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SLA DevOpsとマイクロサービス時代のQA キーワード解説

2024/06/20に公開

SLAとは

SLA(Service Level Agreement、サービスレベルアグリーメント)は、サービス提供者と顧客の間で合意されたサービスの品質やパフォーマンスに関する取り決めを明文化した契約です。SLAは、特定のサービスがどのように提供されるべきか、またそのサービスが期待されるパフォーマンス基準を満たさなかった場合に取られるべき対策を明確に定義します。以下では、QA、DevOps、およびマイクロサービスのコンテキストにおけるSLAの役割と重要性について説明します。

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QAにおけるSLA

QAの観点から、SLAはサービスやソフトウェアの品質基準を明確に定義します。これにより、品質保証チームは特定のパフォーマンス指標や品質基準を達成するための基準を持つことができます。

  • 品質基準の定義:SLAは、ソフトウェアが満たすべき品質基準(例:バグの許容数、応答時間、システムの可用性など)を明確にします。
  • テスト計画の指針:SLAに基づいて、QAチームはテスト計画を立て、品質基準を検証するためのテストを実行します。
  • パフォーマンス評価:SLAに記載された基準に基づいて、リリース前のソフトウェアのパフォーマンスを評価します。

DevOpsにおけるSLA

DevOpsの文脈では、SLAは開発と運用の両チームにとって重要な指標となり、継続的デリバリーとデプロイメントのプロセスを通じて高いサービスレベルを維持するために役立ちます。

  • パフォーマンスモニタリング:SLAに基づいて、システムのパフォーマンスをリアルタイムで監視し、定められた基準を満たしているかを確認します。
  • 自動化された警告とアラート:SLA違反が発生した場合、即座にアラートを発し、問題の迅速な解決を図ります。
  • 継続的改善:SLAの達成度を基に、プロセスの改善点を特定し、継続的に改善策を実行します。

マイクロサービスにおけるSLA

マイクロサービスアーキテクチャでは、複数のサービスが連携して動作するため、それぞれのサービスに対するSLAが特に重要となります。これにより、全体としてのシステムの信頼性とパフォーマンスを保証します。

  • サービス間の契約:各マイクロサービスの提供する機能やパフォーマンス基準を明確にし、サービス間の依存関係を管理します。
  • エラーハンドリング:SLAに違反した場合のエラーハンドリング手順を定義し、システム全体の健全性を維持します。
  • 可用性と応答時間:各マイクロサービスの可用性(アップタイム)や応答時間などのパフォーマンス基準を明確にし、これらを継続的に監視します。

具体的なSLA項目の例

SLAには、以下のような具体的な項目が含まれます:

  • 稼働時間(アップタイム):サービスの年間稼働時間が99.9%以上であること。
  • 応答時間:リクエストに対する応答時間が200ミリ秒以内であること。
  • 解決時間:重大なインシデントが発生した場合、1時間以内に解決すること。
  • スループット:システムが1秒あたりに処理できるトランザクション数。
  • バグ修正率:報告されたバグの90%以上が1週間以内に修正されること。

まとめ

SLAは、サービス提供者と顧客の間で期待されるサービス品質やパフォーマンスを明確に定義し、これを達成するための基準を設定します。QA、DevOps、およびマイクロサービスのコンテキストでは、SLAを基にサービスの品質を管理し、改善し続けることが重要です。これにより、顧客満足度を高め、信頼性の高いシステムを提供することができます。

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