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【XP祭り登壇レポート】デザインシステムとエンジニアの新しい役割

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挨拶

こんにちは!ディップで新卒フロントエンドエンジニアをしている松田です。

先日、XP祭りで「デザインシステムとエンジニアの新しい役割」というタイトルで登壇してきました。人生初のカンファレンス登壇だったので、正直めちゃくちゃ緊張しました...!でも、プロダクト開発に携わるエンジニアの皆さんに伝えたいことがたくさんあったので、思い切って応募してみたんです。

今回は、その登壇で話した内容と、準備する中で感じたことをまとめてみます。

きっかけ:エンジニアなのにデザインの話?

入社してすぐ、会社で本格的に「AI活用を進めよう!」という話になったんです。

Claude や Cursor を使えばコード生成が爆速になるって聞いて、めちゃくちゃワクワクしてました。でも実際に使ってみると、AIが生成するコードがバラバラで統一感がない...。

「でも将来的にはAIに全部やらせられるレベルまで持っていきたいよね」ってチームで話し合って、「AIの出力を安定させるためにも、デザインシステムがほしいよね」という結論になりました。

そこでデザイナーさんと一緒に作業することになったんです。

最初は「デザインシステム = UIコンポーネント集」くらいの認識でした。でも一緒に作業していくうちに、色んな気づきがありました。

「あれ?デザイナーさんって、ただ見た目を作ってるだけじゃないんだ...」

カラーパレットひとつ決めるのにも「なぜこの色なのか」「ユーザーにどんな印象を与えたいのか」を深く考えている。余白の8pxにも意味があって、それが体験全体の統一感を作っている。

そこで「そもそもデザインって何だろう?」って疑問が湧いてきました。調べてみたら、デザインの本質は「問題解決のための設計」だと知りました。

この気づきと、デザインの本質について考えたことを、同じようにプロダクト開発に携わるエンジニアの方々と共有したい!そう思ったのが登壇のきっかけでした。

準備期間の葛藤:新卒の自分が語っていいの?

正直、めちゃくちゃ悩みました。

「新卒1年目の自分が、ベテランエンジニアが集まるカンファレンスで話していいのか...」
「もっと経験を積んでから登壇すべきじゃないか...」

でも、先輩に相談したら、こう言われたんです。

「新卒だからこそ見える視点があるし、今の時代のエンジニアが直面している課題をフレッシュな目で捉えられるのは強みだよ」

この言葉に背中を押されて、準備を進めることにしました。

本番で伝えたかった4つのポイント

1. デザインはデザイナーだけのものじゃない

これ、本当に大事だと思うんです。デザイン = 見た目を整えること、って思いがちですけど、本来は「問題の本質を見つけて解決する計画」なんですよね。

例えば、あるお客さんから「社員のモチベーションを上げたいから、ロゴを作り直してほしい」ってお願いされたとします。この場合、つい「ロゴを新しくすること」がゴールになりがちなんですが、本当の目的は「社員のモチベーションを上げること」ですよね。

もしそうなら、必ずしもロゴを変えるだけが解決策じゃありません。もしかすると「社員食堂のメニューを変える」とか「社内ネットワークを10Gbpsにする」といった方が、むしろ効果的かもしれないんです(エンジニアらしい発想ですよねw)。

つまり、本質を捉えずに見た目だけを変えても、求める成果にはつながらないんですね。

そして、こういう「問題の本質を見つけて解決する」って、まさに課題解決そのものじゃないですか。デザイナーの考え方って、実はエンジニアにもめちゃくちゃ大事なんです。

2. プロダクトの本質的な価値を見つける

先輩が話していたバイトルトークの開発事例がすごく印象的でした。「シフト調整を楽にしたい」という要望に対して、単純に自動シフト生成機能を作るだけじゃダメだったそうです。

ユーザーインタビューをしてみたら、本当の困りごとは「急な欠員が出たときの調整」で、特に店長同士の連絡のやり取りが大変だったとのこと。表面的な要望の裏にある本質的な課題を発見できたんですね。

こうした本質的な設計こそが、ユーザーのストレスを減らし、サービスの価値を高めます。チーム全員で、ユーザーの困りごとに向き合うことが大切です。そして、本来そこにこそ時間をかけるべきなんです。

3. AIとデザインシステムの組み合わせ

AIコーディングの進化で、私たちは「コードを書く作業」から徐々に解放されつつあります。でも、ただAIに任せればいいってわけじゃないんです。

そして大事なのが、ユーザーは「安心感のあるサービス」を選ぶということ。じゃあ安心感ってどうやって作るのか?それは体験が一貫していることなんです。どのページでも同じ操作感、同じ見た目。「このサービスの中にいる」という安心感が、ユーザーの信頼につながります。

この一貫性を保証するのがデザインシステム。AIが生成するコードも、デザインシステムのルールに従うことで統一感のあるUIを作れます。実際に試してみたら、デザイントークンやStorybookをAIに学習させることで、生成精度が格段に上がったんです!

4. AI時代のエンジニアの新しい役割

これが一番伝えたかったことです。

「AIがコードを書けるようになったら、エンジニアの仕事なくなるんじゃ...」

って不安になることもありますよね。でも、そうじゃないんです。

エンジニアの役割は「コードを書く人」から「価値を共に設計する人」へシフトしていく。何を作るべきか、どんな体験を届けるべきか、それを考えるのは人間にしかできない仕事なんです。

登壇を終えて:緊張したけど、めちゃくちゃ楽しかった!

正直、発表中は緊張で手が震えてました。でも、話し始めたら「これ伝えたい!」「あれも共有したい!」って気持ちが勝って、気づいたら時間いっぱい話してました。

発表が終わった瞬間、ものすごい解放感でした。緊張で声が震えていないか心配だったけど、なんとか最後まで話しきることができました。

登壇準備を通じて、普段なんとなく感じていたことを言語化できたし、バラバラだった考えを体系的に整理できたことも大きな収穫でした。

「デザインってエンジニアにも関係あるよね」
「AIと組み合わせたらもっと価値が出せるはず」
「これからのエンジニアの役割って何だろう」

こういうモヤモヤしていた考えを、スライドにまとめる過程でクリアにできたのが一番の成果でした。緊張してガチガチだった分、終わった後の達成感もすごくありました。

これからプロダクト開発に携わるエンジニアへ

同世代のエンジニアの皆さん、そしてこれからプロダクト開発に携わる皆さんに伝えたいのは、

「エンジニアだから」という枠にとらわれず、プロダクトの価値創造に積極的に関わっていこう!」

ということです。

デザインシステムの構築も、ユーザーインタビューも、価値の定義も、今後エンジニアが関わるべき領域。特にAI時代だからこそ、「何を作るか」「なぜ作るか」を考える力がより重要になってきます。

おわりに:挑戦してよかった

初めてのカンファレンス登壇、正直めちゃくちゃ緊張したし、準備も大変でした。でも、自分の考えを整理できたし、たくさんの方と議論できたし、何より「伝える」ことの楽しさを知ることができました。

もし「登壇してみたいけど、自信がない...」って思っている方がいたら、ぜひ挑戦してみてください!新卒だろうが経験が浅かろうが、あなたにしか見えない視点が必ずあるはずです。

次は、実際にデザインシステムを構築した話とか、AIツールを活用した開発効率化の具体例とか、もっと実践的な内容で登壇したいなって思ってます。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!一緒に、価値あるプロダクトを作っていきましょう!

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