Vim初学者によるVimConf 2024参加レポート
はじめに(兼おことわり)
Zenn初投稿(というより、ブログの類の執筆自体も初めて)となります。
誤字脱字、文章表現、お作法の逸脱などありましたらご指摘いただけますとありがたいです。もちろん感想も大大大歓迎です(←むしろ、こちらの方が嬉しいです!)。
私の立ち位置
タイトルにもあります通り、私はVim初学者でございます。
昨年のゴリラ.vim #29 ~ 年末なんでもLT ~への初参加をきっかけに、ちゃんとVimを覚え始めました(他にも、Vimを覚えなければいけない状況に追込まれてしまったというのも理由ではありますが😅)。
VimConf 2024への初参加
前置きが長くなってしまいましたが、ここからが本題となります。
全国のVimmerが集う年に1回の一大イベントとして「VimConf」というカンファレンスがあるのを耳にし、これは絶対に行かなければ!と思い、2024年11月23日参加しました。当記事はその参加レポートとなります(レポートと呼べるほど仰々しい内容にはなっていませんのでご容赦いただければと😅)。
今年のVimConfの概要およびタイムテーブルについては、イベント公式サイトをご覧ください。
Keynote - The new Vim project - What has changed after Bram / Christian Brabandt氏
Christian氏は、昨年亡くなられたBram Moolenaar氏(Vim作者)の後継でVimのメンテナンスをされている方。
Bram氏逝去後のVimのプロジェクト運営について話されていました。
その中で私が最も印象に残っているのは、Bram氏が亡くなられた後でもウガンダの孤児へのチャリティを続けるという確固たる意志です。誰かのためにソフトウェアを開発、メンテナンスし続けるという精神は私も見習わなければならないと感じさせられました。
アーカイブ公開後にまたじっくり拝見させていただきます!
Keynote - (Neo)Vim Made Me a Better Software Developer / TJ DeVries氏
私も普段愛用しているnvim-telescopo/telescope.nvimの作者。
ソフトウェア開発におけるマインドセット的なお話をされていました。
最初の職では、お堅い顧客相手にかなり苦労していたとのこと。顧客からのフィードバックに時間がかかってしまい、プロダクトのアップデートにかなり時間を要してしまったようです。その点、OSSは顧客=自分であるため、シームレスにプロダクトのアップデートが図れるとのこと。
いかにこういったストレスを最小限にして開発できるかが自身のモチベーションに繋がるんだなと改めて感じました。
Lunch break
Mastering Quickfix / daisuzu氏
QuickFixを使いこなそうというお話。
お恥ずかしい話、QuickFixという機能を初めて知りました。個人的にはサクラエディタのGrep検索機能を想像してしました(Grep検索結果をクリックすると、該当のファイルを開いてくれるやつ←認識違っていましたらツッコミください!)。
今度、使ってみます!
Hacking Vim script / Kota Kato氏
まさかまさかの電通大の学生さん!
Vimのソースをhackしてみたというお話。「C言語、懐かしいな」(大学卒業以来、触ってない笑)と思いながら発表を聴いていました。しかし、聴いているうちにだんだん自分が学習したC言語の範囲を超える話が出てきて、「なんかすごいことしてるんだな〜」という小学生並😅の感想しか出てこず、大学生とは思えないKota氏の解析力にただただ脱帽しました。
Switch between projects like a Ninja 🥷 / Yuki Ito氏
私がVimに興味を持ち始めたのはこの動画の影響もあります。
Vimの中で複数のプロジェクトをNinjaのように素早く切替えられるのはすごい! 私の場合、ターミナルウインドウを何枚も立上げたり、tmux上で何個もタブを立上げたりしています。Vimの中でこういったプロジェクト移動ができるのはなかなかスマートだと思いました。
Vim meets Local LLM: Edit Text beyond the Speed of Thought / yuys13氏
Vimの中でローカルのLLM(大規模言語モデル)を動かし、書きかけのコードを推測してサジェストしてくれる機能を実装したとのこと。
職業柄、こういったAI関連の話は概要は理解しているけど、実際これらを何かしらのプロダクトに組込めと言われたら若干戸惑ってしまいます。ですがこの発表を聴いて、自分でもLLM使いこなせるんじゃね?と思わせてくれました。今度、しっかり勉強します!
Creating the Vim Version of VSCode Dev Container Extension: Why and How / mikoto2000氏
つい最近、私のXをフォローいただいたmikoto2000氏の発表(フォローありがとうございます!🙏)。
Dev Containerの中だけでVimを使えるようにしたというお話。
てっきりDev ContainerはVS Codeでしか使えない機能なのかなと思いましたが、CLI版もあるんですね。
色々な設定ファイルをコンテナ内にリンクするだけで簡単に使えるのでは?と思いましたが、クリップボードの共有にかなり苦労したとのこと。やはりCLIとクリップボードは相性が悪いんだなと感じました。
Neovim for Frontend Developers: Boosting Productivity and Creativity / ryoppippi氏
ここまででもうすぐ15:00を迎えようとしている頃でしょうか。昼食後のもわ〜んとした会場の空気を一気に吹飛したryoppippi氏の発表。
会場を縦横無尽に動き回り、自身のフロントエンド開発作業をデモンストレーションしてくれました。こうして実際に動かしているところを見ると、ますますコーディング意欲が湧いてきますね!
イギリス在住とのことですが、浴衣姿でとても大和魂溢れていました!
Building Neovim Plugins: A Journey from Novice to Pro / 2KAbhishek氏
インドからはるばる日本に来られた2KAbhishek氏。
発表では、Neovimプラグインの自身の開発プロセスについて話されていました。
初心者は何も一からプロダクトを作ろうとする必要はなく、例えば、簡単なCLIコマンドを作るなり、簡単なスクリプトを作成して作業を自動化するなり、既存のプラグインへの貢献の道は大小関わらず様々あるというのは個人的に勇気づけられました!
Can't Help Falling in Vim ~ Wise men say only fools reinvent the wheel, but I can't help building yet another fuzzy finder: Fall / Λlisue氏
新しいfuzzy finderであるvim-fall/fall.vimについて、fuzzy finderの歴史を紐解きながらお話されていました。
vim-denops/denops.vimで実装されたプラグインで、後日改めてREADMEを拝見したところ、TypeScriptで設定を記述できるとのことです。
先で述べた通り、私はTJ氏のnvim-telescopo/telescope.nvimを愛用していますが、なんとなく皆使っているから自分も使っているという節もあるので、色々なfuzzy finderプラグインを使ってみて、肌に合ったものを選びたいなと思いました。
The latest dark deno powered plugins / Shougo Matsushita氏
様々なプラグインを開発し続け、Vim界に多大な貢献をされているShougo氏。
vim-denops/denops.vim、Denoで開発したプラグイン群の設計、開発思想について話されていました。
特筆すべき思想は、「すべてユーザに設定させる」という点。デフォルト設定=すべてのユーザに最適化された設定ではないとのことで、個人的にはなあなあでデフォルト設定にしてしまっている節もあるので、確かにちゃんと自分の肌に合った設定をして、もっと作業効率を上げたいなと思いました(私は仕事柄、部署のサーバや顧客のサーバの中で作業することもあるため、あまりゴリゴリのカスタマイズ環境に慣れたくないというのも理由としてありましたが😅)。
Lightning Talks (5min x 6)
最後の小休憩を挟み、いよいよ最後のセッション!
5分間×6名のLTで、皆さま5分間で思い思いの発表をされていました。
5分過ぎてしまうと司会の方が銅鑼を鳴らして発表が打ち切られるという、眠気が一気に吹っ飛ぶ斬新なシステム笑で、最初の発表者の方が5分過ぎてしまい、オチを話す前に発表が打ち切られてしまうという事態もありました(ひょっとするとわざとオチを言わないという手法だったのかも・・・😳)。
また、発表時間が5分間で発表スライド80枚というかなり挑戦的な発表者の方もいました(これだからカンファレンスや勉強会はすごく面白いと思いました)。
こちらもアーカイブ公開後にまたじっくり拝見させていただきます!
おわりに
こうしてVimConf 2024は無事Closingとなりました。
当イベントを通じて、様々な発表者の皆さまが「大小関わらずVimへの貢献方法はある」と仰っていたので、まだ初学者の身分ではありますが、今後私も何らかの形でVimに貢献していきたいなと思いました。
来年機会がありましたら、また参加させていただきます!
最後に、発表者の皆さま、準備含めて本当にお疲れさまでした! そして、とても素晴らしい発表ありがとうございました!
運営の皆さまもこのような貴重な機会を設けていただきありがとうございました!
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