🫱

おそろしく速い設計… を見逃さずに、設計のスピードを出すことの価値と方法について考える

に公開

tl;dr

  • 7ヶ月で3シリーズ8プロダクトの設計をした1人目デザイナーの奮闘
  • 設計の速度って重要? どう上げるのか
  • 設計のスピードを出す方法その1:内圧を高めること
  • 設計のスピードを出す方法その2:ドメイン知識の習得速度を上げること
  • 設計のスピードを出す方法その3:ガードレールを敷いて道を舗装すること

7ヶ月で3シリーズ8プロダクトの設計をした1人目デザイナーの奮闘

Dress Code社では、2024年9月の設立からわずか7ヶ月で、国内外あわせて130社を超える企業に導入されています(プレスリリース)。その価値を生み出しているのは、3シリーズ8プロダクトに及ぶコンパウンドプロダクトです。ラスト1ヶ月は、2人目のデザイナーが加わりましたが、それまでは、優秀な開発チームに支えられながら、デザイナーという職種としては1人でプロダクトデザイン担当していました。
この記事では、人事、情報システム、総務などの業務領域のドメイン知識がゼロの状態だったコンパウンドプロダクト1人目デザイナーの奮闘を書き起こしながら、設計のスピードを出すことの価値と方法について話せたらなと思います。

設計のスピードって重要? どう上げるのか

設計のスピードは、非常に重要です。どれだけ深い設計を、開発工程の早い段階で示せるかによって、エンジニアによる設計や実装の質や量にも直結します。ひいては、顧客に提供する価値の多寡を左右します。
にも関わらず、設計のスピードの重要性は、言及されることが少ない印象です。デザイナーのポートフォリオなどでも、プロジェクトの期間が示されてたりもしますが、あまり評価や判断の基準になっていないように感じています。ことスタートアップなどにおいては、もっと重視されてよいはずなのに。

設計のプロセスは方法論が確立しているので、それを自分のスタイルに合わせて馴染ませれば良い。ですが、設計のスピードの出し方を教えてくれるものはあまり見ないです。
7ヶ月で3シリーズ8プロダクトの設計をしたというのは、デザイナー1人が出しうるスピードとして、かなりの好記録と自負しています。サバンナトップクラスくらい。自分がこのスピードを出すための意識していたことが、3つあります。

  1. 内圧を高めること
  2. ドメイン知識の習得速度を上げること
  3. ガードレールを敷く、道を舗装すること

設計のスピードを出す方法その1:内圧を高めること

内圧の意味するところは、こちらにある通り。
https://www.youtube.com/watch?v=X6FcraeKrSM

デザイナーが1人しかいないことを逆手に、ひたすらに内圧を高めてました。要は気合い、自分に心地の良い範囲でプレッシャーをかけるということ。自分の設計スタイルを確立していくという設計もメタ的に意識していました。

設計のスピードを出す方法その2:ドメイン知識の習得速度を上げること

当然のことながら、設計する際には、ドメインへの習熟度が高いほど設計の質が高まります。設計のスピードを出すには、このドメイン知識の習得速度を上げるのが、最も簡単というか、特別な能力が必要ないはずです。それでいて、設計工程全体のスピードにも寄与してくれるので、コスパが良い。
AIの発展により、まとまった情報へのアクセスや、知識を習得することが容易になっていることも後押ししてくれています。
ただ注意したいのは、設計に必要なドメインの習熟というのは、知識問題の○×を回答できることだけではありません。そのドメインの体系を理解し、必要に応じて、理論を立てたり公式化までできることです。

キャッチーな整理だと、情報へのアクセスのパラダイムシフトが起きています。

  • 読書(教科書を読む)
  • 検索(Googleで調べる)
  • 対話(ChatGPTで尋ねる)

だから、今後は、対話型のツールを使って、ドメインの体系を理解することが、設計のスピードを出すためには重要になってくる!
というのは、外れてはいないが、本質的でないと思っています。対話型で学ぶことは、先生に聞くことと同じ。古くから良き学習のスタイルなはず。 良い先生が、良き生徒を必ず育てるかというとそうでもない。

知識を習得することは、昔から今も変わらず、学校の勉強やら、アカデミックな領域で言われていることが当てはまると思います。一つ、取り上げるならば、良き問いを立てられること

良き問いに対して、良き答えを導くIterationが、AIツールのおかげで爆速に行えます。良き問いをたくさん立てることができれば、ドメイン知識の習得の速度も上がるはずです。

ツール的な話で少しすると、

  • Perplexity/Chat GPT/Gemini等で、Deep Research
  • NotebookLMに、リサーチ内容などを貯めていく
  • Voice Interfaceで会話する

などをしながら、ひたすらQ&Aをしています。
世の中のAI系ツールの発展を鑑みるに、賞味期限は短いので、いつまでこのやり方が通用するかわからないです。

設計のスピードを出す方法その3:ガードレールを敷いて道を舗装すること

ガードレールを敷いて道を舗装することは、設計プロセスや、設計の中間生成物などを整えていくことを指しています。設計理論などもそうですが、すべては、設計で正解を出すこと、にのみフォーカスするというよりも、設計のスピードを出すことも捉えるとよいのかなと感じています。そして、設計者本人が、設計しやすいこと以上に、設計に関わるステークホルダー全員を、車に同乗させて、進めていけるかが大事と思っています。

  • 泥道よりも、アスファルト舗装された道の方が、速く走れる
  • ガードレールがあれば、盛大に道から外れることもない

ステークホルダーとのコミュニケーションの取り方から、エンジニアへのハンドオフ、Customer Successへのハンドオフ、、、すべて整えていくことが、設計のスピードを出すことに繋がるはずです。

おわり

内圧高めて、ドメイン知識を数日で習得して、設計の度に通る道を舗装して、と繰り返していたら、設計のスピードがよく出ました。方法論というほどではないですが、世の中では、設計のスピードに言及された記事が少ないようなので、何かの役に立てば幸いです。
この記事は社内的にも道を舗装することの一環なので、一石三鳥くらい。

ありがたいことに、DRESS CODE利用企業の方々からは、リリースのスピードに対して驚きの声をいただいています。(設計だけでなく、開発速度による所も大きいですが。)

驚きの声の共有

小学校で、速く走れる小学生がいかに人気だったか。 スピード出せるとかっこいいので、この調子でどしどし設計していきたい。

DRESS CODE TECH BLOG

Discussion