ToCデザイナーだった僕が、スタートアップToB SaaSに賭けた理由
はじめに
初めまして!デザイナーの沼田です。
これまで複数のWebサービスやアプリのUI設計に携わり、「使う人にとって本当に価値のあるデザインとは何か」を日々考えながら仕事をしています。現在は、Dress Code株式会社でDRESS CODEというSaaSプロダクトでプロダクトデザインを担当しています。
自分にとって大きなキャリアの転換点でもあるこのタイミングで、これまでの経緯や想いを言語化しておきたいと思い、今回の記事を書いています。
Dress Code株式会社への入社エントリとして、入社を決めた理由やこれまでとの違い、そして今後目指していきたいことをまとめてみました。少しでも自分の考えや想いが伝われば嬉しいです。
なぜこの会社に入社したのか
私がこの会社への入社を決めた理由は、大きく分けて以下の3つです。
1. コンパウンドに攻めるプロダクトに惹かれた
単一の課題に閉じず、複数の要素が絡み合った難易度の高いテーマに向き合っている点に強く惹かれました。その複雑さの中にこそ、プロダクトの価値が問われると感じています。
実際に、一部の機能の1画面のUIを作るだけでも、他の機能での使いやすさを考慮した汎用的なレイアウト設計やコンポーネントを流用すべきかどうか、判断に迷う場面が多くあります。構造の複雑さがUI設計にも如実に表れており、まさに「コンパウンドなプロダクト」の難しさと向き合っている実感があります。
2. グローバル展開している環境で働けること
日本だけでなく、世界のマーケットを意識した事業に携われる環境はとても貴重で、自分自身もより広い視野でプロダクト開発に取り組めると思いました。
例えば、国によって言語はもちろん、必須となる入力項目やUIの期待値も異なる場面に直面し、より多角的に物事を考える必要があると感じています。そうした点は難しさでもありつつ、日々のやりがいのひとつにもなっています。
3. キャリアとしてToB-SaaSに挑戦してみたかった
これまでの経験ではToC中心だったため、法人向けに課題解決を提供するプロダクトに一度本気で向き合ってみたいと考えていました。この理由については、後ほど詳しく触れたいと思います。
ToCからToBへ移って感じたこと
これまで主にToCのプロダクトに関わってきた自分にとって、ToBという領域には多くの違いがあると感じており、その変化を楽しみに入社しました。
入社前から特に意識していたのは、「意思決定の構造とスピード」の違いです。
- ToCではエンドユーザーの直感や感情に寄り添いながら、比較的短いサイクルで改善を重ねていくケースが多い
- 一方でToBでは、顧客内の複数の関係者が関わるため、意思決定のプロセス自体が複雑になる傾向がある
「どのように納得感をつくるか」「導入ハードルをどう下げるか」といった視点が、ToCとは大きく異なるポイントだと理解しています。
UX設計の価値基準の違い
UXの設計における価値基準も、ToCとは少し違ったベクトルにあると捉えています。
- ToC:心地よさ・使いやすさ・感情に寄り添う体験
- ToB:業務の中で使い続けられる堅牢さ・現場の作業フローへのフィット感
機能として成立しているだけでなく、業務上の文脈に自然に溶け込んでいるかが問われる点は、ToBならではの奥深さだと感じています。
デザインの視点でも広がる世界
ToBだからこそ求められる思考も多くあります。
- 将来的な機能追加やユーザー層の拡大を見据えた拡張性あるUI設計
- 職種や役割の異なる複数人が同じ画面を使うことを前提とした情報設計
考慮すべき要素が格段に増える印象です。
まだまだ理解の途中ではありますが、こうした違いや難しさに向き合えること自体が、自分にとって大きな成長機会になると感じています。これまでToCで培ってきた「わかりやすく、気持ちよく使えるUI」の感覚を軸に、ToBの文脈に最適化された体験をどう提供できるかをこれから探っていきたいと思っています。
今後やりたいこと・目指すこと
まずはこのチャレンジを、しっかり価値のあるものに育てていくことに集中したいと考えています。
DressCodeは、まだ創業したばかりのスタートアップということもあり、プロダクトだけでなく、チームや組織、文化そのものを一緒につくっていくフェーズにあります。
だからこそ、デザイナーという枠にとらわれすぎず、必要であればプロダクト戦略や業務設計などにも積極的に関わりながら、「事業を前に進めること」そのものに責任を持つスタンスで取り組んでいきたいと思っています。
もちろん、目の前のプロダクトとしての成果を出すことも大前提ですが、それに加えて、
- どうすればこのチームがより良くなるか
- スケーラブルにプロダクトを成長させていくにはどうすべきか
といった視点でも貢献できる存在になっていけたらと考えています。
そして最終的には、DRESS CODEをより多くの国やユーザーに届け、事業のグローバルなスケールに貢献していくことを目指しています。
こうした挑戦を通じて、プロダクトだけでなく自分自身も成長していけたらと思っています。
学びながら、手を動かしながら、一歩ずつ前へ進んでいきます。
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