スクラムガイドから学ぶ、スクラムの基本
この記事では、公式の「スクラムガイド」の内容をご紹介します。
「スクラムって結局なに?」「なぜスクラムをやるのか?」そんな疑問を持つ皆さんに向けて、スクラムの基礎を丁寧に見ていきましょう。
スクラムとはなにか?
スクラムガイドでは、スクラムを「複雑な問題に対応する適応型のソリューションを通じて、人々、チーム、組織が価値を生み出すための軽量級フレームワーク」と定義しています。
スクラムの流れをざっくり説明すると、次のようになります。
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プロダクトオーナーが、プロダクトで実現したいことをプロダクトバックログとして整理します。
- これは「やりたいことリスト」のようなもので、ユーザーのニーズやビジネス上の目標に基づき、やるべき項目(プロダクトバックログアイテム)が優先順位付けされています。
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スプリントでは、スクラムチームがプロダクトバックログから選んだ項目を、実際に動くプロダクト(インクリメント)へと作り上げます。
- スプリントとは、1〜4週間の短い開発サイクルのことです。この期間内に、価値のあるインクリメントを完成させることを目指します。
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スクラムチームとステークホルダーがスプリントの成果(インクリメント)をレビューし、次のスプリントの計画に活かします。
- 定期的に「今の作り方でいいのか?」「この方向で価値が出ているか?」を見直し、継続的に改善します。
このようにスクラムは、短いサイクルで「作る→レビューする→改善する」を繰り返す、反復的なアプローチを取ります。これにより、リスクを最小限に抑えながら、着実に価値あるプロダクトを育てていくことができます。
スクラムの三本柱
スクラムは、以下の3つの柱によって支えられています。
透明性(Transparency)
作業の進捗や目標、課題などがチーム内外の関係者に明確に共有されている状態を指します。透明性が低いと、誤った判断につながる可能性があります。
検査(Inspection)
進捗や成果物を定期的に検査し、目標とのズレがないかを確認します。問題や想定外の事態を早期に発見するため、検査は不可欠です。
適応(Adaptation)
検査の結果を受けて、計画やプロセスを柔軟に調整します。状況の変化に対応し、より良い成果を目指すことがスクラムでは重要です。
スクラムの価値基準:チームに必要な5つの姿勢
スクラムには、チームが従うべき5つの価値基準が定められています。
- 確約(Commitment):チームとしてゴール達成に真剣に取り組む
- 集中(Focus):スプリントゴールとプロダクトバックログに集中する
- 公開(Openness):チーム内外で、課題や困難な状況についてオープンに話し合う
- 尊敬(Respect):互いの能力や経験、意見を尊重する
- 勇気(Courage):正しいことをする勇気、困難な問題に取り組む勇気を持つ
これらの価値観をチームで共有し、日々の活動で意識することが、スクラムを成功に導く鍵となります。
スクラムの4つのイベント
スクラムでは、スプリントという短い期間の中に、4つの公式なイベントが設定されています。
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スプリントプランニング
スプリントで何(What)を開発するか、そしてそれをどう(How)達成するかを計画します。 -
デイリースクラム
開発者が毎日15分間で行うミーティング。進捗を確認し、課題を共有することで、自己管理を促進します。 -
スプリントレビュー
スプリントの成果(インクリメント)をステークホルダーに披露し、フィードバックを得る場です。 -
スプリントレトロスペクティブ
チームのプロセスや人間関係、ツールについて振り返り、改善点を見つけ出すための会議です。
この4つのイベントを通じて、チームは継続的な改善と価値の最大化を実現します。
まとめ:まずはスクラムガイドを読んでみよう
スクラムは単なる開発手法ではありません。変化の激しい現代において、チームが自律的に動き、継続的に価値を届けるための「文化」そのものです。
スクラムについて知っていても、「スクラムガイド」に目を通したことがない方は結構います。ガイドに書かれているスクラムのルールは非常にシンプルです。ぜひ一度、公式のスクラムガイドを読んでみることをオススメします。
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