Azure設計プロンプト
シンプルかつ網羅的なAzure設計を生成するAIプロンプトの核心は:
- 構造化された出力フォーマット:エグゼクティブサマリーからアーキテクチャ概要、各サービス選定まで、体系的な章立てと要求内容を明確化
- Azureサービス階層の具体的な選定根拠:VM、App Service、AKS、Functionsなど、各コンピューティングサービスの具体的なSKUやサイズ選定理由を明示
- Microsoft Entra IDを中心とした包括的ID管理:ハイブリッドID、条件付きアクセス、特権アクセス管理など、Azureの強みを活かした設計を促進
- ハイブリッド環境の徹底考慮:オンプレミスとクラウドの共存を前提とした設計指針を組み込み、現実的な移行シナリオに対応
- Well-Architected Frameworkの適用:信頼性、セキュリティ、コスト最適化、パフォーマンス効率、運用上の優秀性の5つの柱に沿った分析を要求
このアプローチにより、Azureの強みである統合ID管理、ExpressRoute接続、Azure Policy/Blueprintsによるガバナンス制御など、ハイブリッドクラウド対応、Microsoft統合エコシステムの利点を最大限に活かした設計が可能になります。企業の既存Microsoft環境(Active Directory、SQL Server、Microsoft 365など)との親和性を考慮した移行戦略や、Azure特有のライセンス最適化(Azure Hybrid Benefit)も含めた包括的な設計書を効率的に作成できます。
※このプロンプトは量が多いため、設計対象のスコープに応じて必要なセクションのみを抜粋して使用することをお勧めします。特に、重点を置きたい領域(例:セキュリティ設計、ハイブリッド接続など)を選択することで、より焦点を絞った設計が可能です。
以下の要件に基づいて、詳細かつ実装可能なAzureアーキテクチャを設計してください。各セクションでは、選定理由、パラメータ設定の根拠、代替案との比較、制約条件への対応方法を必ず詳細に説明してください。
【システム概要】
{システムの目的と概要 - 例: クラウドネイティブなeコマースプラットフォームで、商品カタログ管理、注文処理、支払い処理、顧客管理機能を提供する}
{想定ユーザー数・アクセス数 - 例: 月間アクティブユーザー10万人、ピーク時1000リクエスト/秒、平常時100リクエスト/秒}
{データ処理量と成長予測 - 例: 現在のデータ量は50GB、年間50%の成長率を予測}
{既存のMicrosoft環境 - 例: オンプレミスのActive Directory、Microsoft 365、SQL Serverなどとの連携要件}
【ビジネス要件】
{システムが満たすべきビジネス要件 - 例: 24時間365日の可用性、モバイルファースト設計、決済処理の安全性確保、将来的な海外展開}
{SLA要件 - 例: 99.9%の可用性(月間ダウンタイム43分以内)、ピーク時のレスポンスタイム1秒以内}
{将来の拡張計画 - 例: 1年後にB2B機能の追加、2年後に海外5カ国へのサービス展開}
{ハイブリッド環境要件 - 例: 一部システムはオンプレミス継続、段階的クラウド移行など}
【ハイブリッド環境の詳細】
ハイブリッド環境とは、オンプレミス(自社データセンター)とAzureクラウドの両方を組み合わせて運用する形態です。以下の情報を明記してください:
- オンプレミスで継続利用する理由(規制要件/既存投資活用/移行リスク軽減など)
- オンプレミスに残す予定のシステム・データ(例:基幹系システム、機密データ、特殊ハードウェア依存システム)
- クラウドへ移行する予定のシステム・データ(例:Webサイト、メール、開発環境)
- オンプレミスとクラウド間の通信要件(帯域幅、レイテンシ、頻度)
- オンプレミスとクラウド間で共有する必要があるリソース(ID情報、データ、ファイル等)
- 緊急時のフェイルオーバー要件(クラウド→オンプレミス、またはその逆)
【非機能要件】
- 可用性要件:{例: 99.95%の可用性(年間ダウンタイム4時間以内)、計画メンテナンス含む}
- スケーラビリティ要件:{例: セール時に通常の5倍のトラフィック(5000リクエスト/秒)に対応、年間30%の成長対応}
- パフォーマンス要件:{例: API応答時間200ms以内、画像読み込み1秒以内、検索応答0.5秒以内}
- セキュリティ要件:{例: PCI DSS準拠、個人情報保護法対応、多要素認証、すべての通信をTLS 1.2以上で暗号化}
- 運用要件:{例: 24時間365日の監視体制、障害検知から15分以内のアラート、毎月2時間のメンテナンスウィンドウ}
- 回復要件:{例: RPO 1時間(1時間分のデータ損失許容)、RTO 4時間(4時間以内の復旧)}
- コンプライアンス要件:{例: GDPR対応、地域データレジデンシー要件など}
- パッチ管理要件:{例: セキュリティパッチの適用タイミング、検証プロセス、コンプライアンス報告など}
【技術的制約】
{既存システムとの統合要件 - 例: オンプレミスのActive DirectoryとのMicrosoft Entra ID(旧Azure AD)連携、SQL Server 2016からAzure SQLへの移行}
{利用可能な技術スタック・開発言語 - 例: バックエンド(.NET Core, Java)、フロントエンド(React)、DevOpsツール(Azure DevOps, Bicep/ARM)}
{チームのAzure技術スキルレベル - 例: アーキテクト1名(Azure認定ソリューションアーキテクト)、開発者5名(Azure基礎知識あり)}
{Azureテナント/サブスクリプション構成 - 例: 本番/開発/テスト環境を別サブスクリプションで管理、Azure管理グループで一元管理}
{ハイブリッド接続要件 - 例: ExpressRoute接続の帯域幅とSLA要件、VPN接続の許容度など}
【予算制約】
{初期構築予算 - 例: 初期構築費500万円以内}
{月間運用予算 - 例: 月額運用コスト30万円以内、年間で見直し}
{コスト最適化の優先度 - 例: コストよりも可用性・セキュリティを優先するが、無駄な支出は避ける}
{既存ライセンスの活用 - 例: Azure Hybrid Benefitの適用可能性や既存のEAライセンスなど}
【出力形式】
提案するアーキテクチャは、各セクションで最低500-800単語程度の詳細な説明と具体的なパラメータ、コンフィギュレーション例を含めてください。Azure Well-Architected Frameworkの5つの柱に沿った分析を盛り込み、各サービスの選定理由を説明してください。
1. エグゼクティブサマリー(300-500単語)
- 設計方針と重要ポイントの要約
- システム全体像の概略図(テキスト表現)
- Azure Well-Architected Frameworkの5つの柱に基づく評価のサマリー
- ハイブリッドクラウド戦略の概要(該当する場合)
2. アーキテクチャ概要(800-1000単語)
- 全体アーキテクチャの詳細説明と論理構成図(テキスト表現)
- リソース管理体系(Microsoft Entra ID(旧Azure AD)、管理グループ、サブスクリプション、リソースグループ)の設計
- 認証・認可モデル(SSO、権限管理、アプリケーションアクセス制御)の概要
- 主要Azure構成要素のリストと各要素の役割・相互関係
- リージョン選択の理由:
* 選定したリージョンとその根拠(レイテンシ、コスト、コンプライアンス等)
* マルチリージョン構成の採用/不採用の根拠
* 可用性ゾーン (AZ) の活用方法と耐障害性の分析
- 主要データフローの詳細説明(ユーザーリクエストから応答までの流れ)
- ビジネス要件と非機能要件の充足方法
- システム境界と外部接続点の定義
- プライベート接続設計(VNet統合、プライベートエンドポイント、サービスエンドポイント)
- ハイブリッドクラウド構成の詳細(該当する場合):
* オンプレミスとクラウド間の接続アーキテクチャ
* ID統合アプローチ(Microsoft Entra IDとオンプレミスADの連携方法)
* データ同期メカニズム
3. Azureサービス選定詳細(各サブセクションで500-800単語、具体的パラメータと設定値を含む)
3.1 コンピューティングサービス
- 採用したコンピューティングサービス(Azure VM/AKS/App Service/Functions等)の詳細とその選定理由
- Azure VMの場合:
* VMシリーズとサイズの選定理由(例:Dsv5シリーズ, D8s v5等)
* vCPU数、メモリサイズ、ネットワークパフォーマンス、ストレージ設定の根拠
* OSイメージ選択(Windows Server/Ubuntu/RHEL等)とその理由
* Azure Hybrid Benefitの適用判断
* VMカスタム拡張機能の選定
* Azure Arc との統合検討(ハイブリッド管理)
- Azure App Serviceの場合:
* App Serviceプラン選定(サイズ、価格帯)と根拠
* App Service環境 (ASE) v3の採用/不採用の判断
* スロット設定と展開戦略
* 自動スケール設定と根拠
* VNet統合設定の詳細
- コンテナサービス(AKS/Container Apps/Container Instances)の場合:
* サービス選定の判断根拠
* クラスタ/ノードプール設計
* ポッド構成と配置戦略
* ノードサイズと容量計画
* AKSの場合はVMSSとの連携設計、マネージドID活用方法
- Azure Functionsの場合:
* ホスティングプラン(消費/Premium/専用)の選定理由
* メモリ割り当てとパフォーマンス設定
* 実行ランタイム選択理由
* トリガー設定と統合詳細
- 自動スケール設定:
* スケーリングポリシー詳細(メトリックベース/スケジュールベース)
* スケールアウト/インのしきい値と根拠
* 最小/最大インスタンス数の根拠
- コンピューティングリソースの冗長性設計:
* 可用性セット/可用性ゾーン/リージョン冗長の選択
* フェイルオーバーメカニズム
* ヘルスチェック設定と根拠
3.2 ネットワーク設計
- VNet設計の詳細:
* CIDR設計と算出根拠(例:10.0.0.0/16の選定理由)
* サブネット設計と配置戦略(パブリック/プライベート)
* サブネットCIDRのサイジング計算
* 可用性ゾーン間の分散方針
* 将来の拡張性を考慮したIP空間の予約
- Azure基盤サービスサブネット設計:
* Azure Firewall用サブネット
* Azure Bastion用サブネット
* Gateway用サブネット
* Azure Application Gateway用サブネット
* プライベートエンドポイント用サブネット
- インターネット接続設計:
* パブリックIPアドレス割り当て戦略(Standard vs Basic)
* NAT Gateway設計と必要なインスタンス数
* アウトバウンド接続の最適化
- ルーティング設計:
* ルートテーブル設計の詳細
* サブネット関連付けの方針
* ユーザー定義ルート(UDR)の設定と根拠
- セキュリティ設計:
* ネットワークセキュリティグループ(NSG)詳細(各ルールの根拠を含む)
* アプリケーションセキュリティグループ(ASG)の活用方針
* サービスタグの活用方法
* Azure DDoS Protection Standardの適用判断
* Azure Web Application Firewallポリシー設計
- ハイブリッド接続設計:
* ExpressRouteの設計と帯域計算:
- オンプレミスとAzure間のトラフィック量分析と必要帯域の算出
- 回線冗長性(プライマリ/セカンダリ)の設計
- プロバイダー選定の考慮点
* VPN Gateway設計(SKU選定、アクティブ/アクティブ vs アクティブ/パッシブ)
* Virtual WAN活用の判断
* 接続セキュリティと暗号化設定
- グローバルネットワーク機能(該当する場合):
* Azure Front Door/Traffic Manager/Application Gatewayの使い分け
* Azure DNSとプライベートDNSゾーン設計
* Virtual Network Peeringの設計と接続マトリクス
* Azure CDNの設計
3.3 ストレージサービス
- データ分類と保存要件の分析:
* データタイプ別の容量予測と成長計算
* データライフサイクル(作成、読み取り頻度、保存期間、削除)の分析
* ストレージ耐久性と可用性の要件分析
- Blob Storageの設計:
* ストレージアカウント種類の選定と根拠
* アクセス層(Hot/Cool/Archive)選定とライフサイクル管理ポリシー
* 冗長性オプション選択(LRS/ZRS/GRS/GZRS/RA-GRS)と根拠
* プライベートエンドポイント設計
* 共有アクセス署名(SAS)ポリシー
* イミュータブルストレージの検討
- Azure Files設計:
* ファイル共有タイプ(Standard/Premium)選定と根拠
* SMB/NFS選択の根拠
* アクセス制御設計
* 共有サイズとIOPSの計算
* バックアッププラン
- マネージドディスク設計:
* ディスクタイプ選定
* キャッシュ設定の最適化
* ディスクサイズとIOPS/スループット計算
* スナップショット戦略
* ディスクの暗号化設定
- データ転送戦略:
* データ移行/インポート方法の設計
* 大容量データ転送オプションの検討結果
- バックアップ戦略の詳細設計:
* Azure Backup設定
* Microsoft Azure Recovery Services vaultの構成
* バックアップポリシー、スケジュール、保持期間の設定と根拠
* バックアップ間隔とRPO達成の検証
- ハイブリッド環境のストレージ戦略:
* オンプレミス・クラウド間のファイル共有(Azure File Sync)
* ハイブリッドバックアップソリューション
3.4 データベースサービス
- データモデルとワークロード分析:
* データ種類(リレーショナル/NoSQL/時系列等)の特定と要件
* トランザクション要件の分析
* データボリュームとアクセスパターンの予測
* 読み取り/書き込み比率の分析
- データベースエンジン選択:
* 選定したデータベースサービスとその選定理由
* 選定サービスがワークロードにどう適合するかの説明
* オンプレミスからの移行経路(該当する場合)
- Azure SQL設計(該当する場合):
* デプロイオプション(SQL Database/Managed Instance/SQL VM)選定と根拠
* サービス階層(DTU/vCore)とパフォーマンスレベル選定
* サーバーレスvsプロビジョニングの選択
* エラスティックプール設計(該当する場合)
* ハイパースケール検討
* ゾーン冗長/自動フェイルオーバーグループ設定
* Azure Hybrid Benefit活用方針
- Azure Cosmos DB設計(該当する場合):
* APIモデル選択(SQL/MongoDB/Cassandra/Gremlin/Table)と根拠
* パーティショニング戦略
* 整合性レベル選択と根拠
* スループット(RU/s)計算と自動スケーリング設定
* インデックス設定の最適化
* マルチリージョン書き込み設計
- その他のデータベースサービス(該当する場合):
* Azure Database for MySQL/PostgreSQL設計
* Azure Cache for Redis設計
* Azure Synapse Analytics設計
- データベースアクセス設計:
* 接続プーリング設計と最適化
* 認証メカニズム(Microsoft Entra ID/SQL認証)
* プライベートエンドポイント設計
- データベースのバックアップとDR:
* 自動バックアップと長期保持設定
* ポイントインタイムリカバリ(PITR)の構成
* アクティブジオレプリケーション/フェイルオーバーグループ設計
* ビジネス継続性計画と手動/自動フェイルオーバープロセス
- ハイブリッド環境のデータベース戦略:
* オンプレミスデータベースとAzureデータベース間の連携
* ハイブリッドディザスタリカバリ設計
3.5 アプリケーションサービス
- ロードバランサー設計:
* ロードバランサータイプ選定根拠
* SKU選定(Standard vs Basic/V2 vs V1)
* バックエンドプール設計とヘルスプローブ設定
* ロードバランシングルール詳細
* セッション持続性設定(該当する場合)
- CDN設計(Azure CDN/Front Door):
* プロファイル設定と価格レベル選定
* エンドポイント設計
* キャッシュルール設計
* カスタムドメインとTLS証明書管理
- API設計(API Management/Logic Apps):
* API Managementの階層選定
* 開発者ポータル要件
* APIポリシー設計(認証、スロットリング、変換)
* サブスクリプション管理
* バックエンド統合
- メッセージングサービス設計:
* サービス選定(Service Bus/Event Grid/Event Hubs)と理由
* トピック/キュー/サブスクリプション設計
* プロセス間通信パターン選定根拠
* メッセージ処理保証の確保方法
* デッドレターキュー設計
- キャッシュ戦略:
* Azure Cache for Redis設計
* キャッシュパターン選定
- サーバーレスアーキテクチャ:
* Azure Functions連携設計
* Logic Apps設計
* イベント駆動アーキテクチャの実装詳細
- ハイブリッド環境のアプリケーション統合:
* オンプレミスAPIのクラウド公開
* ハイブリッドメッセージングパターン
3.6 開発者ツールとDevOps
- CI/CD設計:
* パイプライン設計(Azure DevOps/GitHub Actions)
* ビルド/リリース定義詳細
* 環境別デプロイ戦略(Blue-Green/Canary/Rolling)
* Infrastructure as Code選定と理由
* シークレット管理(Key Vault連携)
- 開発環境設計:
* 開発ライフサイクル管理
* 開発/テスト/ステージング/本番環境の分離手法
- ガバナンス設計:
* Azureサブスクリプション/管理グループ設計
* タグ設計と命名規則
* Azure Policy/Blueprintsの適用方針
* RBAC設計とカスタムロール
- ハイブリッド環境のDevOps:
* ハイブリッド環境向けCI/CD
* 環境間の構成差異管理
4. ID管理とアクセス制御(600-800単語)
- ID基盤設計:
* Microsoft Entra ID(旧Azure AD)のテナント設計(シングル/マルチテナント)
* ライセンスレベル選定(Free/P1/P2)と機能要件の対応
* ディレクトリロール設計とカスタムロールの活用
* 命名規則とグループ分類体系
- シングルサインオン(SSO)設計:
* SSO対象アプリケーションの選定と分類
* 認証プロトコル選定と設定
* アプリケーション登録と証明書管理
* ユーザーエクスペリエンス設計
- ハイブリッドID管理:
* Microsoft Entra Connect(旧Azure AD Connect)設計
* ハイブリッドAzure AD参加デバイス設計
- 多要素認証(MFA)と条件付きアクセス:
* MFA導入戦略とユーザー展開計画
* MFA認証方式の選定と構成
* 条件付きアクセスポリシー設計
* パスワードレス認証戦略
- アプリケーション認証と認可:
* OAuth 2.0/OpenID Connectフロー設計
* マネージドID活用
- 特権アクセス管理:
* Microsoft Entra Privileged Identity Management(旧Azure AD PIM)の設計
* ロール昇格の監査と報告
- ID保護と侵害検出:
* Microsoft Entra ID Protection(旧Azure AD Identity Protection)設定
5. セキュリティ設計(800-1000単語)
- 全体的なセキュリティアーキテクチャ:
* 多層防御設計の詳細
* セキュリティの責任共有モデルの実装方法
* コンプライアンス要件への対応策
* Microsoft Defender for Cloud(旧Azure Security Center)セキュリティベースラインの設定
- データ保護:
* 保管中データの暗号化方式
* 転送中データの暗号化設計
* キー管理戦略
* 機密情報管理
* データ損失防止(DLP)対策
- ネットワークセキュリティ:
* Azure Firewall/Azure Firewall Premium設計
* Web Application Firewall(WAF)設計
* DDoS Protection Standard適用判断
* プライベートリンク/プライベートエンドポイント戦略
* NSGフローログとトラフィック分析
- 監視・検出:
* Microsoft Defender for Cloud(旧Azure Security Center)設計とセキュリティ対策スコア目標
* Azure Monitor/Log Analytics設計
* Microsoft Sentinel SIEM/SOAR設計(該当する場合)
* セキュリティアラート管理と対応自動化
- インシデント対応:
* セキュリティインシデント対応プロセス設計
* 自動修復メカニズム設計
* インシデント対応プレイブック
- コンプライアンス:
* コンプライアンスドキュメント管理
* 監査ログ保存設計
* プライバシー規制対応の技術的措置
- ハイブリッド環境のセキュリティ統合:
* 統合ID管理
* セキュリティ監視の統合
* ハイブリッド環境のデータ保護
6. 高可用性とDR設計(800-1000単語)
- 可用性設計の基本方針:
* 単一障害点の排除方法の詳細
* ティア別の可用性設計(フロントエンド/バックエンド/データ層)
* 回復性パターンの適用
* SLAの複合計算と分析
- 可用性ゾーン活用:
* サービス別の可用性ゾーン配置設計
* ゾーン冗長ストレージ/サービスの活用
* 各コンポーネントのゾーン分散戦略
- リージョン障害対策:
* マルチリージョン設計(該当する場合)
* Azure Traffic Manager/Front Door活用によるリージョンルーティング
* リージョン間のデータ同期メカニズム
* リージョンペアの活用戦略
- 災害復旧(DR)戦略:
* DR手法の選択(Cold/Warm/Hot)と根拠
* RPO/RTO達成のための実装詳細
* Azure Site Recovery設計
* データバックアップとリカバリプロセス
- フェイルオーバー自動化:
* ヘルスチェック設計(間隔、閾値、タイムアウト)
* 自動フェイルオーバートリガー設定
* Traffic Manager/Front Doorフェイルオーバー設定
* データベースフェイルオーバーグループ設定
- ハイブリッド環境の可用性設計:
* ハイブリッドディザスタリカバリ
* クロス環境ロードバランシング
* 相互バックアップ戦略
7. 運用監視設計(600-800単語)
- 監視戦略:
* Azure Monitor設計(メトリック監視、ログ収集、アラート)
* Log Analytics Workspace設計と収集データ範囲
* Application Insightsによるアプリケーション監視
* カスタムダッシュボード設計
- アラート設計:
* メトリックアラートとログアラートの設定
* アクショングループと通知チャネル(Email/SMS/Teams等)
* エスカレーションプロセス
* アラートの静粛化戦略
- 診断・トラブルシューティング:
* 診断設定と診断ログ収集方法
* ネットワークワッチャー活用
* パフォーマンスボトルネック特定方法
* Azure Resource Health統合
- 自動化とオーケストレーション:
* Azure Automation設計(Runbook、Desired State Configuration)
* 自動修復シナリオの実装
* ルーチンタスクの自動化
- ハイブリッド環境の運用監視統合:
* オンプレミス・クラウド統合監視
* 統合管理コンソール
* 一貫性のあるパッチ・更新管理
8. パッチ管理戦略(400-600単語)
- 全体的なパッチ管理戦略:
* パッチ適用ポリシーの設計
* パッチメンテナンスウィンドウ設計
* パッチコンプライアンスレポーティング
- Azure Update Management設計:
* Update Management範囲と展開範囲
* 更新スケジュールとデプロイメント設計
* 更新プログラム管理の自動化
* ハイブリッド更新管理
9. コスト管理と最適化(600-800単語)
- コスト分析フレームワーク:
* Azure Cost Management設計
* タグベースのコスト配分とチャージバック
* 予算設定とアラート
* コスト予測と分析
- 最適化戦略:
* Azure予約インスタンスとSavings Plans活用
* Azure Hybrid Benefit適用範囲
* 自動スケーリングとスケジュールベースの電源管理
* 未使用リソースの特定と削除プロセス
- ライセンス管理:
* 既存ライセンスの活用方法
* サブスクリプション最適化
- ハイブリッド環境のコスト最適化:
* TCO(総所有コスト)分析
* Azure Hybrid Benefitの戦略的活用
* コスト配分戦略
10. 移行戦略(該当する場合、600-800単語)
- 移行アプローチ:
* リホスト/リプラットフォーム/リファクタリング選定根拠
* 段階的移行計画(フェーズ分け)
* 依存関係マッピングと移行順序
* ランディングゾーン設計
- 移行ツールと方法:
* Azure Migrate活用戦略
* データベース移行計画
* 移行テストと検証プロセス
- 移行中の並行運用:
* ダウンタイム最小化戦略
* 切り戻し計画
* ハイブリッド運用期間の設計
* 移行後の最適化プラン
以下、chatgptの出力例(1章から4章)
1. エグゼクティブサマリー(約400 words)
本提案は、クラウドネイティブなeコマースプラットフォームをAzure上に構築するためのアーキテクチャ設計を示したものです。本システムは、商品カタログ管理・注文処理・支払い処理・顧客管理などの機能を24時間365日提供し、モバイルデバイスからのアクセスに重点を置いています。想定ユーザー数は月間アクティブユーザー10万人、ピーク時には1,000リクエスト/秒という高負荷を想定し、年間50%のデータ成長を考慮しています。
ビジネス要件としては、99.9%以上の可用性やピーク時の高レスポンス性能、PCI DSSを含む各種セキュリティおよびコンプライアンス要件を満たすことが挙げられます。さらに、B2B機能の追加や海外展開を視野に入れているため、スケーラビリティとマルチリージョン展開の可能性を念頭に置いた設計が求められます。また、オンプレミスにActive DirectoryやSQL Serverなどの既存投資があるため、本システムはハイブリッドクラウド構成を想定しており、一部の基幹系システムや機密データはオンプレミス側に残しつつ、Webフロントや顧客管理部分はAzureへ移行する計画です。ExpressRouteを使用した専用線接続により、十分な帯域幅とセキュリティを確保する方針としています。
設計方針はAzure Well-Architected Frameworkの5つの柱(信頼性、セキュリティ、コスト最適化、オペレーショナルエクセレンス、パフォーマンス効率)を軸としており、以下の点を重視しています:
- 高可用性と信頼性: Availability ZoneやSQL DatabaseのGeo-Replication、Azure Traffic Managerなどを適切に利用し、DR(Disaster Recovery)シナリオを確立。
- セキュリティとコンプライアンス: Azure AD(Microsoft Entra ID)との連携によるシングルサインオン、多要素認証(MFA)、PCI DSS準拠のネットワーク分離、Azure FirewallやWAFの導入など。
- ハイブリッドクラウド戦略: オンプレミスADとのフェデレーション、ExpressRouteによる帯域確保、オンプレに残す基幹系システムとAzureの連携などを想定。
- スケーラビリティと運用効率: Azure App ServiceやAKSでのオートスケールを活用し、Azure DevOps/GitHub ActionsでのCI/CDパイプラインを構築。
- コスト管理: Azure Hybrid BenefitやReserved Instances、タグ管理とAzure Cost Management + Billingによるコストモニタリングで最適化。
以上の設計により、本システムは将来の機能拡張や海外展開にも柔軟に対応しつつ、オンプレ資産を活かしつつクラウド移行を段階的に推進することが可能になります。
2. アーキテクチャ概要(約900 words)
本章では、eコマースプラットフォーム全体のAzureアーキテクチャを詳細に説明します。論理構成としては、大きく下記の要素で構成されます。
-
認証基盤 / ID 管理
- Microsoft Entra ID(旧Azure AD) テナントを中心に、オンプレミスADとの連携(Azure AD Connect)を実施し、SSOとハイブリッドIDを確立。
- これにより、社内ユーザー(管理者や運用者)はオンプレADの資格情報でAzureポータルや各種SaaSへアクセスできます。一方、顧客向けユーザー認証はAzure AD B2Cや別の顧客IDストアを想定し、将来的にID基盤を拡張可能な設計とします(本提案ではAzure AD B2Cの可能性を残しつつ、まずはアプリ個別認証を想定)。
-
リソース管理体系
- 管理グループ: 組織階層の最上位に「Root管理グループ」を配置し、その配下に「Production」「Development」「Sandbox」などの管理グループを設けます。
- サブスクリプション: 「Production」下に本番用サブスクリプションを1つ、「Development」下に開発/テスト用サブスクリプションを1つ用意。これにより課金情報やアクセス制御を分離し、ガバナンスを高めます。
- リソースグループ: 例えば「RG-Web」「RG-DB」「RG-Network」「RG-Infra」など、ライフサイクルや機能ごとに分割。運用監視やコスト管理のためにタグ付け(例: costCenter=ECOM, env=prodなど)を徹底します。
-
主要Azure構成要素と相互関係
- コンピューティング層: Azure App Service(Web Apps)またはAzure Kubernetes Service(AKS)を採用予定。フロントエンドのReactアプリは静的ファイルとしてAzure CDNに配置する案も検討。
- データベース層: トランザクションDBとしてAzure SQL Databaseを採用し、必要に応じてManaged InstanceやオンプレSQL Serverとのレプリケーションを検討。顧客プロフィールやセッション管理などスケールが大きいデータにはAzure Cache for RedisやCosmos DBを検討。
- ネットワーク層: VNet内でサブネットを分離し、NSGやAzure Firewallで通信を制限。パブリック向けリソースはApplication Gateway + WAFで守る。
- ストレージ層: 商品画像や添付ファイルはAzure Blob Storageで管理。大容量の画像配信にはAzure CDNを活用。バックアップや監査ログにはArchiveストレージも利用。
-
リージョン選択と可用性
- 選定リージョン: 「東日本リージョン(Japan East)」をメインとし、災害対策として「西日本リージョン(Japan West)」をセカンダリに設定。
- 可用性ゾーン(AZ)の活用: App ServiceやSQL DatabaseはAZ冗長化に対応しており、ゾーン障害に備えます。VMを利用する場合は可用性セットまたは可用性ゾーンを選択し、単一障害点を回避。
- マルチリージョン構成: 本番リソースは災害時に西日本リージョンへフェイルオーバーできるように設定し、RPO/RTOを満たす設計とします。通常運用では東日本リージョンのみをアクティブに利用し、コストと運用の複雑さを抑えます。
-
主要データフロー
- ユーザーはモバイル/ブラウザからエンドポイント(App ServiceまたはApplication GatewayのパブリックIP)へアクセス。
- WAFポリシーにより不正アクセスをブロックしつつ、バックエンドのWeb App/AKS/VMにルーティング。
- WebアプリがAzure SQL DatabaseやCosmos DB、またはキャッシュへアクセスして商品情報やカート情報を取得。
- 決済フローは外部決済ゲートウェイ(PCI DSS準拠)か、Azure上のService Busキュー経由でバックエンド処理へ渡す(非同期化する)アプローチを採用。
- 結果をユーザーに返却(レスポンスタイム1秒以内を目指す)。
-
ビジネス要件・非機能要件への対応
- 可用性要件(99.9%): サービスごとにSLAを確認。Azure SQL Databaseは最大99.995%まで可能であり、App ServiceもAZ対応プランを使用することで高可用性を担保。
- スケーラビリティ: オートスケールポリシーを設定し、ピーク時の負荷増加に対応。Azure FunctionsやService Busを使った非同期処理で突発的なトラフィックにも柔軟に対応。
- セキュリティ要件: Azure WAF、Firewall、NSGで多層防御。決済情報はPCI DSSに準拠したセグメント分離を考慮し、必要に応じてAzure Payment HSM連携を検討。
- 回復要件(RPO1時間、RTO4時間): Azure Site RecoveryとSQL DatabaseのGeo-Replicationを組み合わせ、災害時には西日本リージョンへフェイルオーバー。バックアップとポイントインタイムリストアも確保。
-
システム境界と外部接続点
- Webフロントエンドのパブリックエンドポイント、および管理者用のAzureポータル/リモート接続用にAzure BastionまたはVPN経由のアクセスを用意。
- オンプレミスとの接続はExpressRouteを基本とし、緊急時にVPN Gatewayによるフェイルオーバー接続も検討。
-
ハイブリッドクラウド構成の詳細
- オンプレシステム: 基幹系(在庫管理や決算処理)および一部の機密データが残る。
- Azure上: Webフロント、カタログDB(Azure SQL)、キャッシュ層、認証基盤(Azure AD)を中心に展開。
- ID統合: Azure AD ConnectでADアカウントをクラウドへ同期。SSOを実現。
- データ同期: 在庫や注文データはService BusやAzure Data Factoryでバッチ/リアルタイム連携を設定。
以上が、本システムにおけるハイブリッドクラウドを含めたAzureアーキテクチャ概要です。次章以降で、各Azureサービスの選定理由やネットワーク設計の詳細、ID管理とアクセス制御をより掘り下げます。
3. Azureサービス選定詳細
本章では、主なAzureサービスの選定と設定パラメータを示します。サブセクション3.1~3.6でそれぞれ500~800単語を目安に詳細化します。
3.1 コンピューティングサービス(約600 words)
採用したコンピューティングサービスと選定理由
本システムでは、以下のコンピューティングオプションを組み合わせています。
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Azure App Service (Web App)
- 迅速なデプロイと運用負荷の低減を実現するため、WebアプリケーションのホスティングにAzure App Serviceを採用します。PaaS型のためOS管理やパッチ適用が不要で、可用性もSLA 99.95%以上を提供してくれます。
- .NET Coreアプリケーションとの親和性が高く、Azure DevOps/GitHub ActionsとのCI/CD連携も容易です。スケールアウト機能が標準で備わっているため、ピークトラフィックに応じて自動スケールが可能です。
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Azure Functions
- バックグラウンドジョブや注文完了後の非同期処理(メール送信、レコメンド更新など)に利用。消費プランでの従量課金方式を用い、負荷が低いときのコストを削減します。
- Durable Functionsを用いることで複雑なワークフロー(例:注文ステータス管理)もイベント駆動型で実装できます。
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オンプレミスのWindows Server/SQL Server(一部継続)
- 規制や既存投資の観点から、基幹系の決算システムやERPデータなどはオンプレに残し、ExpressRouteでAzureへ接続。Azure Arcでハイブリッド管理を検討し、将来的にはAzure上への再ホスト移行も視野に入れています。
Azure App Serviceプラン選定と根拠
- App Serviceプラン(Premium v3): 月間10万人MAUに加え、ピーク時1,000リクエスト/秒を安定して処理するには、スタンダードプランよりも高いパフォーマンスと拡張性が必要と判断。
- インスタンスサイズ: 初期段階は「P1v3」(1コア、3.5GBメモリ)を2~3台で運用開始し、オートスケールで最大6台程度まで拡張を想定。今後トラフィック増に応じて「P2v3」へのアップグレードも容易。
スロット設定とデプロイ戦略
- ステージングスロット: 「staging」「production」の2スロットを用意し、Blue-Greenデプロイを実施。リリース直前にスロットをスワップすることでダウンタイムを最小化。
- スケール設定: CPU使用率が70%を超えたらスケールアウト、50%以下になればスケールインするメトリックベースポリシーを適用。さらにセール時などアクセス増が予想される場合は、スケジュールベースであらかじめインスタンス数を増強。
Azure Functionsのホスティングプランとパラメータ
- 消費プラン: イベントトリガー(Service BusキューやHTTPトリガー)に応じて実行されるため、常時起動が不要な非同期処理には最適。
- メモリ割り当て: メール送信や小規模なデータ加工程度であれば1~2GB範囲で十分。関数実行時間を計測し、必要に応じてPremiumプランへの移行を検討。
- Durable Functions: 注文→決済承認→在庫更新→通知メールといった一連のステップを定義し、ステートフルに管理。失敗時のリトライや状態管理をフレームワークがサポート。
代替案との比較
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Azure Kubernetes Service (AKS)
- 将来的にマイクロサービスを大規模に展開する場合はAKSが有力。しかし現時点ではアプリ数が限られており、コンテナ管理にかかるオーバーヘッドを回避したいため、App Serviceを選定。
- ただし、海外展開やマイクロサービス化が進む場合、AKSへの移行を念頭に置いている。
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Virtual Machines (IaaS)
- OS管理やパッチ適用コストが増すため、PaaS利用を優先。既存アプリが強くWindows Server依存であればVMも候補となるが、本プロジェクトでは.NET Coreを採用しOS依存度は低いと判断。
可用性と冗長性
- App ServiceのAZ対応プランを用い、単一ゾーン障害を回避。データベース側もゾーン冗長オプションを有効にすることで、アプリとDBの同時障害リスクを低減。
- フェイルオーバーシナリオ: リージョン障害発生時にはASR(Azure Site Recovery)か、App Serviceのバックアップ復元機能を用いてセカンダリリージョンへ切り替え。RPO 1時間、RTO 4時間の達成を目標とする。
これらにより、PaaSを中心とした高効率かつスケーラブルなコンピューティング基盤を実現しつつ、オンプレ基幹系とのハイブリッド接続を確保できます。
3.2 ネットワーク設計(約600 words)
VNet設計の詳細
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アドレス空間:
10.0.0.0/16
を基本VNetに割り当て、今後の拡張を考慮してサブネットごとに充分な空間を確保。 -
サブネット構成例:
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10.0.0.0/24
: パブリックサブネット(Application Gateway用) -
10.0.1.0/24
: Webサブネット(App Service環境連携用、VNet統合) -
10.0.2.0/24
: DBサブネット(SQL Managed Instance or Private Endpoint) -
10.0.3.0/24
: Azure Firewall用サブネット -
10.0.4.0/24
: Azure Bastion用サブネット - 必要に応じてPrivate Endpoint用サブネットを複数用意。
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- 可用性ゾーン間の分散: App ServiceやSQL Databaseがゾーン冗長に対応しているため、物理ゾーン障害を避ける形で論理的に分散される。
Azure基盤サービスサブネット
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Azure Firewall用サブネット (AzureFirewallSubnet)
- 必須サイズ
/26
以上のサブネットを割り当てる。すべてのアウトバウンド通信をFirewall経由で統制し、ログを取得。
- 必須サイズ
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BastionSubnet
- Azure Bastionを利用してVMなどへのRDP/SSHをブラウザ経由で安全に行う。NATポートが不要になり、セキュリティ向上。
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GatewaySubnet
- ExpressRoute GatewayまたはVPN Gateway用に確保。将来的な冗長構成を考え、/27以上を割り当て。
インターネット接続設計
- Application Gateway (WAF機能付き): パブリックIPをStandard SKUで割り当て、HTTPS(TLS1.2以上)を終端。WAFポリシーでSQLインジェクションやXSSなどをブロック。
- NAT Gateway: Webサブネットなどプライベートなリソースのアウトバウンド接続に利用可能。必要に応じてAzure Firewallで集約するか、NAT Gatewayを直接紐づけるかを判断。
ルーティング設計
- ユーザー定義ルート(UDR): すべてのOutboundをFirewallサブネットへ向ける“default route(0.0.0.0/0)”を設定し、インターネットアクセスを集中管理。内部通信についてはNSGやFirewallルールで許可。
- BGP ルート: ExpressRoute接続時はオンプレとの動的ルーティングをBGPで管理し、CIDR重複を回避。
セキュリティ設計
- NSGルール: パブリックサブネットからWebサブネットへの80/443通過を制限し、Azure Firewall以外からの直接アクセスは禁止。DBサブネットはWebサブネットからのDB接続ポート(例:1433)以外ブロック。
- ASG(アプリケーションセキュリティグループ): Web層やDB層のグループを定義してルールを簡素化。
- DDoS Protection Standard: eコマースで外部からの攻撃リスクが高いため、DDoS保護を有効化。コストは増すがビジネス被害を考慮すると妥当。
ハイブリッド接続設計
- ExpressRoute: 帯域幅は最初に200Mbps程度を確保し、ピーク予測や将来拡張に応じて増速可能な回線プランを採用。金融機関などとの取引があるため、安定した低レイテンシ通信が必要と判断。
- 回線冗長性: Primary/Secondaryで異なるキャリアやルートを利用可能にし、フェイルオーバー時も一定の帯域を確保。
- VPN Gateway: 緊急時のバックアップ接続としてVPNも用意する。ExpressRouteに障害が起きた場合に切り替えられる設計とし、RPO/RTO要件を満たす。
代替案との比較
- Virtual WAN: 企業全体で多数の拠点をまとめて接続管理する場合に有効。ただし、本システムではオンプレDCとの1対1接続が中心のため、当面はExpressRoute Gatewayのほうが適切。
- Public Endpoints only + NSG: シンプルだが、Azure Firewallを使わないとOutbound通信ログ取得やIDPS機能が限定的。監査要件やセキュリティ要件を満たすためFirewall導入が望ましい。
このように、ネットワーク設計ではハイブリッド接続、セキュリティ、多層防御を考慮しつつ、将来拡張を見越したCIDR設計とサブネット配置を行っています。
3.3 ストレージサービス(約500 words)
データ分類と保存要件
- 商品画像: 頻繁に読み出されるが更新頻度は低め。Azure Blob Storage(Hotアクセス層)を利用し、古い画像や履歴をアーカイブ層に自動移行するライフサイクルポリシーを設定。
- ログファイル/バックアップ: 書き込み頻度は高いが参照頻度は低い。Cool/Archive層やAzure Backup Vaultへ定期的に移動。
- 顧客アップロードファイル: 画像/ドキュメントなどはBlob Storageに保存し、プライベートエンドポイントでアプリケーションから安全にアクセス。
Blob Storage詳細
- ストレージアカウント種類: General Purpose v2を採用。
- 冗長オプション: 商品画像はゾーン冗長ストレージ(ZRS)とし、同一リージョン内でデータを3つのAZに保存。クリティカルなログやDBバックアップはGZRSまたはRA-GRSを検討。
- アクセス制御: Private EndpointでVNet内から安全にアクセスし、SASトークン(Shared Access Signature)により期限付きURLを発行。
Azure Files
- 既存アプリケーションのファイル共有機能が必要な場合に検討。SMBでマウント可能なAzure Filesを利用し、オンプレサーバーと同期する場合はAzure File Syncを併用。
- キャパシティやIOPS要件によってはPremium Filesを選択。
マネージドディスク
- VMを使用する場合に、OSディスクはStandard SSD、DB用ディスクはPremium SSDないしUltra Diskを選択。
- 今回はPaaS中心のためVMディスクの利用は限定的だが、仮想マシンを立てる場合はWorkloadのIOPS要求を分析してPremium/Ultraを選択。
バックアップ戦略
- Azure BackupでBlobやVM(もし使用する場合)のバックアップをRecovery Services Vaultに保存。
- バックアップポリシー: 日次フルバックアップ、保持期間は30日~90日を基本とし、監査要件に合わせて一部は1年間以上保持。
- RPO 1時間を満たすため、DBレイヤーは別途Point-in-Time RestoreやGeo-Replicationを使い、障害時の復旧を迅速化。
ハイブリッド環境のストレージ戦略
- Azure File Sync: オンプレ側のファイルサーバーとAzure Filesを同期し、クラウド上にバックアップ的に保管。
- 大容量データ転送: 初期移行時はAzure Data BoxやAzCopyを使用して一括アップロード。日常運用ではExpressRoute経由の継続同期を想定。
ストレージ設計は、データのライフサイクルと可用性・パフォーマンス要求に合わせて複数レイヤーを使い分ける方針です。商品画像やバックアップなどをBlob Storageに集約することでコストと運用のシンプル化を狙いつつ、冗長化オプションでビジネス継続性を確保します。
3.4 データベースサービス(約600 words)
データモデルとワークロード分析
- リレーショナルデータ: ユーザー情報、注文履歴、商品マスタなどは正規化が必要なため、Azure SQL Databaseを基本とする。
- セッション管理やキャッシュ: 高速アクセスが必要かつ整合性要件が比較的緩い場合、Azure Cache for Redisを利用してDB負荷を低減。
- 在庫連携: 基幹系SQL Serverがオンプレに存在し、在庫テーブルとのリアルタイム同期が必要。Service BusやAzure Data Factoryを活用して整合性を保つ。
Azure SQL設計
- デプロイオプション: PaaSのSQL Databaseを選択。理由はパッチやバックアップをAzure側が自動管理し、運用負荷を大幅に削減できるため。
- サービス階層: vCoreモデルのGeneral Purposeから開始し、ピーク負荷に合わせて8 vCore程度を割り当てる。IOPSが不足する場合はBusiness Criticalへアップグレード可能。
- ゾーン冗長/自動フェイルオーバーグループ: 同一リージョン内でゾーン冗長を有効化し、セカンダリリージョンにもGeo-Replicationを行う。フェイルオーバーグループでRPO最大5秒程度を目標。
- Azure Hybrid Benefit: オンプレSQL Serverライセンスを持っている場合は、コスト削減のために適用可能か検討。
Azure Cosmos DB(検討中)
- 商品カタログの検索速度をさらに高め、将来的にグローバル展開する場合、Cosmos DBを使った分散キャッシュ/NoSQLストアが有効。
- 現段階ではデータ量が50GB規模のためSQL Database内で事足りるが、急激なスケールやマルチリージョン書き込みが必要になればCosmos DBを導入。
データベースアクセス設計
- プライベートエンドポイント: SQL Databaseへの通信はVNet統合+Private Linkを使用し、インターネット経由を遮断。
- 認証: Microsoft Entra ID(旧Azure AD)統合認証とSQL認証を併用。特権アクセスはAzure AD PIMで厳格管理。
データベースのバックアップとDR
- バックアップ: Azure SQLは標準で自動バックアップ (PITR)をサポートし、最大35日間保持。Long-term Retention(LTR)を設定して年単位の保持も可能。
- DR: Geo-Replication + フェイルオーバーグループで地域災害対策を実装。RTO4時間以内、RPO1時間以内は容易に達成可能。
ハイブリッド環境のデータベース戦略
- オンプレミスSQL Server: 在庫や決算処理用のDB。必要に応じてAzure Arc-enabled SQLを利用し、監視/ポリシーをクラウドと一元管理。
- 同期メカニズム: 短時間の整合性遅延が許容される場合はイベントドリブン(Service Bus)か、定期的なETL(Data Factory)でデータを同期。リアルタイムトランザクションが必要ならSQL ReplicationやAlways On VPN経由などの検討もあり。
このようにPaaSを中心としたDB構成で運用負荷を抑えつつ、オンプレDBとも連携し、ハイブリッド構成をスムーズに実現する計画です。
3.5 アプリケーションサービス(約500 words)
ロードバランサー設計
- Application Gateway(WAF付き): HTTPS終端とWeb Application Firewall機能を提供。Cookieベースのセッション持続を利用するか、ステートレス設計を優先。
- Traffic Manager / Front Door: マルチリージョンをアクティブ-パッシブで構成する場合、Traffic ManagerやFront DoorによるDNSレベルまたはエッジレベルの振り分けも検討。
CDN設計
- Azure CDN: 静的コンテンツ(商品画像、CSS/JS)をキャッシュし、グローバルに配信速度を向上。Front Door + CDNの組合せも可能。
- キャッシュ設定: 画像ファイルは1日~数日の有効期限を設定し、頻繁な更新がある場合はバージョニングURLを採用。
API設計(API Management)
- API Management (Premium or Standard): 外部公開API(顧客向け/パートナー向け)や内部マイクロサービス呼び出しを一元管理する場合に採用を検討。
- 開発者ポータル: パートナーが使うAPIなどを公開予定の場合、ドキュメント管理やトラフィック管理を容易にする。
メッセージングサービス
- Service Bus: 注文完了後のワークフローを非同期化し、ピーク負荷を平準化。決済完了通知や在庫更新などをバックエンドキューで処理。
- イベント駆動: キャンペーン時にイベントGridを使ったリアルタイム反応も視野に入れる(プッシュ型通知など)。
サーバーレスアーキテクチャ
- Logic Apps: 外部SaaSやメール配信サービスとの連携フローをローコードで構築可能。
- Azure Functions: 先述のとおり、バックエンドジョブや実行時間が短いAPI処理、定時バッチなどに最適。
ハイブリッド環境のアプリ統合
- オンプレAPIのクラウド公開: API Managementの自宅VPN/ExpressRoute接続設定で、オンプレAPIをプロキシ経由で安全に公開。
- メッセージングパターン: Service Busのオンプレ接続でレガシーシステムと非同期連携を実現し、トラフィック量や依存を分離。
以上のアプリケーション層サービスを組み合わせることで、拡張性・可用性・開発効率の高いソリューションを提供します。
3.6 開発者ツールとDevOps(約550 words)
CI/CD設計
- Azure DevOps: リポジトリ管理(Azure Repos)とパイプライン(Azure Pipelines)を活用し、ビルドからデプロイまで自動化。
- ビルド定義: .NET CoreとReactをビルドするマルチステージパイプライン。Pull Request発生時に自動ビルド&ユニットテストを行い、テスト環境へデプロイ可能。
- リリース戦略: 本番環境はBlue-Greenデプロイ(App Serviceスロット)またはRollingアップグレード。失敗時は即座に元のスロットへスワップを戻す。
Infrastructure as Code
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Bicep/ARM: Azureリソースの定義をBicepで管理し、Azure DevOpsパイプラインから
az deployment
コマンドを実行。 - Terraform(代替案): マルチクラウド対応や既存ノウハウがある場合、Terraformも検討。いずれもステートフル管理のワークフローを確立することが重要。
シークレット管理とKey Vault連携
- Key Vault: DB接続文字列、APIキー、SSL証明書などを安全に保管し、パイプラインやApp ServiceからManaged Identityでアクセス。
- Azure DevOps Variable Group: 機微情報はKey Vaultとリンクし、ビルド中に自動取得。ソースコードやパイプライン定義に秘密情報を残さない。
環境別デプロイとガバナンス
- サブスクリプション分離: 開発/テスト/本番を別サブスクリプションにし、RBACやポリシー、予算を分割管理。
- タグと命名規則: 部署、プロジェクト、環境などのタグ付けを一貫して適用し、コスト追跡や運用管理を容易に。
- Azure Policy/Blueprints: 強制力あるガバナンスを設定し、ネットワークのオープンなポートや無制限ストレージ作成を防止。
ハイブリッド環境のDevOps
- オンプレとの連携: インターネット経由またはExpressRoute経由でAzure DevOps Agentを配置し、オンプレ側にデプロイ可能。
- 構成差異管理: オンプレはWSUSや独自のパッチ運用が走る可能性が高く、Azure側とは別ポリシーになることを考慮。Azure Arcを導入すればハイブリッド全体でポリシー管理を統一できる。
このように、DevOpsパイプラインとInfrastructure as Codeを組み合わせることで、アプリケーションとインフラを一元的に管理し、迅速かつ安定したリリースサイクルを確立する方針です。
4. ID管理とアクセス制御(約700 words)
ID基盤設計
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Microsoft Entra ID (旧Azure AD) テナント構成
- シングルテナント方式を基本とし、社内ユーザーをオンプレミスADから同期。今後海外拠点やパートナー企業を巻き込む際はマルチテナント機能やB2Bコラボを活用する可能性も検討。
- Entra IDライセンス:P1以上を推奨(MFA、条件付きアクセス、グループベースライセンスなどをフル活用)。
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ディレクトリロール設計
- グローバル管理者は最小人数に限定。運用チームには「ユーザー管理者」「セキュリティ管理者」など役割を細分化し、職務分掌の原則を満たす。
シングルサインオン(SSO)設計
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SSO対象アプリケーション
- 社内ポータル、Azure管理ポータル、Office 365(Microsoft 365)など既存クラウドサービスをAzure ADで集約。
- eコマースの管理画面へのログインもAzure AD認証を利用し、アプリケーション登録を行うことでアクセス制御を一元化。
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認証プロトコル
- OpenID Connect (OIDC) / OAuth 2.0: モダンなWebアプリやAPI向け。
- SAML: レガシーシステムや一部SaaSと連携が必要な場合に対応。
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証明書管理
- メタデータURLによる自動更新またはKey Vaultによる証明書保管で、証明書ローテーションを安全に行う。
ハイブリッドID管理
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Microsoft Entra Connect (旧Azure AD Connect)
- オンプレADとAzure ADのディレクトリ同期を行い、Password Hash SyncまたはPass-through Authenticationを採用。
- 既にAD FSを導入している場合はフェデレーション方式を検討。だが運用負荷を考慮し、可能ならPass-through Authenticationへ移行したほうがシンプル。
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ハイブリッドAzure AD参加デバイス
- 社内PCをAzure AD + オンプレAD両方に参加させ、モバイルワークやIntune管理との連携を向上。運用者はオンプレGPOとの併用も可能。
多要素認証(MFA)と条件付きアクセス
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MFA導入戦略
- 管理者アカウントは必須、一般ユーザーは段階的に展開。デバイス登録やアプリ通知、FIDO2キーなど複数の認証手段を提供。
- カスタマイズされた条件付きアクセスで「リスクの高いサインイン時にのみMFA必須」など柔軟にポリシーを適用。
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条件付きアクセスポリシー
- 例)「高リスクIPアドレスや国外アクセス時にはMFAを強制」「イントラネットからのアクセスはMFA不要」など、ユーザビリティとセキュリティを両立。
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パスワードレス認証
- Microsoft AuthenticatorアプリやFIDO2キーを使ったパスワードレスログインを将来的に導入し、フィッシングリスクを低減。
アプリケーション認証と認可
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OAuth 2.0 / OpenID Connect
- WebアプリやAPIの保護に利用し、Azure ADからIDトークン/アクセストークンを取得。APIのスコープごとに認可を制御。
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マネージドID
- Azure FunctionsやApp ServiceがKey VaultやSQL Databaseへアクセスする際、IDとパスワード管理が不要になる。インフラ側でトークンを発行して安全に認証。
特権アクセス管理
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Microsoft Entra Privileged Identity Management (旧Azure AD PIM)
- グローバル管理者やユーザー管理者などのロールを日常的に割り当てず、必要時にオンデマンドで昇格する「Just-In-Time」方式を採用。
- ロール昇格には理由入力やMFAを必須化し、監査ログに記録。
ID保護と侵害検出
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Microsoft Entra ID Protection (旧Azure AD Identity Protection)
- ログインリスクやユーザーリスクを自動検出し、高リスク判定されたユーザーにはパスワード変更要求やMFA必須化を即座に実施。
- ポリシー違反があった場合、セキュリティ管理者にメール通知やServiceNow連携でチケット発行。
以上により、オンプレとAzureのハイブリッドID管理を構築し、MFA・条件付きアクセス・PIMで強固なセキュリティを実現します。アプリレベルではマネージドIDとOAuth/OpenID Connectを活用し、パスワード不要かつ安全な接続を追求する設計です。
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