【2025年最新版】PyTorchとTensorFlowの違いを徹底比較|初心者におすすめはどっち?
はじめまして、
株式会社dotConfにて、AIエンジニアをしている古菅(こすげ)です!
前回は「Matplotlibだけでここまでできる:実務で使う可視化レシピ10選」を紹介しましたが、
今回はその続編として、
【2025年最新版】PyTorchとTensorFlowの違いを徹底比較|初心者におすすめはどっち?
をまとめました。
【2025年最新版】PyTorch vs TensorFlowの違いを徹底比較|初心者におすすめは?
機械学習やディープラーニングを学び始めると、必ず出てくる疑問が 「PyTorchとTensorFlow、どっちを使えばいいの?」 というもの。
2025年現在でも、この2大フレームワークは依然として多くの研究者・エンジニアに使われています。
本記事では、それぞれの特徴をわかりやすく整理し、初学者がどちらを選ぶべきか を解説します。
1. PyTorchとTensorFlowの基本情報
🔹 PyTorch
- 開発: Meta (旧Facebook)
- 特徴: Pythonに近い書き方で直感的
- 主な用途: 論文実装、研究用のモデル公開
- 代表例: Hugging Face Transformers, Detectron2
🔹 TensorFlow
- 開発: Google
- 特徴: 大規模運用やモバイル対応に強い
- 主な用途: Google製品などの産業システム
- 代表例: TensorFlow Serving, TFX, TensorFlow Lite
2. 実運用・研究での使われ方
研究用途
ここ数年、ほとんどの最新論文は PyTorch 実装で公開されています。
研究者コミュニティが「まず PyTorch で実装して公開する」という流れになっているため、GitHubで見つかる最新モデルのコードは PyTorch が主流です。
✨ 初学者が「論文通りのモデルを動かしてみたい」場合には PyTorch が圧倒的に有利!
さらに、学習曲線も緩やかで Pythonらしい直感的なコード が書けるため、研究や個人学習との相性が良いです。
産業用途
一方で、Google 製品や大規模な機械学習システムでは今でも TensorFlow が広く使われています。
特に以下の点が強みです👇
- TensorFlow Serving → 学習済みモデルをクラウドに展開しやすい
- TensorFlow Lite → スマホや IoT デバイスに最適化
- 既存システムとの統合・大規模運用に強い
👉 本番環境にスムーズに組み込みたい、または Google Cloud を活用するなら TensorFlow が有利です。
最近の傾向
- PyTorch も TorchServe や ONNX Runtime によって本番運用がしやすくなり、企業導入が増加中。
- TensorFlow も Keras によってコードがシンプル化し、学習用途でも扱いやすく進化。
💡 結果として、従来の
「研究なら PyTorch」「本番なら TensorFlow」
という二分法は弱まりつつあり、どちらも研究・実運用の両方で使える時代になっています。
3. 実装容易性(PyTorchとTensorflowの違い)
PyTorch の場合
PyTorch は Python に近い書き方ができる ため、直感的でデバッグもしやすいのが特徴です。
print()
でテンソルの中身をすぐ確認できたり、標準的な Python の文法に近いので、初学者でもスムーズに学習を進めやすいです。
-
利点:
- Python 的な書き方で理解しやすい
- デバッグが容易
- コードがシンプルで「書いた通りに動く」感覚がある
- ⚠️ 注意点:
- 高度な最適化や大規模分散学習の実装では工夫が必要
TensorFlow / Keras の場合
TensorFlow は昔は「書きづらい・デバッグしにくい」と言われていましたが、
現在は Keras API が標準化され、かなり扱いやすく進化しています。
特に、モデル定義 → コンパイル → 学習 → 評価 の流れが統一されているので、初心者でも「型にはめて」実装できるのが強みです。
-
利点:
- Keras によるシンプルな書き方
-
model.fit()
で簡単に学習可能 - チュートリアルや公式ドキュメントが充実
- ⚠️ 注意点:
- Keras の抽象化レイヤーが邪魔になることもあり、細かい制御はやや難しい
- PyTorch に比べて「中身を追いたい」場合に学習コストがかかる
実装容易性の比較表
項目 | PyTorch | TensorFlow / Keras |
---|---|---|
コードの書きやすさ | Python 的で直感的 | Keras API によりシンプル |
デバッグのしやすさ |
print() で簡単に確認可能 |
やや難しいが、Keras により改善 |
学習曲線 | 初学者にやさしい | 定型的に学べる(ただし中身はブラックボックス気味) |
柔軟性(カスタマイズ) | 高い(研究向き) | やや低い(抽象化されすぎる場合あり) |
💡 まとめると、
- 「自分でコードをいじりながら理解したい」なら PyTorch
- 「決まった流れに沿ってサクッと動かしたい」なら TensorFlow/Keras
という形で選ぶのがわかりやすいです。
4. コード書き比べ(MNIST分類の例)
同じタスクを PyTorch と TensorFlow (Keras) で書くとどんな違いがあるのかを見てみましょう。
ここでは「シンプルな全結合ネットワーク(FC)でMNISTを分類する」例を比較します。
🔹 PyTorch版
import torch
import torch.nn as nn
import torch.optim as optim
from torchvision import datasets, transforms
# データ準備
transform = transforms.ToTensor()
train_loader = torch.utils.data.DataLoader(
datasets.MNIST('.', train=True, download=True, transform=transform),
batch_size=64, shuffle=True
)
# モデル定義
class Net(nn.Module):
def __init__(self):
super().__init__()
self.fc = nn.Sequential(
nn.Flatten(),
nn.Linear(28*28, 128),
nn.ReLU(),
nn.Linear(128, 10)
)
def forward(self, x):
return self.fc(x)
model = Net()
optimizer = optim.Adam(model.parameters())
# 学習ループ
for epoch in range(1, 3):
for data, target in train_loader:
optimizer.zero_grad()
output = model(data)
loss = nn.CrossEntropyLoss()(output, target)
loss.backward()
optimizer.step()
print(f"Epoch {epoch}: loss={loss.item():.4f}")
🔹 TensorFlow版
import tensorflow as tf
from tensorflow.keras import layers, models
# データ準備
(x_train, y_train), _ = tf.keras.datasets.mnist.load_data()
x_train = x_train / 255.0
# モデル定義
model = models.Sequential([
layers.Flatten(input_shape=(28, 28)),
layers.Dense(128, activation='relu'),
layers.Dense(10)
])
# コンパイル & 学習
model.compile(optimizer='adam',
loss=tf.keras.losses.SparseCategoricalCrossentropy(from_logits=True),
metrics=['accuracy'])
model.fit(x_train, y_train, epochs=2, batch_size=64)
PyTorch vs TensorFlow ― MNIST分類コード比較
観点 | PyTorch | TensorFlow (Keras) |
---|---|---|
データ準備 |
DataLoader で柔軟に拡張可 |
load_data() ですぐ利用 |
モデル定義 |
nn.Module で自作(柔軟) |
Sequential に積むだけ(簡単) |
学習ループ | 手動で制御(研究向き) |
model.fit() に任せる(省コード) |
コード量 | 長めだが自由度高い | 短くシンプル |
用途 | 研究・カスタム実装に最適 | 教育・実務プロトタイプに最適 |
👉 PyTorchは柔軟性重視、TensorFlow (Keras)は手軽さ重視 と覚えればOK。
✅ コード比較ポイントまとめ
- PyTorch → 柔軟で細かい制御が可能。研究や新規アルゴリズム開発に最適。
- TensorFlow (Keras) → 抽象度が高く省コード。教育・実務での素早い実装に最適。
5. 初学者におすすめなのは?
結論から言うと、初学者には PyTorch をおすすめします!
✅ PyTorch をすすめる理由
-
学習コストが低い
→ Python の書き方に近く、直感的に理解できる -
最新研究のコードが豊富
→ GitHub で公開される最先端のモデルはほぼ PyTorch 実装 -
移行のしやすさ
→ PyTorch で基礎を学んでから TensorFlow に乗り換えるのも容易
👉 初学者が「まず機械学習に触れてみたい」「論文のモデルを動かしてみたい」と思うなら、PyTorch から始めるのが最短ルートです。
✅ ただし、こんな人は TensorFlow もアリ
以下のようなケースでは、最初から TensorFlow を選ぶのも十分に合理的です。
-
IoT / モバイルアプリ開発 を前提にしている
→ TensorFlow Lite が標準的に利用されており、組み込みが簡単 -
Google Cloud など大規模運用 を見据えている
→ TensorFlow Serving や TFX によって、本番環境への導入がスムーズ
6. まとめ
- PyTorch は「研究・学習向け」:直感的で学びやすく、最新論文やGitHubの実装が豊富。初学者に最適。
- TensorFlow (Keras) は「本番運用向け」:Google製品や大規模システム、モバイル対応に強い。
💡 最初の一歩は PyTorch から始めるのがおすすめ!
その上で、必要になったら TensorFlow を学ぶ流れが効率的です。
7. 参考リンク
最後に
最後まで読んでくださり、ありがとうございました!
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