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ポスドク1,2年目の競争的研究費の申請の体験談(後編)

2023/12/22に公開

*前編で民間全部落ちてるって書きましたが一つ採択された!めでたしめでたし

某雇用

(*今後に何かあったら嫌なので名前を伏せさせて頂きます。体験談だけにするつもりだが、、)
現行のフェローシップ終了が近づいており、今年の頭一回目のミーティングで現ボスから「自分で獲ってくるか、僕の大型予算獲得を応援するかのどちらかだよ」と言われ(前者一択なやーつ)、その時にこの某雇用を教えてもらう。初めて調べたときは、私には時期尚早だと思った。でも他にお給料くれるところが見当たらないので出すことを決めた。
サポートは研究推進室さんにお願いした。さらに、某雇用に既に採択された偉大な先輩がおり、快く通った申請書を頂けた。本当にありがとうございます。審査の詳細が公開されたと思ったら、去年から〆切が1か月短くなっており、3ヵ月前セオリーが崩れ発狂した。しかも調子こいたことに沖縄旅行に行った私に飛び蹴り。それを知りつつも偉大な先輩は申請書を読み込んで、ランチの時間を使って細かくアドバイスをくれた上にランチまでごちそうしてくれた。現ボス、研究推進室さんにもいつも通り見てもらった。この時は珍しく概要の図で最後まで苦しみ、当カレンダーにお誘い頂いた河口先生に最後の最後に助けを求めて、なんとか完成した。皆様、河口先生、本当にありがとうございました。誤字脱字チェックをしてくれたラボの学生さんもありがとうございました。
書類審査は通った。本当に上記の皆様のお陰としか思えない。次は面接だった。面接はA4一枚を事前に提出し、このA4のみを使って5分間話し、残り20分で質疑応答だった。普段お世話になっている先輩たちとの焼肉の席に草案を持ち込んでアドバイスを頂いた。さらに偉大な先輩にまたお手本を頂く。本当にありがとうございます。
面接対策にまた厚かましくも模擬面接をお願いした。書類をみて頂いた皆様と、大学での経験値が高い支援部門の方にお願いした。そこでは、許可されるまで座らない、ノックは3回など超基本まで教えて頂いた(何も知らなかった私にヘッドロック、どうせアドバイスをもらって変えるだろうと原稿を暗記しなかった私にさらに腕十字固)。質疑応答のうち一つは完全0点だった、現ボスからも同じ場所に指摘有り。さらに研究内容ではないところの質疑応答も本当に冴えなかった。「某雇用の応募者のなかだったら逆に目立つかもね」「書類を通っただけでも凄いよ」と慰めをもらって模擬面接は笑いありで終了。本当にありがとうございました。A4は提出済みで修正できないので、文面を変更したが、アドバイスが人によってバラバラだったので修正が上手くできたか怪しい。。模擬面接直後に原稿を直したきり、忙しさと現実に向き合うのが怖くて二日前まで放っておいてしまった。大馬鹿野郎。
そして二日前から直前まで原稿をいじって緊張しすぎて死にそうになった。最後の最後に原稿をライターの友達に見てもらった。なんと友人は発表が5分だからと自分で録音までして確認してくれた。本当にありがとう。急いで暗記した。
面接当日、審査員は7人で5分のスピーチは時間ピッタリに終了した。質疑応答から感じたこととして、審査員は御高名な先生なのに申請書まで読み込んでくれていたようだ。質問は、背景の確認、アウトリーチ、研究者としての強みをそれぞれ3人から聞かれた。このお三方はたぶん分野が全く違うのだと思う。残り4人からは詳細な研究テーマと受入研究先について聞かれた。これらから感じたことは、先方は受入研究先と現所属が同じこと、誰にでも出来るだろというテーマもお気に召されてなかったようだ。テーマも詳細をつつかれた(だいたいは考えてたことを話した。ただそれでは満足いかなかったようだ。もっと細かいことは受かったら考えようと思っていたし、共同研究してくれるところ次第でもあったり、、、本当に時間がなかったし、、、、言い訳ゴミクソヤロウ、、、)。テーマは具体的な大発見は未だ示せないが、その前の大事な仕事だと思うし、私が今持っている経験/人脈/研究環境を最大限に使いきった現実的なラインで誰でも出来るわけじゃないのだと思ったのだけど、それが質疑応答で全然伝えられなかった。。。頭突き、目潰し、鼻フックをくらって完全にボロボロになった。(最後の質問は本当に鼻フック級の変化球だった、そんなこと考えてるわけないじゃん?私はしっかりやらかした。)
面接後数日は「こう言えば良かった」が頭の中を本当にグルグルした。面接の後いくつか刺激的なセミナーを聞いて自分のサイエンスへのパッションの増加とともに面接での後悔が増した。偉大な先輩に「この後だったらもっとパッションを伝えられた」と言ったら「パッション…?」と復唱されたので、パッションの問題ではないかもしれない。

師曰く:一瞬で良いから正直すぎるな、大げさでも自分をよく見せろ。((パッション!!))

結果

お、ち、た!面接本番で精気のなかった私の足踏んでアッパーをくらわせてやりたい。そして私の目標の中に”PI”が無いことがヘッポコの根底にある気がしてならない。だから何回受けても結果は同じだと思っている。しかし、落ちたことを現ボスに伝えたら、来年も受ければいいじゃん、って、、、、えぇ。
書類審査が通ったから研究テーマは充分なのか、でも質疑応答からすると1人は確実にお気に召して無いようだったので、内容も改善の余地あり(10%)。90%は質疑応答で研究の詳細も大して考えてないし、こいつはこのテーマを遂行できるのかって実現性に不安になったのだろうな。私も不安だよ、I totally agree、でもやりながら成長するとオモウヨ―。
応援して頂いた方々の期待を裏切る結果となって申し訳なかった。サポートしてくれた皆様にはただただ感謝を申し上げたい。

私流申請書の書き方

これまでの各経験談は時期や状況によって違うのでそこまで皆様の参考にはならないと思う。しかし、民間が全落ちでJSPS/JST/某雇用の書類が受かったことを考えると、ボスに加えてURAさんや研究推進室さんに見てもらうことの大事さを伝えられたと思う。その前段階の申請書の書き方は参考にならないかもしれないが、書いてみる。
------>書いてみたらビックリするくらい当たり前のことしか書いてない。皆こうだと思う。

  1. テーマを考える。助成金によっては目標があるので、ここは一貫していない。いくつか候補を考えつつ、論文を漁ったりするようなしないような。そして、ある日の帰り道で何かが舞い降りて「これだ」ってなることが多い。現ボスに口頭で確認をとる。
  2. 文章と図を書く。文章はまず思いつくままに書き(始めたいけど筆が進まないときはほろ酔いがベスト、それくらい頭を使わずにまず文章を量産する)、そしてキレイキレイしていく。図は紙で下書きを沢山描く。自分の満足行くまで修正を繰り返すが、どうしてもモヤモヤする箇所は後にアドバイスを貰えるだろうと人任せにしてしまうことも。
  3. 現ボスへ送る。図は未完成なこともあって大変申し訳ないが、軌道修正が必要な場合は早めにご意見を頂戴したい。ボスからの返事は1回で終了するが、もちろん重いボディをくらう。
  4. URAさんと研究推進室さんへ送る。時間の許す限り何回でも出す。内容は大きくは変わらないが、自分の考えの浅さ、日本語の下手さ、こういうデータないの?などジャブジャブストレートをくらい続ける。どんどん良くなっていって完成。

*図はセンスの無さに毎回絶望する。時間に余裕があると姉にアドバイスをもらったり修正してもらう。彼女はイラレのプロなのでセンス無いとかこの機能が使えてないと毎回言ってくる(でも一般人があの機能を使いこなすのって無理くない?)。
*研究推進室さんには、民間助成金で推薦が必要な場合は見てもらえるが、JSPSやJSTに比べたら比較的に簡単な添削だった。
*3ヵ月前から書き始めろと前編で言ったが、3に行くまでに1か月、多いと2か月弱かかる。とろい私に横エルボーからの縦エルボー。
*毎回必死である。研究を滞らせてしまったりする。楽に獲れている人をみると羨ましくなるが、人には能力差があるんだからしょうがないよね。がんばろ。

最後に、予算のことをいくら言っても必ず返ってくる
「で、論文は?」
のカウンターパンチを自分に与えてKO、ポスドク1,2年目の戦果報告を終わりにします。
調子にのって長くなりました。最後まで読んで頂き、大変ありがとうございました。

謝辞
登場人物のみならず、特にラボのテクさん、秘書さん、その他仲良くして頂いている方々には日々沢山のお心遣いを頂いている。心から感謝しています。

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