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手のひらネットワーク機器で逸般の誤家庭を手元に

2024/06/15に公開

手のひらネットワーク機器とは

手のひらネットワーク機器という玩具をご存じでしょうか。

エーピーコミュニケーションズが企画し、ターリンインターナショナルが製造販売する、いわゆるガチャガチャ玩具です。

実在物品のミニチュアガチャというジャンルは長年愛されていますが、手のひらネットワーク機器は、一般の目にはめったに触れない、エンタープライズ向けネットワーク機器というジャンルのミニチュアガチャとなっており、殆どの方にとっては、「これは一体何なんだ?!」というレベルでよくわからないものになっていると思います。

しかし、そのような超ニッチ製品と、それを普段から見ているエンジニアという人種との相性がすこぶるよかったのか、累計10万個、即日完売が相次ぎ、再販までされる程にバカ売れしました。
売り切れ続出の手のひらネットワーク機器 9月の再販が発表 from ascii.jp

この、手のひらネットワーク機器ですが、実際のネットワーク機器メーカーの公式監修を受けている製品となっており、メーカーロゴを含め、実物とそん色ない機器が1/12で再現され、それらを設置するラックまで付属しています(ラックは4カプセルで完成)。
2024年6月に第二弾の発売(と第一弾の再販)がされ、ITインフラを完成させることが出来るようになりましたので、一般の方がこのガチャガチャを手に入れた場合に逸般の誤家庭を構成することが出来るよう、簡単な解説をしていきたいと思います。

手のひらネットワーク機器の収録機器とその機器の機能

それでは、手のひらネットワーク機器が、どのような機器をモデルとしていて、それをどの位置に設置すると「それっぽく構成出来る」かを説明していきます。

手のひらネットワーク機器

A10 Networks Thunder 7655S(第一弾の中の青い奴)

「ADC」と呼ばれる機器で、インターネットからの通信を受信し、複数の「サーバー」への振り分けを行うことに使われることが多いです。
DMZと呼ばれるエリアに配置することが多く、DMZを構成するファイヤーウォール、今回のガチャでは「UTM」⇔「ADC」で接続すると、それっぽく構成出来るでしょう。

Cisco Systems C9300-48UXM(第一弾の中の白い奴で左側に黒四角が沢山ある方)

「スイッチ」と呼ばれる機器で、ネットワークを分岐する機能を持つため、複数の機器をつなぐために使われることが多いです。
様々な機器の間に挟むことが出来ますので、どこに挟んでもそれっぽく構成出来るでしょう。

Cisco Systems Meraki MX85(第一弾の中の白い奴で左側に黒四角が少しの方)

「UTM」と呼ばれる機器で、ファイヤーウォールやIPS、アンチウィルスなど、複数のセキュリティ機能を持つため、インターネットからの通信を最初に受ける部分として使われることが多いです。
この機器を起点として、様々な機器を繋いでいくと良いでしょう。

Furukawa FITELnet FX2(緑の奴)

「ルーター」と呼ばれる機器で、ネットワークを分離し通信を中継する機能がありますが、この機種は通信回線を提供する基盤レベルを対象にしている機器になりますので、インターネット側機器、という想定で、「UTM」の上に設置し、そこから先は何も設置しない形だと、それっぽく構成出来るでしょう。

手のひらネットワーク機器2

APRESIA Systems NP3000-24X4Q(第二弾の中の青い奴)

「スイッチ」と呼ばれる機器で、第一弾のC9300-48UXMと同じような役割です。

Extream Networks 5720-48MXW(紫の奴)

「スイッチ」と呼ばれる機器で、第一弾のC9300-48UXMと同じような役割です。

Fortinet FortiGate 3701F(第二弾の中の白い奴)

「UTM」と呼ばれる機器で、第一弾のMeraki MX85と同じような役割です。

Dell Technologies PowerEdge R760(銀色の奴)

「サーバー」と呼ばれる機器で、超高性能パソコンと考えて貰えれば良いかと思います。
DMZ、または内部NWと呼ばれるエリアに設置することが多いですが、いろいろな構成が出来ます。「UTM」と直結する、「UTM」⇔「ADC」⇔「サーバ」、「UTM」の「ADC」とは別のポートに接続などで、それっぽく構成出来るでしょう。
この「サーバー」があることで、ネット上のサービス提供を想定した機器構成が出来るようになりました。

ネットワークに興味は出ましたか?

手のひらネットワーク機器は、IT機器のメーカーが監修しているだけあって、実際のネットワーク構成とそん色ない構成を実際に作ることが出来ます。
前述の内容を意識し、機器と機器を意味のある形で繋いでみると、なんだか楽しくなってきませんでしたか?そんな方は、実物にも相性が良いかもしれません。ネットワークに興味を持った方がいましたら、是非、小さな書籍からネットワークを知っていっていただければと思います。

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