DevRel/Japan CONFERENCE 2023 & DevRelCon Yokohama 2023を開催しました
3月10日と11日に、横浜にてDevRel/Japan CONFERENCE 2023とDevRelCon Yokohama 2023という2つのカンファレンスを開催しました。こちらはその運営ログになります。
開催概要
DevRel/Japan CONFERENCE 2023
DevRel/Japan CONFERENCE 2023はDevRel Meetup in Tokyoというコミュニティで運営しているカンファレンスになります。日本語のセッションのみです。
初開催は2019年で、2020年はコロナの影響と別カンファレンスを行ったために開催しませんでした。その後、2021年はオンライン、2022年はハイブリッド(オンライン + オフライン)にて開催してきました。
項目 | 内容 |
---|---|
名称 | DevRel/Japan CONFERENCE 2023 |
Webサイト | https://devrel.tokyo/japan-2023/ |
運営 | DevRel Meetup in Tokyo |
セッション | 日本語のみ |
DevRelCon Yokohama 2023
DevRelConはロンドンに会社があるHoopy社が2015年からはじめたグローバルカンファレンスになります。日本ではMOONGIFTがフランチャイズとして、2017年から開催しています。特徴は全セッション英語(日本人も)で、ロンドンやサンフランシスコで行っているDevRelConの雰囲気を感じられるように心がけています。
項目 | 内容 |
---|---|
名称 | DevRelCon Yokohama 2023 |
Webサイト | https://yokohama-2023.devrelcon.dev/ |
運営 | MOONGIFT + DevRel Meetup in Tokyo |
セッション | 英語のみ |
なぜ横浜?
どちらのカンファレンスもこれまでは東京で行ってきましたが、今回ははじめて横浜に移動して開催してきました。コロナ禍も落ち着きつつある中、オフラインでの開催としましたので、どうせなら場所も東京ではないところでやってみたいと思ったのがきっかけです。
なぜ横浜かと言えば、主催者の私が住んでいるからです。海もあるし、遊園地もある、ガンダムファクトリーやカップヌードルミュージアム、ポケモンセンターなど日本の文化を感じられる場所が多数あるので、外国人にも楽しんでもらえるかなと思って選択しました。
タイムライン
カンファレンスのタイムラインはだいたい以下のようになっています。カンファレンス運営する際の参考にしてください。
- 2022年
- 10月頭 開催決定(私の中で)。運営メンバーを募る
- 10月16日 キックオフミーティング(オンライン)定例は隔週、1ヶ月切ってからは毎週
- 10月25日 DevRel/Japan CONFERENCE 2023のWebサイトオープン
- 11月16日 DevRelCon Yokohama 2023のWebサイトオープン
- 12月15日 DevRel/Japan CONFERENCE 2023のCFP締め切り
- 12月末 DevRelCon Yokohama 2023のCFP締め切り
- 2023年
- 1月頭 DevRel/Japan CONFERENCE 2023の登壇者がほぼ確定
- 1月末 DevRelCon Yokohama 2023の登壇者がほぼ確定
- 2月15日 スポンサー締め切り
- 2月20日 印刷物の発注完了
- 3月9日 非公式のスピーカーディナー
- 3月10日 カンファレンス1日目 + 公式スピーカーディナー
- 3月11日 カンファレンス2日目 + アフターパーティー
今回の辛み
現在、アメリカやヨーロッパの企業は軒並み景気減衰に苦しんでいます。そのため、スポンサー予算が出なかったり、スピーカーがレイオフされたり、渡航費が出ないといった問題が多発しました。日本はコロナ感染者数を細かく測定していることもあって世界最大の感染国として印象づけられており、その点でも渡航を懸念する声もありました。
さらにコロナ禍で飛行機の便数が減っているために、航空券が軒並み高い(コロナ禍前の1.5〜2倍程度)状況もマイナスでした。
そんな不利な状況ではありましたが、多くの日本企業からスポンサーしていただき、無事カンファレンスは開催できました。日本企業ではエンジニアとのリレーションを作る、求人につなげる動きが活性化しているのはプラス効果だったと思います。
オフライン開催について
コロナ禍になってカンファレンスがオンライン開催になって感じたのは、運営がとても楽だと言うことです。精神的、肉体的負担がとても少ないです。カンファレンス当日であっても、緊急時には家族のサポートでもできますので、家族にも優しい開催形態だと言えます。反面、参加者とのコミュニケーションは希薄になりがちで、やっても面白みがないというのが実感としてありました。
そこで、2022年にはオフラインとオンラインを組み合わせた、いわゆるハイブリッド開催にて行いました。しかし、これはあまり良い体験とは言えなかったです。オンラインとオフライン、2つの選択肢があれば大抵の人はオンラインを選ぶものです。私自身、強いニーズがなければオンラインを選んでしまっています。
そのため、今回は思い切って完全にオフラインに振りました。結果から見れば、これで良かったと思います。参加者の方もオフラインは楽しいといってくれていましたし、運営としても楽しめました。もちろん、肉体的・精神的・予算的負荷は相当大きいですが…。
運営チーム
オンラインカンファレンスはあまり人数がいなくても回せるということもあり、運営メンバーが年々減少傾向にありました。しかし、今回はオフライン開催ということ、さらに運営を活性化したいという考えで、人数を一気に増やしました。その結果、20名以上の運営メンバーが揃っています。これは当日スタッフなしの人数です(当日スタッフは募集しませんでした)。
この人数を7つのチームに分けています。兼任の人も多いです。役割を細分化することで、個々のタスクが明確になります。改善すべき点もありましたが、おおむねうまく回ったかなと思います。
- Webサイト
- 参加者向け
- 会場
- ソーシャル
- スピーカー
- デザイン
- スポンサー
資料など運営で利用するドキュメントはすべてGoogleドキュメントとスプレッドシートで管理しています。あまりツールを増やすと、どこを見れば良いか分からなくなるので、なるべくツールは絞っています。
後、ミーティングはZoomなどで行いつつ、YouTubeへ保存(アンリスト)しています。当日参加できなかった人は必ずそちらと議事録をチェックしてもらうフローになっていました。
システム
今回はWebサイトを以下のように運営しています。DevRel/Japan CONFERENCE 2023のホスティングがGitHub Pagesなのは、サイト全体がGitHub Pagesであり、そのディレクトリを切る形でカンファレンスサイトが存在するからです。
DevRelCon Yokohama 2023はカンファレンス毎に毎年URLが違うので、デプロイ先も色々(最初はS3だったり、翌年はGitHub Pagesだったり…)です。
後、特徴的なのはCFP(プロポーザル)の投票をGoogle Apps Scriptで行っていたり、色々な問い合わせや申し込みをSlackで通知する仕組みがあったり、カンファレンス用のメールアドレスに送られたメールはGoogleシートに記録した上でSlackへ通知されます。これはSendGridのInbound Email Parse Webhookを使っています。
スピーカー対応
インタビュー
カンファレンスへの登壇が決まった方には、スピーカーインタビューを実施しています。今回は運営メンバーが頑張ったお陰で、全員とスピーカーインタビューができました。
DevRel/Japan CONFERENCE 2023
DevRelCon Yokohama 2023
スピーカーインタビューはスピーカーの人と多少でも話すことで仲良くなれたり、スピーカーがカンファレンスのことを忘れないきっかけにもなります。当日の内容に触れることで、多少考えが整理される効果もあります。もちろん、カンファレンスの宣伝にもなるので、個人的にはお勧めです。
DevRel Meetupとしては、これをDevRel/Asia 2020というカンファレンス運営を行ったときから実施しています。
ビザ
今回最も個人的に苦労したのがビザかも知れません。アメリカ、EUが景気後退にあって、今DevRelが盛んなのがインドです。そのため、今回はインドから来日してくれている人が大勢いました。そして、インド国籍の方が来日する際にはビザが必要です。他にもウクライナやロシア、南アフリカ、中国国籍の方もビザが必要でした。
ビザ申請で必要な書類が様々ですが、それらを用意して各自に送付する必要があります(一部の国ではデジタル版を印刷する形でも大丈夫だったようです)。そのドキュメントと、彼らの渡航計画と合わせて大使館や総領事館にビザ申請する必要があります。大都市であれば良いですが、地方に住んでいる場合はそこまで移動して申請したり、代理店を頼る必要があります。
コロナ禍もあって、EMSが届くのに日数がかかったりして、相当やきもきさせられました。結果として、全員ビザが通ったのがちゃんと確認できたのは2月27日でした。無事全員来日できて良かったです。
なお、この手続きを日本の代理店に依頼する場合、一人当たり5万円くらいかかります。今回十数名いましたので、それだけで50万くらいかかるでしょう。自分で手続きはできますが、やきもきしたくない場合は依頼しても良いかもしれません。
コミュニケーション
はじめて来日する人もいますし、カンファレンスの内容を伝えるために何らかのメッセージ手段が必要です。これまでSlackやDiscordなどを試してきましたが、どうもしっくり来ませんでした。カンファレンスまでの間、数ヶ月のためにSlackに常時いてくれる人は少ないですし、見逃される率も高いです。
そこで、今回はTwitterのDMを利用しました。それぞれのカンファレンスごとに登壇者 + サポートする運営メンバーが加わったTwitterグループを作って、その中でコミュニケーションしました。もちろんTwitterアカウントがない人もいるので、メールでも連絡も必要です。とはいえ、ほとんどのスピーカーとのコミュニケーションはTwitterグループ内で完結できることが多かったように思います。
カンファレンス当日
カンファレンス当日はとにかく楽しいの一言に尽きます。1日目は金曜日だったので、人の集まりが悪いかもと予想していたのですが、予想以上に集まってくれていました。
両カンファレンスは同じフロアで行われており、日本人の方がちょっと英語セッションを聞いてみるといった具合にDevRelConにも参加してくれていました。DevRelCon Yokohama 2023を単独開催していた場合、このようなカジュアルな楽しみ方ができない(全部英語だ、と覚悟を持って臨まないといけない)ので、やはり同時開催は良かったと感じています。
実際のカンファレンスの様子については#DevReljpのハッシュタグや#DevRelConのハッシュタグをご覧ください。近く、Togetterにもまとめが出るはずです。
運営
今回は1日目が午後から、2日目も11時からとあって前日準備は行いませんでした。当日の朝集まって、そこから準備を行っています。会場の担当者の方が椅子やプロジェクターなどをセットアップしてくれているので、ある程度時間の余裕もありつつ、準備完了できています。
カラオケ
DevRelConにはなぜかカンファレンスが終わるとカラオケに行くという文化があります(元々は東京が発端ですが、その後ロンドンや中国でもカラオケに行くようになりました)。今回もご多分に漏れず、カンファレンスの2次会はカラオケ大会になっています。
裏話イベントやります
この辺りの内容含め、両カンファレンスを通じた裏話イベントはDevRel/Japan CONFERENCE 2023報告会 - connpassにて共有します。お金周りを含めたぶっちゃけトークがあるので、カンファレンス運営に興味がある方はぜひご参加ください。
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