ConoHaVPSに検証用のKVMを導入した話
はじめに
最近、ConoHa VPS 上で KVM (Kernel-based Virtual Machine) を使った仮想環境を構築しました。所用でConoHa VPSを契約したのですがすぐに不要となり活用方法を模索した結果、KVMを構築してみようと考えました。本記事では、KVM の導入から仮想マシンの作成・管理までの流れを紹介します。
(本記事は初心者が備忘録的な目的で掲載してるため「わかってるよ!!!そんなこと。」と思う記述もあると思います。ご容赦ください。)
1. ConoHa VPS の準備
1.1 VPS のスペック
- OS: CentOS 9
- CPU: 2 vCPU
- メモリ: 2GB
- ストレージ: 100GB
- 仮想化方式: KVM(QEMU)
この環境で KVM を動かし、仮想マシンを作成します。
1.2 KVM のインストール
まず、KVM に必要なパッケージをインストールし、libvirtd
を有効化します。
sudo yum install -y qemu-kvm libvirt virt-manager libguestfs-tools
sudo systemctl enable --now libvirtd
KVM が有効になっているか確認:
lsmod | grep kvm
もし kvm_intel
や kvm_amd
が表示されれば、KVM の準備は完了です。
2. リモート管理の設定
KVM をリモートから管理するため、Mac の virt-manager
を使って SSH 経由で接続できるようにします。
2.1 SSH 公開鍵の設定
Mac の ~/.ssh/config
に以下の設定を追加:
Host conoha-vps
HostName <ConoHaVPSのIP>
User root
IdentityFile ~/.ssh/ConoHaVPS.pem
Port 22
ForwardX11 no
LocalForward 5900 127.0.0.1:5900
LocalForward 16509 127.0.0.1:16509
SSH接続テスト:
ssh conoha-vps
virt-manager
のインストール(Mac)
2.2 Mac で virt-manager
を利用するには、以下のコマンドでインストールします。
brew install virt-manager
virt-manager
で KVM に接続
2.3 -
virt-manager
を開く - 「ファイル」 → 「ホストへ接続」
-
接続方法:
QEMU/KVM over SSH
-
ホスト名:
conoha-vps
-
ユーザー:
root
- 「接続」ボタンをクリック
無事に接続できれば、リモートの KVM を GUI で管理できるようになります。
3. 仮想マシンの作成(ISO のダウンロードのみ CLI で実行)
3.1 ISO のダウンロード
検証用 OS として CentOS Stream 10 を使用するため、ISO をダウンロードします。
cd /var/lib/libvirt/images
wget -O CentOS-Stream-10-latest-x86_64-dvd1.iso "https://ftp.iij.ad.jp/pub/linux/centos-stream/10-stream/BaseOS/x86_64/iso/CentOS-Stream-10-latest-x86_64-dvd1.iso"
virt-manager
を使って仮想マシンを作成
3.2 -
virt-manager
を開く - 「新しい仮想マシンの作成」 をクリック
- インストール方法として「ローカル ISO イメージ」を選択
- 先ほどダウンロードした
/var/lib/libvirt/images/CentOS-Stream-10-latest-x86_64-dvd1.iso
を選択 - 仮想マシンのスペック(CPU、メモリ、ディスク)を設定
- ネットワーク設定を確認し、作成を完了
仮想マシンを起動し、CentOS Stream 10 のインストールを進めます。
4. 自動起動設定
VPS を再起動しても仮想マシンが安全に終了・再起動するように設定します。
4.1 仮想マシンの自動起動を設定
sudo virsh autostart centos-vm
すべての仮想マシンを自動起動にする場合:
for vm in $(sudo virsh list --all --name); do sudo virsh autostart $vm; done
libvirt-guests
サービスを有効化
4.2 sudo systemctl enable --now libvirt-guests
設定ファイル /etc/sysconfig/libvirt-guests
を編集:
ON_SHUTDOWN=suspend
START_DELAY=10
まとめ
今回、ConoHa VPS に KVM を導入し、仮想マシンを作成・管理できる環境を構築しました。
✅ ConoHa VPS に KVM をインストール
✅ Mac の virt-manager
からリモート接続を実現
✅ 現状スペックでもCentOS Stream 10 を仮想マシンとして動作可能
✅ VPS の再起動時にも仮想マシンが自動起動する設定
まぁまぁ使いやすく仕上がったと思います。
現状、動作確認を行う目的で、ほぼ最小スペックの構成なのでスペックアップも検討したいと思います!
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