルごとのテクスチャ座標などの細かな設定は行うことができません。
マテリアルごとに異なる設定が必要な場合は、マテリアル個別に設定する必要があります。

ProBuilderを使用すると、3Dモデルにそれぞれの面に異なるマテリアルを設定することができます。
ポリゴンメッシュを作成、編集、テクスチャリングすることができます。

以下は、ProBuilderを使用して3Dモデルに異なるマテリアルを設定する方法の概要です。

ProBuilderにはMaterial Editorという機能があります。Material Editorを使用すると、ProBuilderのポリゴンメッシュに異なるマテリアルを設定することができます。以下は、Material Editorを使用して複数のマテリアルを設定する手順です。

  1. ProBuilderウィンドウを開きます。
  2. ポリゴンメッシュを作成または選択します。
  3. Material Editorを開きます。
  4. Material Editorウィンドウ内で、ポリゴンメッシュの各面を選択し、異なるマテリアルを割り当てます。
  5. マテリアルを選択して、必要に応じてテクスチャやその他のプロパティを調整します。

Material Editorを使用することで、ProBuilderのポリゴンメッシュに簡単に複数のマテリアルを設定することができます。
これにより、モデルの外観を細かくカスタマイズすることができます。

Shader(シェーダー)という概念

ここで言及されている「シェーダー」は、Unityにおいて「Shader」として知られる概念です。
Unityのシェーダー(Shader)は、グラフィックスプログラムの一種であり、オブジェクトのレンダリング方法を制御します。シェーダーは、頂点シェーダーとフラグメントシェーダーの2つの主要な部分で構成されており、オブジェクトの頂点情報とピクセル情報を処理します。

頂点シェーダーは、各頂点の位置、法線、テクスチャ座標などの情報を変換し、3D空間でのオブジェクトの表示を準備します。一方、フラグメントシェーダーは、頂点の情報からピクセルの色や深度を計算し、最終的な画面上のピクセルの色を生成します。

Unityのシェーダーは、Cg言語やHLSL(High-Level Shading Language)などの言語で記述され、グラフィックスカード上で実行されます。これにより、開発者はオブジェクトの外観や振る舞いを細かく制御できます。
シェーダーをカスタマイズすることで、光の反射や影の表現、特殊効果などを追加できます。

Unityにおけるシェーダーの作成や編集は、一般的にUnityの統合開発環境(IDE)内で行われます。Shaderを理解し、カスタマイズすることで、より高度なグラフィックス表現を実現できます。

UnityのStanderdShader(スタンダードシェーダー)

Unityのスタンダードシェーダーは、Unityエディター内で使用可能な最も一般的なシェーダーの1つです。
スタンダードシェーダーは非常に柔軟で多目的であり、さまざまな種類のマテリアルを表現するのに適しています。ここでは、スタンダードシェーダーの機能とマテリアルとの関係について説明します。

  1. 表面の外観の制御: スタンダードシェーダーを使用すると、オブジェクトの表面の外観を制御できます。色、テクスチャ、光沢、反射、透明度など、さまざまな外観プロパティを調整することができます。これにより、木材、金属、布地、ガラスなど、さまざまな素材の表現が可能です。

  2. テクスチャの使用: スタンダードシェーダーでは、テクスチャを使用してオブジェクトの表面を詳細にカスタマイズできます。アルベド(基本色)、法線マップ(表面の凹凸をシミュレート)、メタリックマップ(金属質)、スムースネスマップ(表面の滑らかさ)、アンビエントオクルージョンマップ(陰影の強調)など、さまざまなタイプのテクスチャを使用することができます。

  3. 光と影の処理: スタンダードシェーダーは、リアルタイムライトと影の処理をサポートしています。オブジェクトがライトからの光を受け取り、その影響を受けてレンダリングされます。また、スタンダードシェーダーは、シェーダーグラフを使用してカスタムライティングモデルを実装することもできます。

  4. マテリアルとの関係: スタンダードシェーダーは、Unityのマテリアルシステムと直接連携しています。各オブジェクトには1つ以上のマテリアルが適用され、それぞれのマテリアルにはスタンダードシェーダーが適用されます。マテリアルを通じて、スタンダードシェーダーの各プロパティを調整してオブジェクトの外観を制御します。

  5. プロパティのアニメーション: スタンダードシェーダーでは、外観プロパティ(色、テクスチャ、光沢など)のアニメーションをサポートしています。これにより、オブジェクトの外観が時間とともに変化するアニメーション効果を実装できます。

スタンダードシェーダーは、Unityでの3Dグラフィックス表現において非常に重要な役割を果たしています。マテリアルと連携して、さまざまな外観や振る舞いを実現するために広く使用されています。

過剰な用途

スタンダードシェーダーは、非常に汎用性が高く多目的なシェーダーですが、その代わりに処理の重さが問題となることがあります。
以下に、スタンダードシェーダーの処理の重さに関する考慮事項を含めて説明します。

スタンダードシェーダーの処理の重さ:

  1. 多機能性の影響: スタンダードシェーダーは多機能であり、多くの外観プロパティや光源効果をサポートしています。そのため、必要な機能だけを使用する場合でも、シェーダー内で多くの処理が実行される可能性があります。これにより、処理の負荷が増加し、パフォーマンスが低下する可能性があります。

  2. モバイルプラットフォームへの適合: スタンダードシェーダーは、モバイルプラットフォームでの使用にも適していますが、一部の機能やエフェクトはモバイルデバイスでのレンダリングにおいて処理の負荷が大きくなる可能性があります。特に高度な光源効果やテクスチャの複雑な処理は、モバイルデバイスでのパフォーマンスに影響を与える可能性があります。

自作シェーダーのメリットとデメリット:

自作シェーダーを使用するメリットとデメリットは次のようになります。

メリット:

  • 最適化の余地: 自作シェーダーを使用すると、必要な機能だけを含めることができます。不要な機能を排除し、最適化を行うことで、処理の重さを軽減することができます。
  • 特定の要件に対応: プロジェクトの要件や特定のグラフィックス効果に合わせて、カスタムシェーダーを作成できます。これにより、より高度な表現や特定の効果を実現することができます。

デメリット:

  • 開発の複雑さ: 自作シェーダーを作成するには、グラフィックスプログラミングに関する知識が必要です。また、複雑な効果を実装する場合は、高度な数学やアルゴリズムの理解が必要になる場合があります。
  • クロスプラットフォームの対応: 自作シェーダーは、異なるプラットフォームでの互換性や最適化について開発者が責任を負う必要があります。特定のシェーダーフィーチャーがすべてのプラットフォームでサポートされているわけではないため、クロスプラットフォームの対応には注意が必要です。

自作シェーダーを使用する場合、必要な機能のみを含め、最適化を行うことで、処理の重さを軽減することができます。一方で、開発の複雑さやクロスプラットフォームの対応について考慮する必要があります。

テッセレーションとは?

テッセレーション(Tessellation)は、3Dコンピュータグラフィックスにおいて重要な概念で、主にメッシュの細かさを動的に増加させるために使用されます。このプロセスは、ポリゴン(特に三角形)の数を増やして、モデルの表面の詳細度を高めることを目的としています。

テッセレーションの主な機能と目的

  1. ディテールの向上:
    テッセレーションは、特に距離に応じてモデルのディテールを増減させるのに役立ちます。例えば、カメラに近いオブジェクトはより多くのポリゴンを使用して詳細に描画され、遠くのオブジェクトは少ないポリゴンで描画されます。これにより、パフォーマンスのバランスを取りながら視覚的な品質を向上させることができます。

  2. リアルタイムレンダリングの最適化:
    ゲームやリアルタイムアプリケーションにおいて、テッセレーションはリアルタイムでのグラフィックス処理を助ける重要なツールです。この技術により、リソースの限られた環境下でも高品質なイメージを生成することが可能になります。

  3. スムーズな曲線と表面:
    曲面や複雑なジオメトリが含まれるオブジェクトに対してテッセレーションを適用すると、よりスムーズで自然な曲線や表面を生成することができます。これにより、角が目立つモデルの問題を解決し、よりリアリスティックなレンダリングが可能になります。

  4. リアルタイムレンダリングの向上:
    テッセレーションはGPU上で処理されるため、リアルタイムのグラフィックスアプリケーション(特にゲームやVRなど)での使用に適しています。リアルタイムでの処理能力を最大限に活用し、より複雑でリアリスティックなシーンを生成することができます。

テッセレーションの主なステップ

  1. ハルシェーダー(Hull Shader):
    メッシュのテッセレーションレベルを制御し、どの程度の細かさで頂点を増やすかを決定します。

  2. テッセレータ(Tessellator):
    ハルシェーダーからの指示に基づき、ポリゴンを細かく分割し、新たな頂点を生成します。

  3. ドメインシェーダー(Domain Shader):
    新しく生成された頂点の位置を最終的に決定し、メッシュの形状を変形させます。

これらのステップにより、3Dモデルはより詳細で滑らかな表面を持つことになり、視覚的に高品質なレンダリングが可能となります。Unityでテッセレーションを利用する場合、シェーダーのプログラミングが必要となりますが、これにより大きな視覚的向上が得られるため、高度なグラフィックス表現が求められるプロジェクトには特に有効です。

テッセレーションの利用背景と重要性

テッセレーションは特にプラットフォーム間でのレンダリングパフォーマンスの違いに対処するための重要な技術です。
異なるデバイスにおけるハードウェアの能力の差を考慮すると、テッセレーションを活用することで、それぞれのプラットフォームに適したレンダリング品質とパフォーマンスを実現することができます。

テッセレーションのプラットフォームごとの利点

  1. パフォーマンスの向上:
    テッセレーションは、ビューポートや視聴者との距離に応じて、モデルのディテールのレベルをリアルタイムで調整することが可能です。例えば、遠くのオブジェクトには低いテッセレーションレベルを適用し、近くのオブジェクトには高いレベルを適用することで、不必要な処理を減らし、全体的なパフォーマンスを向上させることができます。

  2. クロスプラットフォーム対応:
    異なるプラットフォーム(PC、スマートフォン、VRなど)はそれぞれ処理能力が大きく異なります。テッセレーションを使うことで、各デバイスのGPU能力に応じた最適化が可能となり、ユーザーにとってより良い体験を提供できます。特にVRでは、高いフレームレートと低遅延が求められるため、効率的なテッセレーションが非常に重要です。

  3. ビジュアルクオリティの向上:
    テッセレーションは、モデルに追加のディテールを提供することで、視覚的なリアリズムを高めます。これは、スマートフォンのような限られたリソースのプラットフォームでも、より高品質なグラフィックを実現するのに役立ちます。

注意点

  • ハードウェアのサポート:
    すべてのデバイスがテッセレーションをサポートしているわけではないため、デバイスの能力を正確に把握し、対応する必要があります。特に古いスマートフォンや低性能なデバイスでは、テッセレーションを活用することができない場合があります。

  • バランスの取り方:
    テッセレーションの利用は、ビジュアルクオリティの向上とパフォーマンスのバランスをとる必要があります。不適切なテッセレーションの適用は、逆にパフォーマンスを低下させる原因となることがあります。

テッセレーションは、適切に使用された場合、多様なプラットフォーム上でのアプリケーションのビジュアルとパフォーマンスの両方を向上させる強力なツールです。プラットフォームごとの最適な設定を見極め、利用することが重要です。

実際のテッセレーション対策

テッセレーションを効果的に利用するためには、シェーダープログラミングが必要です。
Unityでテッセレーションを実装する際には、HLSL(High Level Shader Language)を用いて、ハルシェーダー(Hull Shader)、テッセレータ(Tessellator)、ドメインシェーダー(Domain Shader)などのテッセレーション関連のシェーダーを記述します。

具体的な作業内容

  1. ハルシェーダーの記述:
    ハルシェーダーでは、テッセレーションのコントロールポイントとパラメータを定義します。ここで、どれだけの密度でテッセレーションを行うか(テッセレーションファクター)、どの領域がテッセレーションされるべきかを指示します。

  2. ドメインシェーダーの記述:
    ドメインシェーダーでは、テッセレータによって生成された新しい頂点の最終的な位置を計算します。このシェーダーは、テッセレーションされた頂点がどのように空間に配置されるかを決定し、実際の形状の変形や詳細化を行います。

  3. テッセレータの構成:
    テッセレータ自体はシェーダーコードで直接プログラムされるわけではなく、ハルシェーダーとドメインシェーダーの間で自動的に機能しますが、その動作はハルシェーダーで設定されたテッセレーションファクターによって左右されます。

  4. ジオメトリシェーダーの利用(オプション):
    ジオメトリシェーダーを使用して、テッセレーションされたメッシュに対してさらに詳細な変形や追加の処理を行うことができます。これは、例えば、生成された頂点に基づいて特定のエフェクトを適用する場合などに利用されます。

Unityでテッセレーションを行う具体的なシェーダーコードを例示することができます。以下は、簡単なテッセレーションシェーダーの例です。このコードでは、HLSLを使用して、ハルシェーダー(Hull Shader)、テッセレータ(Tessellator)、ドメインシェーダー(Domain Shader)を定義しています。

Shader "Custom/TessellationShader" {
    Properties {
        _MainTex ("Texture", 2D) = "white" {}  // アルベドテクスチャ
        _Tess ("Tessellation Factor", Float) = 3.0  // テッセレーションの度合いを制御するファクター
    }
    SubShader {
        Tags { "RenderType"="Opaque" }
        CGPROGRAM
        #pragma surface surf Standard fullforwardshadows
        #pragma target 5.0  // テッセレーションを使用するためにはシェーダーモデル5.0以上が必要
        #include "UnityCG.cginc"

        struct Input {
            float2 uv_MainTex;  // テクスチャ座標
        };

        sampler2D _MainTex;  // テクスチャサンプラー
        float _Tess;  // テッセレーションファクター

        // サーフェスシェーダー関数
        void surf (Input IN, inout SurfaceOutputStandard o) {
            fixed4 c = tex2D (_MainTex, IN.uv_MainTex) * _Color;  // テクスチャ色の取得と適用
            o.Albedo = c.rgb;  // アルベド色として設定
            o.Alpha = c.a;  // アルファ値として設定
        }

        // ハルシェーダーの定義
        [domain("tri")]  // 三角形ドメインを使用
        [partitioning("integer")]  // パーティショニング方式の指定
        [outputtopology("triangle_cw")]  // 出力トポロジーとして時計回りの三角形を指定
        [outputcontrolpoints(3)]  // 出力制御点数を3に設定
        [patchconstantfunc("patchconstant")]  // パッチ定数関数の指定
        [maxtessfactor(_Tess)]  // 最大テッセレーションファクター
        float3 hullShader (InputPatch<Input, 3> p, uint id : SV_OutputControlPointID) {
            return p[id].uv_MainTex * _Tess;  // テッセレーションコントロールポイントの位置計算
        }

        // パッチ定数関数
        void patchconstant (InputPatch<Input, 3> p, out float edges[3] : SV_TessFactor, out float inside : SV_InsideTessFactor) {
            edges[0] = _Tess;  // エッジのテッセレーションファクターを設定
            edges[1] = _Tess;
            edges[2] = _Tess;
            inside = _Tess;  // 内部のテッセレーションファクターを設定
        }

        // ドメインシェーダーの定義
        [domain("tri")]  // 三角形ドメインを使用
        float4 domainShader (const OutputPatch<float3, 3> quad, float3 bary : SV_DomainLocation, const InputPatch<Input, 3> p) {
            float3 pos = bary.x * quad[0] + bary.y * quad[1] + bary.z * quad[2];  // バリセントリック座標を使用して頂点位置を計算
            float4 worldPos = mul(unity_ObjectToWorld, float4(pos, 1.0));  // ワールド座標へ変換
            float4 clipPos = mul(UNITY_MATRIX_VP, worldPos);  // ビュープロジェクション座標へ変換
            return clipPos;  // クリップ座標を返す
        }
        ENDCG
    }
    FallBack "Diffuse"  // フォールバックシェーダーを指定
}

コード解説

  1. Properties:

    • _MainTex: テクスチャを指定します。
    • _Tess: テッセレーションファクターを指定します。これにより、テッセレーションの細かさが決まります。
  2. Hull Shader:

    • テッセレーションの制御ポイントの位置を計算します。
  3. Patch Constant Function:

    • テッセレーションの度合いを制御します。エッジごとと内側のテッセレーションファクターを指定します。
  4. Domain Shader:

    • テッセレートされた頂点での最終的な位置を計算し、ワールド座標とビュープロジェクション座標に変換します。

このシェーダーコードは基本的なテッセレーションの概念を示しており、実際のプロジェクトでの使用にはさらに多くの調整が必要です。また、このシェーダーをUnityのマテリアルに適用するためには、ShaderLabの構文に従った適切な設定が必要です。

シェーダープログラミングの重要性

テッセレーションを使ったシェーダープログラミングは、高品質なグラフィックをリアルタイムでレンダリングするための重要な技術です。特に、リソースが限られている環境や、高いリアルタイム性が求められるアプリケーション(ゲーム、VR/ARなど)において、性能とビジュアル品質のバランスを取るために非常に有効です。

プラットフォームごとのパフォーマンス最適化のためには、シェーダープログラミングのスキルが必須であり、テッセレーションを適切に制御することがクリティカルになります。これにより、デバイスの能力に合わせてグラフィックの詳細レベルを動的に調整し、最適なユーザーエクスペリエンスを提供することが可能です。

Discussion