小さなAI利用(細かな作業のお助け編)
こんにちは。dotDのエンジニアの遠藤です。
みなさんはAIを利用していますでしょうか?
弊社内でもAIエージェントとともに開発を進めるスタイルが一段と当たり前になって来たように思えます。
SNSでツヨツヨエンジニアさんの発信を見ると、ハードルが高く感じてしまいますが、まだまだAIを利用できていない方でもAIを導入で十分効果を得られ、AIと仲良くなれる方法があります。
この記事では、その一例として 「ソースコードの文字列を置換する作業」を AIに任せる という、とてもシンプルな活用法を紹介します。
文字列置換はよくあるが、意外と面倒な作業
既存のコードに以下のような変更を加えたい場面はよくあります。
- クラス名を変更したい
- API エンドポイントの文字列を差し替えたい
- 定数名を別の名前に変更したい
- 古いログ文言を新しい仕様に合わせたい
もちろん、Linuxコマンドの sed を扱える方であれば、
sed -i ‘’ ‘s/OldName/NewName/g’ src/**/*.ts
sed -i オプションの注意点
sed -i '' は macOS (BSD sed) でファイルを直接編集する際に使われる記法です。Linux (GNU sed) の場合は、-i の後に拡張子を指定しない(例: sed -i 's/OldName/NewName/g' src/**/*.ts)か、バックアップファイルを作成する拡張子を指定する(例: sed -i.bak 's/OldName/NewName/g' src/**/*.ts)のが一般的です。
のようにして一瞬で済んでしまう作業です。
その “一瞬” が積み重なると意外と重くなる
- 置換対象が複数ファイルにまたがっている
- 本当に正しく置換できているか確認が必要
- 一度試して、直して、再度置換…
こうした細かな作業は、積み重なると 意外と時間と集中力を奪います。
また、正規表現などと組み合わせるとさらに負荷は上がります。
しかも、sed を使ったことがない人にとっては、
「コマンドを調べる →書く → 思った動作をしない → 修正」
という学習コストも発生します。
そこで登場するのが AI です。
AI に任せるとどうなるか?
例えば「OldName を NewName に置換して」と AI に指示すると、次のようなことを自動的に行ってくれます。
- どのファイルを変更すべきか読み取る
- 一括置換する
- 間違いや意図しない変更がないかをダブルチェックする
- 仮に「このファイルは除外して」と言えば条件を理解してやり直す
つまり、人間が“考えたくない細かい部分”を全部やってくれるのです。
sed が使える人にとってもメリットはある
「sed の方が早い」と思う方も多いでしょう。事実、それは正しいです。
しかし、
“小さな作業は AI に任せて、その分の脳のリソースを他のことに回す”
という発想が重要です。
- 本当に大事な設計に集中できる
- コードレビューの判断に時間を使える
- 複雑な思考タスクに気持ちを残しておける
数十秒の作業でも、繰り返すほど“自分の集中力の残量”への影響が大きくなります。
sed が使えない人にもメリットは大きい
sed を扱ったことがない人にとって、AI がどのように置換作業を行うかを見ることは 学習になるというメリットがあります。
AI が生成した置換例を見ることで、
- コマンドの意味
- 正規表現の使い方
- オプションの役割
- パスの指定方法
といった知識が自然に身につきます。
AI が生成した内容を眺めているだけで、「sed ってこうやって使うのか」と理解が深まるのです。
実際のやりとりイメージ
例えば次のように依頼するだけで完了します。

返ってくるのは、こんな内容です。
-
sed コマンドの生成

-
変更前後の diff

-
変更対象ファイル一覧

そのまま適用するだけで完了。
自分は判断だけすれば良いという状態になります。
小さな AI 活用から始めよう
AI 活用というと大掛かりな自動化を想像しがちですが、
最初は今回のように「置換作業」を任せる程度の小さな一歩で十分です。
- 時間短縮
- 作業ミスの削減
- 集中力の節約
- sed の学習にもなる
これらのメリットが積み重なれば、
AI を活用する価値を実感できる瞬間が必ず訪れます。
まずは、今日のちょっとしたコード修正を AI に頼んでみませんか?
さいごに
dotDでは一緒にサービスを作ってくれる仲間を大募集中です!
dotDに興味を持たれたエンジニアの方がいらっしゃいましたお気軽にご連絡ください。
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