The Dark Pattern輪読会
1.1~1.2
ダークパターンとアンチパターンは区別する必要がある
- ダーク:正しく機能して、意図的に、オンラインサービスの運営者が利益を得るために行われる、ユーザーを騙したり欺いたりして、望まない方向に誘導するためのデザイン
- アンチ:正しく機能せず、意図的ではなく、一方が利益を得る訳でもなく、ただユーザーにとって使い勝手の悪いデザインになっていること
ただ最近はダークではなくディセプティブデザインと呼んでる(ダークが黒人系の方々を指す言葉として使われているからと思われる)
ダークパターンの事例
ダークパターンが発生した3つの要因
小売における欺瞞的慣行
小売でも購入を増やすために様々な手法が見られる。これ自体が悪いわけではないけど、小売の習慣がより巧妙にデジタルの世界に紛れ込んでいる
- 198,298とか安く見える価格設定
- ついで買いを助長するレジ横商品
- 虚偽の広告(閉店セールを何度もやってるとか)
- おとり広告
ナッジ
元々は公共政策などを推し進めるために生まれたもの。自由主義(リバタリアニズム)と家長主義(パターナリズム)の中間をとって、相手の自由を奪うことなく意思決定を一定の方向に誘導することを指す。
ナッジの例
- 401kはデフォルト加入にすることで加入率を伸ばした(面倒臭がり、どっちでも良い人が加入した)
- 「近隣住民と比較してあなたは電力消費が多いです」と伝える。電力消費量をモニタリングできている家庭はそうでない家庭に比べて2%ほど電力消費が少なかった(レコーディングダイエット的な)
- メニューの最初と最後に書かれた商品が頼まれやすい
グロースハック
- 資金をかけず、サービスのどこに手を加えたらブレークスルーを得られるか見極めるためにサービスに手を加えていくこと(ブレークスルーを得るポイントを見極めるのがグロースハック、というのは自分にとっては新鮮な定義だった。これが一番最初の定義らしい。)
A growth hacker is a person whose true north is growth. Everything they do is scrutinized by its potential impact on scalable growth. Is positioning important? Only if a case can be made that it is important for driving sustainable growth (FWIW, a case can generally be made).
The right growth hacker will have a burning desire to connect your target market with your must have solution. They must have the creativity to figure out unique ways of driving growth in addition to testing/evolving the techniques proven by other companies.
確かに最後の方に「グロースするための創造的でユニークな方法を見つけること」って書いてある
- ただしグロースハックの成功基準が売上だけだと、ユーザーにとっては非常に使いづらいデザインになる可能性もある
グロースハックの例
- hotmailは「hotmail使おうぜ」とメールの文末に自動的に追加してた(iPhoneと同じ)
- linkedinは自動的にアドレス帳に登録されている相手に「linkedin使おうぜ」とメール送って訴訟されて負けた
1.3-1.5
ダークパターンの世界的調査
- 11000以上のショッピングサイトで53000ページを対象に行われた
この論文の良い点
- ショッピングサイトに焦点を絞り、網羅的なダークパターンの分類を確立
- クローラーを使用して細かいところまでダークパターンを発見した
この論文の今一つな点
-
テキストベースのダークパターンのみで、資格的要素については考慮されていない
-
デザインパターンがユーザーを欺く目的かどうか、クローラーは判断できない
- 専門家でも意見が分かれるものも含まれていた
- 例) 希少性の心理トリガーは、ユーザーにとって在庫数を確認できる有用なものもあれば、在庫数を明示せず欺瞞的なものもある
-
機械的に抽出した上で手作業の精査を行ったところ、サイトに表示されている情報が事実化確認できないダークパターンのようなものも見つかった
ダークパターンによる選択の歪み
以下の3条件でユーザーの選択にどのような影響を及ぼすか調査を行った
- ダークパターンなし
- 穏やかなダークパターン(デフォルトで承諾ボタンがプライマリー)
- 攻撃的なダークパターン(2に追加してしつこく加入を勧めるパターン
結果は1が承諾率が11%だったのに対して、2は25%、3は37%とダークパターンがユーザーの選択に影響を与えていることを確認できた。
また、3はユーザーが怒りの感情を12%抱いたのに対して、2は6%、1は5.7%とあまり差は現れなかった。
承諾率が最も高かったのは情報を隠すパターン。
ダークパターンを防ぐ動き
- ダークパターンは法律的には合法である
- しかし定期購入に対しては特定商取引法の改正で対策が強化された
2章全部
デザインは消費者の選択にどのような影響を与えるのか
その選択は、誰が決めているのか
- 1日に平均35,000回の決断を下している (うち約200回は飲食に関すること)
- ナッジによって「選ばされている」場合もある
- デフォルト効果
- 初めから選ばれている選択肢をそのまま受け入れてしまう心理傾向
- デフォルト効果
- スラッジ
- 本人の利益にならないナッジ
- 「定期購入」の見落としは消費者の不注意なのか?
- 人間の認知能力には限界がある
- 企業は、ユーザーが不本意な買い物をしないよう言葉やデザインに配慮しなければない
- どんなに小さいデザイン要素であってもそれは顧客の意思決定に影響を与える
意思決定に影響を与えるマイクロコピー
言葉について
- マイクロコピーは強力
- Googleホテル検索では「部屋を予約する」→「空室状況を確認する」の変更でエンゲージメントが17%向上
- Netflixでは、A/Bテスト用の自社ツール「シェイクスピア」がある
- 10種類のお申し込みボタンのバリエーションをテスト
- ヒューマンエラー
- 実行したユーザーに責任があるようなニュアンスがあるが、それは間違い
- ミスを引き起こすインターフェース側の設計に問題がある
- ユーザーの努力や能力に頼らずにミスを防止できるように設計するべき
ユーザーが行動を起こす3条件
- フォッグ式消費者行動モデル
- Motivation
- Ability (実行能力)
- Prompt (きっかけ)
- 説得のためのテクノロジーは、人間の行う説得よりもはるかに強力
- 説得のためのテクノロジーには、社会的には振る舞いが求められる
ファストアンドスロー
- 2つの思考モードがある
- 無意識的・直感的な判断を行う「速い思考」
- 例: 歯磨き、いつもの道の運転
- すぐに結論に結びつけたがる、早とちりな側面がある (WYSIATIバイアス)
- いつものインターフェースを期待している
- 思索的な「遅い思考」
- 例: プログラミング、複雑な方程式を解く
- 無意識的・直感的な判断を行う「速い思考」
説得vs欺瞞、操作、強制
- 説得とは対話的に行われるもの
- 相手の意思が汲み取られることなく、ビジネスゴールの達成だけが目的になっている時は危険
- とはいえ、どこからがダークパターンかの線引きは難しい
ダークデザインのパターン紹介
こっそり(スニーキング)
例
- 商品を購入したら保証プランに自動的に申し込まれている(楽天モバイルで実際あったな)
- 座席を予約したら、席の指定には自動で追加料金が生じる、かつ座席選択がデフォルト設定になっている
- 購入直前になって初めて追加料金の存在が明かされる
- 花を買う際、購入直前になって「花のケア」として追加料金を請求されたり
- StabHubの実験の結果、最初に全体価格を提示(オールインワン)せず最後に追加料金を提示(ドリッププライシング)した方がチケットの購入率が高く、購入価格も高かった。StabHubは元々全体価格を提示する派だったが、この実験結果を受けて、競合他社に負けないようドリッププライシングに切り替えたが、のちに訴えられた
- でもECサイトの調査ではオールインワン形式の方がドリッププライシングよりカートチェックアウト時の購入率が45%高かったらしい。矛盾する結果だけど、これはどう解釈したら良いんだろう
- 1年価格を一覧には表示しているものの、実際の購入画面では2年価格に切り替える(しかも1年価格と2年価格は2倍程度では済まない大きな価格差があることが多い)
逆の例
- airbnbは料金の内訳が明示されている
スニーキングのタチが悪いところ
- デフォルト値を設定すること自体は悪くない。ユーザの9割が選択することをデフォルトにしておくのはUXに優れてる
- ユーザーの5%しかデフォルト設定を変えない。大体のユーザはデフォルトを受け入れる
- そのデフォルト値をユーザにとって不利に働くように設計する点が悪質
おとり広告
- なんでこれスニーキングの章で解説してるんだろう?
例
- 広告内容と全く異なるゲーム内容を出すゲーム(ホームスケイプ)があった(自分もevertaleの広告を見て「ホラーRPGって珍しいな、やってみたい!」と思ったけど内容が全然違って速攻アンインストールした)が、これはおとり広告
- windows10は右上の「x」をクリックすると新しいosのインストールが始まる仕様だった(酷すぎて笑った)
緊急性
例
- お名前.comのメール(自分もお名前からのメール全部ブロックした記憶があるな...)
- ずっとループしてるカウントダウンタイマー
- 「今だけ」って書いてあるけどずっと買える商品
逆の例
- 何時間以内に購入したら翌日配送(ユーザにとって役立つ情報であればダークパターンではない)
3.3
コンファームシェイミング
羞恥心の植え付け:拒否の選択肢にのみ自分の決断が揺らぐような偏った表現を使用すること
引き止め方は様々で「ごめんね…ボク…何かしたんだね…」みたいなのもある→見たら笑っちゃいそう
使われやすい場面
- サイトを去る時
- メルマガの購読停止
- サービス解約
- 特典受け取り拒否
- ソフトウェア削除
フレーミング効果を利用している
- 絵を飾るときに額縁によって印象が変わるということが由来になっている
コンファームシェイミングは33%高い承諾率になる一方、長期的には損失になる可能性が高い
- Majesty coffeeはコンファームシェイミングを行った結果、ネットプロモータースコアが20%も下がった
- コンファームシェイミングにさらされたユーザーはプロ意識に欠け、売り込みに必死だと考える傾向がある
- コンファームシェイミングは羞恥心、罪悪感を引き出す効果が強くないこともわかっている
視覚的干渉
-
普遍的にクリックされやすいボタンの色は無い
- 背景やテーマカラーによってクリックされやすい色は変わるからである
-
高コントラストのボタンはコンバージョン率が12%も上昇した。また背景が透明のゴーストボタンよりクリック率は8%上がった
- ゴーストボタンはタスク遂行に要する時間が22%長くなる
- ダークパターンにはキャンセルに低コントラストのボタンを使用してキャンセル率を下げるものもある
-
色に頼らず、Deleteは確認のステップを設けるデザインでご操作を防ぐ必要がある
ユーザーの認知を逆手に取る
-
プライマリーカラーの仕様を逆にしたり、ボタンの配置を逆にしたりユーザーが誤って選択するように仕向けるものがある
- 慣例を破って良いものは、タスクに絶対必要な場合と、効率が向上するときのみである
-
×ボタンを隠す、髪の毛に見せかける、ゴミが付いているように見せるデザインもある
-
このようなダークパターンはデジタル以前から使われ1938年のオーストリアの投票用紙にも、はいといいえの大きさを変えるトリックが使用されていた
偽装広告
広告だとばれないように他のコンテンツやナビゲーションボタンに偽装した広告のこと
-
広告収益が収入源となるサイトでよく見られる
- wired.comはアドブロックツールの利用者からのすべてのアクセスを遮断すると発表した
- 約20%がアドブロックツールの使用者であった
-googleは新たな広告の表示方法が2020年に問題視された - 検索結果の広告が、一見広告のように見えないデザインになったため
↓広告をブロックするこういうブラウザあるらしい
https://brave.com/ja/
-
ドナルド・トランプの寄付サイト
- 定期的な寄付に関する情報が小さく表示され、チェックボックスもデフォルトでオンになっていた
ユーザーは文章を読まない
- 平均的アクセス中にユーザーが読むテキストの量は全体の28%
引っ掛け問題
- 二重否定などの紛らわしい表記は避ける
情報の空白を利用した強力なヘッドライン
人間は情報の空白に対する反応が好奇心であるとされている
既に知っていること、と知りたいことの間にある空白地帯が大事である
- paypalの利用規約はマクベスより長い
- purpleの利用規約を読んだ人向けの懸賞キャンペーンに気付いたのは2.2万人に1人
- 1行あたりの文字数で最も読みやすいのは20~30文字
- google検索結果画面で、人は意図的に広告が貼ってありそうな検索結果1件目を飛ばして読む
- google広告の見た目は徐々に一般検索結果に似てきている(広告アイコンを誤認しやすいようにfaviconを検索結果に追加したり)
- wiredのトラフィックの20%がアドブロッカーを入れている
- Re: をタイトルにつけると開封率が上がる(二通目以降は下がる)
- 二重否定がCCPAで禁止されている
- yahoo記事もタイトル文字数が決まってる。コートジボワールとか、略せないかつ長い国名が一番大変らしい。アーティスト名とかは「米歌姫」とかに略す。逆にクリック率が上がる(情報の空白をうまく活かせている)
3.4, 3.5
3.4 ソーシャルプルーフ (社会的証明)
自分よりも周囲の判断が正しいと思い込む心理のこと
- 2008年のイギリスのホテルの実験
- 「同室の過去の宿泊者の行動」を伝えるメッセージが一番バスタオルの再利用率が高かった
- アメリカの複数の消費者追跡調査
- 約90〜95%の消費者が、商品の購入前にレビューを読む
- 2016年のノースウェスタン大学の調査
- レビューが5件ある商品はない商品に比べて購入される可能性が270%高くなる
- 高価格の商品ほどレビューによるコンバージョン率の増加が大きい
- 星評価が4.0〜4.7の時に購入率がピークに達する
ソーシャルプルーフを使用したダークパターン
- 偽のアクティビティメッセージ
- 事実かわからない、他のサイト利用者の状況を表すメッセージのこと
- 出所不明のお客様の声
- 捏造したお客様の声で商品を買うように仕向ける
- 景品表示法違反の可能性もある
-
実際の商品や、競合他社の商品よりも著しく優れている、または有利であると誤解させる表示をした場合、景品表示法における優良誤認、あるいは有利誤認の不当表示に当たります
-
- 2020年の「Which?」による調査
- あからさまなフェイクレビューであっても購入率は増加した
- フェイクレビューに対する注意喚起のバナーがある場合でも、購入率は増加した
フェイクレビューのリスク
- ブランドの信頼の失墜
- 罰金
- フェイクレビューを投稿した日から削除されるまでの間の全ての売上が対象になる
- 購入者への実害
-
フェイクレビューが消費者の健康被害や金銭的損害の原因になる可能性がある
- フェイクレビューのあるなしに関わらず被害は起きそう🤔
-
- 組織内部への影響
- 偽のレビューを書かされることには大きな苦痛を伴う(?)
- 確かに自分は苦痛を感じるが、そうでもない人もいそう🤔
- 内部告発
- 偽のレビューを書かされることには大きな苦痛を伴う(?)
3.5 スケアシティ (希少性)
- 手に入りにくいモノやサービスに高い価値を感じる
- 希少性のアピールは切迫感につながり、今すぐ行動を起こしてもらえる可能性が高まる
- 1975年のクッキーの実験
- 10枚入りよりも2枚入りのクッキーの方が味に対する評価が高かった
- 「他の人が食べた」と告げるとさらに味を高く評価した
- Qubitによる購買履歴の分析
- 「希少性」「社会的証明」「緊急性」を使ったマーケティングが、「サイト訪問者一人当たりの収益」に最も貢献する
- 「希少性」が最も効果が高い (平均2.9%の収益向上)
- カゴ落ち対策、ページデザインのリニューアルなどよりも高い
- イギリスのTrinityMcQueenの調査
- ユーザーの3分の2がサイトに表示される希少性と社会的証明のメッセージを単なる「あおり行為」と捉えている
- 心理的トリガーを使うのは、ユーザーの選択を助けるため
- 選択肢が多い場合、行動するのが難しくなる
3.6~3.7
オブストラクション(妨害)
- ゴキブリ捕獲機とも呼ばれる。入会は簡単だけど退会を難しくすることで離脱できなくする
- オペレーターからの折り返し電話を受けないと退会できないとか
- 平日の決まった時間しか電話できない、かつ電話でしか退会できない(日本版WSJ)
- いろんな問題が起きる
- 特商法の改正で退会導線を明示することが義務付けられた
- ノルウェー消費者評議会はamazonが故意にprimeから退会しづらくしていると指摘した
損失回避
- 人は得るものより失うものを大きく評価する。退会する時に「この機能が使えなくなりますよ」とか「サービスに登録している友達が悲しみますよ」とか伝えて引き止めようとするパターンがある
ピークエンドの法則
- ダニエルカーネマン提唱。最も感情が振れた時(最高、最低を問わず)と終わりの時で全体の印象が決まる。映画もクライマックスとエンディングでおおよその印象が決まる。
- サービスの場合、退会する時が「エンド」に相当するので、ここで悪い体験をさせない方が良い(netflixはその例として挙げられていた)
- netflixはサービスを使っていない人のサブスクリプションの自動解約もしてるし、サービスとしての印象がとても良い
強制的な登録
- 例えばブログ記事を閲覧するためだけに会員登録しなきゃいけないとか、ユーザに登録を強制することを指す
- 自分は同じ理由でmediumを見なくなったから、めっちゃわかる
テイク・アウェイ
- ユーザーに「欲しい!」と思わせておいて直前で取り上げる(最後のアクションの直前に登録を求めるとか)
- 多くの人がネガティブな感情を持つから避けた方が良い
特に登録・ログインは人をうんざりさせる
- auth0の調査によるとユーザーの83%はログインや登録が煩わしいためecサイトでの購入を断念したことがある
- 大手ショッピングサイトbestbuyでは、サイトに登録しているユーザーのうち45%が複数のメールアドレスで登録していた。1日16万件もパスワード忘れが発生し、パスワードを問い合わせた人の75%は購入に繋がらなかった
- そこで「ログイン」と「登録」を「ログイン」と「続ける」に変えて、登録しなくても買い物できるようにした。買い物をした人がついでに登録できる導線にした。めちゃくちゃ売り上げが増えた
プライバシーザッカリング
- ユーザーが意図する以上の情報を公開することを指す。一時期のfacebookはデフォルトの情報公開範囲が非常に広く、かつポリシーを変更しづらかったことからきている
強制的な継続
解約忘れを狙う
- 無料トライアル期間から自動的に有料契約に移行することで解除忘れによる課金を狙う
- 先駆けは1970年台のcolumbia house。毎月好みのジャンルのレコードが送られてくるけど、レコードが届いてから10日以内に解約のハガキを送らないと、どんどんレコードが送られてくる作りになっていた
netflixの話
- dvdレンタルのブロックバスター。延滞料金が売上の15%を占めていた。netflix創業者がnetflixを創業したのも、ブロックバスターに延滞料金40ドルを支払ったのがきっかけ
- netflixは延滞料を取らないことにした。ユーザーに課すペナルティが収益源のサービスは長続きしない、と考えたため
- 初回請求が近づいているユーザーに無料期間終了のお知らせを送るようにした。退会率は5%増えたが、その分10億円近いcs費用が削減できた。
- 結果的にnetflixは信頼できる会社で世界8位にランクインしている
カスタマー中心企業ランキング
尊敬/賞賛されている企業ランキング。これのことかな?
他の年度のランキング見てたらテイク・アウェイのダークパターン出てきた。ポップアップが消せなくてすごく嫌な体験だった
ちょうど今朝これがプチバズってた
4.1-4.2
組織をプレッシャーから解放する
誰だって、最高の仕事をしたい
- ダークパターンが生まれる背景の1つには、組織内の過剰なプレッシャーがあります。
- ダークパターンに関するよくある誤解は、ダークパターンが現場のデザイナーの手によって日々生み出されていると言うことです。
- ダークボタンが生まれやすいシチュエーション
- 結果が優先でブランドや長期的な価値を優先せず、短期的な目標を優先してしまう時
データの過大評価
- ビジネスの最終的なゴールであるKGIとKPIを授業は設定することが多いです
- デジタルマーケティングでは、しばしばコンバージョン率やクリック率、顧客獲得単価等がKPIとして設定されます。
- しかしここに大きな落とし穴があります。
- KPIを達成することがビジネスの全体の成功と定義してしまうのですが、KPIを部分最適してしまう事は全体最適とは限りません
- 問えばセールスメールの件名を工夫したところ、開封率が向上したといった。令和その裏で解除率が上昇していたと言うことが起こり得る。
- データを取る行為とは、データの対象とデータを取るものを変える
- 私たちは、データが客観的な意思決定をできるものだと言う理由で好みますが、実は「これは私たちにとって重要だ」と言うメッセージが込められ、主観的なものになってしまう。
ノーススターメトリック
- ノーススターメトリックとは、私たちが本来目的を見失わないようにするための指標です
- プロダクトが顧客に対して提供しているかどうかを計測するただ1つの指標です。
- ノーススターメトリックは、KGIやKPIとは異なります
ノーススターメトリックの特徴
- 価値を表す
- プロダクトのビジョンと戦略を象徴する
- 成功へ導く指標である
- 先行指標であり、遅行指標ではない
- 実行可能である
- 誰もが理解できる
- 計測可能である
ノーススターメトリックをKPIに落とし込む方法
- 広がり、深さ、頻度、効率の4つの因子に分解する
例)- 広がり:ユーザー数
- 深さ:エンゲージメントレベル
- 頻度:再訪頻度
- 効率:タスク完了までの速さ
カウンターメトリック
- ダークパターンを防ぐためには、カウンターメトリックを設定することが重要です
- カウンターメトリックとは、ノーススターメトリックやKPIを最適化しすぎて、顧客やビジネスに不利益を与えていないかどうかを確認するための指標です
- 例えば、メルマガの開封率が向上したら解除率を見る
定性的なデータが大事な理由
- 定量的なデータに執着すると、本来手段であった数値測定がいつの間にか目的にすり変わってしまいます。特に組織の数値達成が個人のインセンティブや懲罰と連動している場合、人々の行動や動機測定方法は歪められやすくなります
- キャンベルの法則:社会的な意思決定によって重要な指標ほど操作されやすい
- そのため、定量的なデータだけに頼るのではなく、定性的なデータを組み合わせて考えることがダークパターンを防ぐ重要なことです
ユーザをリスクから解放する
UXライティングが重要である
-
お金に関する不安
- キャンセル料はありません。クレジットカードは不要ですといったライティングで対処する
-
個人情報とプライバシーの不安
- スパムメールは送りません。個人情報を第三者に提供する事はありませんといったライティングで対処する。
-
不明瞭なプロセス
- 所要時間はたった3分です。あとツーステップで完了しますと言ったライティングで対処する。
-
複雑な大会プロセス
- いつでも解約できます。1-Clickで配信停止できますといったライティングで対処する。
-
自分好みのオプションがない
- これは後で変更できます。柔軟なお支払い方法からえらべますといったライティングで対処する。
-
サービスに柔軟性を持たせるためには、サービスの根本的な見直しが必要になる場合があります。
-
骨が折れるプロセスで見えますが、十分に取り組む価値があります。
ユーザの認知負荷を下げる
- ユーザの集中力は限られており、流し読み、ユーザでも情報が正しく拾えるように、UXライトはユーザを助ける最良のアプローチになります
1枚のスタイルガイドから始める
- 初めから壮大なスタイルガイドを作る必要はありません。表記やカラーコード等簡単なものから小さく始めましょう。
スタイルガイドの例
Spindle
SmartHR
Mairchimp
11つ星のエクスペリエンス
- 5つ星がどのようにサービスを提供できたときにもらえるか検討した上で、6つ7つ10個11個の星評価がもらえるのはどんな体験か考えるべきです。
- 5つ星を目指すのは難しいかもしれませんが、6つ7つ8つ星評価であれば決して不可能では無いはずです。より高きサービスを常に目指しましょう。