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Androidエンジニアの新卒1年目振り返り

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はじめに

こんにちは。ディップ株式会社でAndroidエンジニアとして働いている藤崎です。2024年に新卒として入社し、気づけばもう1年(と数ヶ月)が経ちました。

この1年間で経験したことや感じたことを自分なりに振り返りながら、普段の仕事の様子をまとめました。ぜひ、お気軽にお読みいただけると嬉しいです。

私のバックグラウンド

まず、入社する前に私がどのような状況だったかをお話しできればと思います。

高校の時にプログラミングに興味を持ち、両親にお願いしてMacBookを買ってもらいWebサイトを作って遊んでました。
大学では情報系の学部に所属し、情報学の基礎を学びました。特にフロントエンドの技術に強い興味を持ち、React.jsやNext.jsを用いたWebアプリ開発を個人で行ったり、短期のインターンやハッカソンにも参加していました。
また、モバイル領域にも興味を持って、Flutterを用いてARや画像認識など気になった技術を試してました。

ディップを選んだ理由

私がディップへの入社を決めた理由は、主に3つあります。

「ユーザーファースト」という文化に惹かれた

エンジニア一人ひとりが「ユーザーファースト」という強い思いを持っている点が、ディップを選んだ大きな理由の一つです。私自身、ユーザーに近いフロントエンド領域に興味があったため、単に言われたものを作るだけでなく、「この機能はユーザーにとってどんな価値があるのか」という視点を持って開発に取り組める環境に魅力を感じました。

若手が挑戦できる環境だと感じた

選考の過程で社員の方々と直接お話しする機会や、ディップのテックブログを見る中で、「若手でも積極的に挑戦できる環境がある」と強く感じました。新しい技術の導入や、開発プロセスの改善提案など、年次に関わらず意見を聞いてもらえる雰囲気があることを知り、大きな魅力に感じました。

人材業界に興味があった

就職活動を通じて、多くの企業や人々と出会う中で、人材業界の重要性を強く実感しました。特に、テクノロジーの進化によって人材マッチングのあり方が大きく変わろうとしている今、技術の力で人々の働き方をより良い方向に変えていける可能性に惹かれました。学生時代にハッカソンやインターンシップで様々な企業の方々と接する機会があり、「人と人をつなぐ」ことの価値や面白さを実感したことも、人材業界に興味を持った大きな理由です。

入社後の成長と学び

4月:研修期間

入社してすぐ新卒研修が始まります。エンジニアは社会人としての基礎を学ぶ導入研修と、エンジニアとしての技術研修の2つの研修を実施しました。

研修 期間 実施内容
導入研修 1週間 会社説明、ビジネススキルなど
技術研修 約1ヶ月間 開発知識(設計、テスト)、ツール(Docker)など

最初の1週間は、エンジニアだけでなく営業、企画、デザイナーなど、すべての職種の同期が集まり、会社全体のことや基本的なビジネススキルを学びました。様々な職種の同期との交流は、会社全体を理解する上で非常に貴重な時間でした。

導入研修後は、約1ヶ月間のエンジニア向け技術研修です。設計やテストといった開発に必要な知識に加え、DockerやGitなどの実務で使われるツール、スクラムやTDD(テスト駆動開発)などの実践的な内容をハンズオン形式で体験しました。短期間ではありますが、スクラム形式でのチーム開発も経験できたのは大きかったです。座学だけでなく、実際に手を動かしながら学べたので、非常に有意義な時間だったと感じています。

5月:配属

研修が終わり、ついに配属です。私は「はたらこねっと」というプロダクトのAndroidエンジニアとしてチームにジョインしました。配属後は、実際にタスクを担当しながら設計・実装・テストといった一連の開発プロセスに携わりました。

「はたらこねっと」は歴史が長く、コードベースの規模も大きかったため、キャッチアップするのに苦労しました。そのため、最初はデザイン修正など軽微な実装から担当し、不明点は積極的に周りの先輩方に質問しながら進めていきました。

特に印象的だったのが、配属されてから2回目のタスクでバグ修正を担当した時の経験です。私が修正した箇所が他の機能に影響を与えてしまい、プルリクエスト(PR)で先輩方に数多く指摘を頂いた結果、最終的にはコメント数が60件にも。 バグ修正が他の機能に与える影響を考慮することの重要性や、コードレビューの意義を学ぶ、貴重なきっかけにもなりました。

8月:スクラム

「はたらこねっと」のアプリチームは、8月からウォーターフォール開発からスクラムへと大きく舵を切りました。研修でスクラムの基礎は学んでいたものの、実際にプロダクト開発で取り組むのはもちろん初めての経験です。

僕は、最初のスクラムチームの立ち上げメンバーとして開発に参加しました。スクラムの導入は、他職種とのコミュニケーションのハードルを大きく下げるきっかけになったと実感しています。デイリースクラムで毎日進捗を共有したり、気軽に話せる環境ができたことで、プロダクトを「いいものにしよう」という共通の目標に向かって、チーム全員が同じ方向を向いている感覚を強く持てました。確認や提案もすぐにできるので、手戻りが減り、開発のスピード感も上がったと思います。

また、このチームでは2週間という短いスプリントで開発を進め、その都度レトロスペクティブ(振り返り) を行いました。短いスパンで反省点や改善策を話し合う機会があったことで、チームが常に成長していることを肌で感じられました。スクラム導入初期は、計画がうまくいかなかったり、タスクの見積もりが甘かったりといった課題もありましたが、チームで協力して試行錯誤を重ねるうちに、開発が徐々にスムーズに進むようになりました。この経験を通じて、密なコミュニケーションと短いサイクルでの改善が、チームの生産性と品質を高めることを深く学びました。

番外編:DroidKaigi

9月にはDroidKaigiというAndroidエンジニアが集まるカンファレンスに参加しました。初めてのカンファレンス参加でしたが、社外のエンジニアの方との交流や技術セッションを通じて、普段の業務では得られない刺激と学びを得ることができました。以前DroidKaigiの参加レポートを執筆したのでもし興味があったら読んでみてください。

11月:テックリード?

11月頃に組織編成に伴いチームメンバーが変わり、Android開発者としては私以外のメンバーが全員「はたらこねっと」への参画が初めてという状況になりました。そのため、Android開発者でプロダクトについて最も詳しい立場になりました。

初めて参画したメンバーはプロダクトの知識や技術・アーキテクチャについてまだ知らない状態でしたので教えながら一緒に開発を進めることになりました。スプリントが始まる前にプロダクトや技術についての勉強会を開催したり、モブプログラミングを実施して知識を共有しながら開発を進めていきました。

開発自体も「自分がリードするぞ!」という気持ちで臨み、3ヶ月間でAndroid関連のプルリクエストのうち半分を作成しました。 初めて人に教える立場になり、責任も感じましたが、それ以上に楽しみながら開発に取り組むことができました。この経験を通じて、知識共有の重要性とその方法、チーム開発をリードする上で求められる視点、そして技術的な意思決定の責任について学びました。特に、人に教えることで自分の理解がさらに深まり、より広い視野でプロダクト全体を見れる力が養われたと感じています。

2月:Jetpack Composeの導入

「はたらこねっと」のAndroidアプリはこれまで「Android View」という技術でUIを構築していましたが、新機能開発を機に、よりモダンなUI開発フレームワークであるJetpack Composeの導入を行いました。Jetpack Composeを導入するにあたり、設計方針の検討や、Compose移行に伴うデザイン周りの制約についてデザイナーの方と密に協議を進め、最終的に3画面ほどを全てJetpack Composeで実装することができました。

例えば、従来のViewベースのUIでは記述が複雑になりがちだったリストの実装も、Composeではより直感的に記述できるようになり、開発効率の向上を実感しました。また、デザイナーとの連携では、Composeのプレビュー機能を積極的に活用することで、開発段階からUIの確認をスムーズに行い、認識の齟齬を減らすことができました。
Jetpack Compose自体が比較的新しい技術ということもあり、単純に楽しめながら取り組めました。

1年を振り返って

新卒1年目から大きな挑戦ができた

スクラムの立ち上げに携わったり、Jetpack Composeという最新技術の導入に貢献できたりと、主体的にプロダクト開発に深く関われる機会が非常に多かったことも、ディップに入社して良かったと感じる点です。自分の提案がチームやプロダクトに良い影響を与え、それがユーザーに届く喜びを味わうことができました。

周りのサポートが手厚い

どんな時でも、周りの先輩やチームメンバーが常にサポートしてくれたことが、何よりも大きかったです。どんな質問にも嫌な顔一つせず丁寧に教えてくれ、挑戦を後押ししてくれる文化がディップには根付いていると感じました。

エンジニアとしての醍醐味を感じられた

技術的なスキルアップはもちろんですが、「チームで何かを成し遂げる楽しさ」や「困難を乗り越えた時の達成感」、そして「誰かの役に立つ喜び」といった、エンジニアとしての醍醐味を存分に感じられた1年でした。ディップの温かい雰囲気と、挑戦を後押ししてくれる環境があったからこそ、ここまで成長できたと感じています。

おわりに

新卒Androidエンジニアとしての1年間を、研修から実務、そしてチームでの開発まで振り返りました。技術的な学びだけでなく、チーム開発やコミュニケーションの重要性など、エンジニアとしての総合的な成長を実感できた、非常に充実した1年でした。

この経験を活かし、今後も技術的な挑戦を続けていきたいと思います。この記事が、これからエンジニアとして働き始める方や、ディップに興味のある皆さんの参考になれば幸いです。

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