🎸

ISO/IEC 25010 SQueRE 保守性の副特性「アナライザビリティ」 DevOpsとマイクロサービス時代のQA キーワード解説

2024/06/13に公開

アナライザビリティとは

SQuaRE(Software Product Quality Requirements and Evaluation、ISO/IEC 25010)における保守性の副特性としての「アナライザビリティ(Analyzability)」は、ソフトウェアのコードや構造を理解し、問題を診断し、原因を特定するための労力を指します。アナライザビリティは、ソフトウェアの保守作業を効率的かつ効果的に行うために不可欠な品質特性です。
アナライザビリティは、ソフトウェアの保守性において重要な役割を果たします。

https://youtube.com/shorts/Dy-KmwqCDLU

アナライザビリティが高いソフトウェアの特徴・利点

  • 理解しやすさ: ソフトウェアのコードが整理され、明確な構造を持っているため、開発者が新たにコードベースに取り組む際にも理解しやすいです。
  • 問題の特定: バグや性能の問題など、ソフトウェアの不具合を迅速に特定できるようになります。これには、適切なログ記録、エラーメッセージ、デバッグ情報が寄与します。
  • 原因分析: ソフトウェアの問題の根本原因を効率的に分析し、特定することができます。これは、静的解析ツールやデバッグツールを使用して支援されることが多いです。
  • メンテナンスの容易さ: アナライザビリティが高いソフトウェアは、変更や拡張が必要な場合に、どの部分を修正すべきかを迅速に判断できるため、メンテナンス作業が容易になります。

アナライザビリティを高めるためには、ソフトウェアの設計段階で、コードの可読性、適切なコメントの使用、モジュール化、および良好なドキュメントの整備が重要です。また、ソフトウェアのアーキテクチャが明確で、各コンポーネントの責任範囲がはっきりしていることも、アナライザビリティを向上させる要因となります。

アナライザビリティの高いソフトウェアは、保守作業の効率化だけでなく、開発チームの生産性向上にも寄与します。SQuaREの枠組みでは、アナライザビリティは保守性を支える中心的な副特性として位置づけられており、ソフトウェアの品質と持続可能性を確保するために不可欠です。

Discussion